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【詩集】果てしない扉  作者: につき
重なる透明の色
13/100

月は雲を嫌いになれなかった

光は

迷わず直進する


屈曲を経て

辿り着くのは私の目


刺し貫いていく

戸惑わぬ光景


胸は痛む

冷たい降り止まぬ雨に


冬空は灰と白に紛れ

黒は哀しみの色


雪だろうと聞こえる

それでも戻らない昨日


大急ぎでPCを起動して

どうするのだ


いくら綺麗であっても

哀しみは温めない


鈍足の幸せよ

ひっくり返っている場合ではない


連弾のピアノの演奏

繰り返されるテーマ


雲間の光は邪推に満ちて

光線を露わにする


例えられない人々の声

こんなにこんなに叶わないことが


いま潮は満ちているのか

明るい目には見えぬもの


星と月と仄かな光よ

迷わず導け


喪われたはずの光の

辿り着いた私の目


差し込んでくる

感動のない波


苦しさは一時の迷い

雨は降ることがない


地を這うものは

床下に潜り


雪になった水の記憶

そのままだった過去


大好きだった論理値

どうなったのか


美しさはどこか悲しい

突き抜けてしまえばもっと


確実な死神よ

思うままに実行せよ


連綿と続かない日々

更新され続ける明日


月は雲を嫌いになれなかった

どうしてもそうだった


堪らないといえばそうだろうけれど

毎日のようにありふれている


いまは静まりかえる明かり

揺らめく蝋燭の灯




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