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「争いの終わり「不安な午後」
「争いの終わり」
世界は家族を壊そうとしている
それに抗うものは
不必要に大きな家族を作る
お互いの争いの終わりは
より突き詰めた狂気の涯にあり
最後の家族が壊れた後で
人と人との綻びが
もう引き返せないほどに
大きくなっていることを知る
「不安な午後」
かつてのテレビは幻想を剥ぎ取られ
その肉は腐ってしまった
現実に放り出された子どもたちは
雑すぎる精度の麻薬に依存して
夜も眠らずに批判と揶揄を繰り返す
素晴らしいものは
下らないものに埋もれてしまい
美しい者は
それだけを持っては生きて行けない
静けさは失われて
喧しさで誤魔化されている
不安な午後




