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【詩集】果てしない扉  作者: につき
重なる透明の色
12/100

団らんの朝

見た目は同じでも

意味が違うのです


嬉しさが極まって

感動に胸を震わせて

笑い転げまわり


流す涙には

色んな意味があるはずなのに


私が詳しい涙の意味は

哀しい涙のことばかり


だからそのこと少しだけ

哀しい涙の二つきり


一つ

軽いためらい涙

ためらい傷の頼りなさ


流れた頬の冷たい感じ

洗われて少し軽くなって


二つ

重い致命傷

止まらない痛み


零れているのは

透明な血


どくどく流れる

わたしの命です


でも

そろそろ

哀しい傷を忘れましょう


白い障子を透かす陽は

柔らかに廊下を照らしている


硝子ごしの夕暮は

埃まで赤く染めていく


眠る私には

届かないけれど

朝の光はやってきている


日常の朝に響く

透き通った朝の声たち


子どもたちが騒いでいる

学校へ行こうとしている


おさな子が

どたどたと走り回っている


猫たちが

たたたたと走っていく


家族たちの団らんが

朝の団らんが

聞こえてくる


私の一番大切な願いが

聞こえてくる


この

団らんの朝に


この

大切な朝に


この

彷徨わない朝に


こそ

わたしの命が

漲っています




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