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未だ無罪のわれらに
有罪にされたがる未だ無罪のわれらは
眠ったままで栄養を与え続けられている
愚鈍なトウモロコシの粒は
見た目だけは賢そうだ
乳白色の全てを含むコーヒーよりも
薫り高い紅茶の赤が優れているわけでもない
どうしたことだろうか
いつもいつもいつものままだ
簡単に殺され続けてしまう人々の列は
わたしの前で途切れている
深い闇はもうありふれた景色になっていて
輝ける未来は夢物語の彼方になった
一握りの砂金は太陽に愛されて
泥にまみれた石くれは朝を知らない
石くれに雨が降り
さめざめとした雨が降り
石くれの泥をすっかりと洗い流したら
辺りは一面の水の広がりだけに
水に蓄積された光の記憶を辿り
裁きのない無機質へ回帰すれば
昨日も今日もなくなってしまって
毎日が朝ばかりの明日になるだろう




