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【詩集】果てしない扉  作者: につき
重なる透明の色
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黒猫

のどをごーごーと鳴らして

なんだか眠そうな目で寄ってきて


撫でるのをやめると

身体を舐めている


めす猫の身体は清潔だけれど

おす猫はなんだか雑だから


ちょっと匂いがきついけれども

そのまぬけさがちょっといい感じでもある


わたしの黒猫は

めすなので

柔らかくて優しい


でも

彼女は子どもに厳しく

随分大きくなった子どもの猫が近づけば

唸り声をあげて追い払ってしまう


そのくせ

わたしたちには

かなり甘えてくる


なぜか耳朶をがぶがぶしようと

狙っている


よくわからない猫のこころには

美しい潔さがある


自然に生きている美しさ

森羅万象を受け入れている潔さ


それでも

ニンゲンと共に暮らすことを選んだ

哀しい温かみは


わたしたちのこころを和ませるけれど

契約のない関係のようであって


気楽でありながら

どこか希薄な


忠実とは反対の

同居と言うには依存的であるから


眠る猫たちがまた帰って来ることを信じて

その丸くてもふもふした毛並を褒めてやり


餌をやりトイレを掃除して

待って捕まえて


そんな関係を

彼女の命が尽きるまで

続ける事こそが


わたしにとっての

生きる意味の大切な一つでもある

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