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【詩集】果てしない扉  作者: につき
重なる透明の色
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寂しさの悪寒

寂しさがぞくぞくとしてきて

どうにも寒くなってくる


共感のない寂しさが発熱しそうだ

こころの底から熱い腕が伸びてきて


孤独の中を潜り

誰かへとたどり着こうとしている


厚い布団を頭からかぶっても

身体の芯から来る震えは止まらない


やがて発熱の眩暈の中で

わたしは孤独を彷徨う


渇きはもっともありふれた冷たい水をもとめ

飢えは高みから飛び込むような先人の言葉をもとめる


孤独の熱が去り

汗にまみれた身体を清めても


地下鉄の風はまだひややかに乾いている

顔をはぎ取られた列車を待つ人たち


しかしなぜだか

暗闇から迫る列車の明かりは暖かい


ドアが開き乗客が吐き出されて

乗り込めば


車内は人いきれでむせ返る暑さ

人々はみな寂しい背中を向け合い


手に孤独を持ち

目で孤独を追い

指で孤独を辿り

耳で孤独を聞く




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