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【詩集】果てしない扉  作者: につき
重なる透明の色
32/100

「不安な午後に雨が降る」「散髪屋との攻防」

「不安な午後に雨が降る」




傾いた太陽を透かして

雨が降っている


沈黙の窓で子どもが見ている

剥ぎ取られた母性は立ち尽くすばかり

掴めなかった父性は薄っぺらい背中


黒い犬は黙ってうずくまったままで

上目づかいで見上げている


尽きない雨 雨 雨

全ての雫に感情はないのに地面で弾けて飛び散る


もしつかの間晴れて

雲の切れ間から光が差しても

そんなことに意味はない


また降り出す雨 雨 雨

冷たい雨が降り続く










「散髪屋との攻防」




髪を切っておこうと思って

散髪屋へ行って


「どうしますか」

もしもお任せにすればどうなるかわからない

でもどうすればいいかわからない


「これでよろしいですか」

いいかどうかはわからないけれど

よさそうな顔をして頷いている


「シャンプーをどうぞ」

断ったはずなので再度断り

家へ帰って既に風呂に入っていたことに気付く


結局二度風呂へ入ってしまった

これは敗北なのかも知れないが

再戦は数か月後になるだろう




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