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【詩集】果てしない扉  作者: につき
重なる透明の色
15/100

音と匂いと色と情熱

音はどうして鳴るのだろう

ぽろぽろ零れる鍵盤の雫には

不思議が隠れている


声はどうして出るのだろう

抑えきれない笑い声のさざ波は

明るい喜びから発している


鳥はどうして歌うのだろう

夜に怯える小さな宝石たちには

祝福の旋律が詰まっている


流れる流れる音の波

こころは音楽のちいさな船に乗って

星空のホールを漂い出す


静かに耳を澄ませば

音楽家には聞こえるのだろう


世界に満ちる音譜の声が

彼らにはいつも語り掛けているのだろう


わたしには聴こえない声は

ためらいながらわたしに触れて


そっとささやくような

微かな震えを伝えてくる


命の最期の震えのような

微風の生まれるときのはじめのような


それらは決して信号ではなくて

ながいながい歳月を経た土の匂いのような


生きている地球の匂い

生きているわれわれの匂いに似ていて


きっとどこかですれ違っている

彷徨う情熱たちの記憶の蓄積


もういいだろうとは決して言わない

あきらめることのない沈黙の蒼


ありふれた誰かではなくて

叶えたい夢の溢れる金色の波




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