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【詩集】果てしない扉  作者: につき
重なる透明の色
18/100

別れ

別れが美しい旋律で現わされるまでに

強すぎる痛みが傷跡を残し

開いたままで閉じない扉からは数限りない涙が零れている


晩秋のような哀しみと

真冬のような凍えは


突き抜けてしまった薄青さと

小さな銀の鈴の音のような


放り出された軽やかさを伴って

胸に沁みついてしまう


それからのあしたは

風の音に痛み

雨の匂いに感じ

陽の眩しさに泣いてしまうことを

超えて


美しさとは完全でないことを知る


壊れた場所からこぼれてくる光に

きらきらと光る埃のような


冷たい青緑の淵に棲む

岩魚の赤い斑点のような


動いていて

まだ生きている


美しさの中に

残酷な事実がある


美はうつろうけれども

消えはしないということ


いつも人は

美を速やかに認識するということ


そして

哀しみが美しいということ




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