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アポイントを取るのは大事です。


「間崎さん、新聞部は甘夏通信という学内新聞を発行しています。今月のメイン記事として間崎さんへのインタビューを掲載したいのですが、取材させていただけませんか?」


人好きのする笑みを浮かべ交渉しようと試みる私。そんな私を周りの人々は、「うわ、棗ちゃんが笑ってる」「やべぇ、間崎が策士の罠に嵌まるぞ」等と言っている。なんて失敬な!

で、肝心の間崎さんは、


「断る」


無表情で断ってきました。だが、一度断られたから諦めるなど記者ではない。というわけで、


「そこをなんとか!お願いします」

「だから、断「俺が許可するよ」副部長!?」


頭を下げたら大和先輩が許可をくださいました。間崎さんは大和先輩が自分の言葉を遮り、さらに取材許可を出したことに驚きと怒りが含まれた声をだした。


「いいか、太陽。新聞部及び甘夏通信は創部・発行たったの1年でこの学校で絶大な信頼を得、生徒のほとんどが読んでいる。つまりは、お前を知ってもらうチャンスであり新聞部との個人的なコネを作る機会でもある。だから取材を受けておいて損はない、だろ?満」


間崎さんの肩に手を置いて話す大和先輩。

大和先輩の言うとおり創部1年目にしてうちの新聞部は信頼されている。だが、いまだに陰口叩かれてるし、たまに脅迫状が届きます。主に「どうして嵐くんの記事ではないのですか!」とか、「嵐の迷惑になるような記事載せんな」とか、佐藤嵐ファンクラブの過激派の方々からのものが。ですが、そのような物が来るとファンクラブの会長と幹部さんが「過激派がご迷惑をおかけしました」と謝りに来てくれます。


「零一の言うとおりだ。学校を知るには新聞部という言葉が出来るぐらいだし、それに棗もいる」

「棗ちゃんがいるのが1番だよな」

「だな」

「うんうん、棗ちゃんがいるなら大丈夫」


山橋部長や他のレギュラーの先輩方からの「私がいるから大丈夫」発言、なにが大丈夫なのかわからない。私がいても何もないはずなのだが。


「ですが!」

「間崎、これは部長命令だ。ここにいるレギュラーも全員受けてきたんだ、お前だけ受けないことは許さん。棗、取材は急だが今日の部活動終了後、新聞部の部室でも構わないか?」

「はい、構いません。そろそろ休憩時間も終わりのようですので。男子バスケットボール部レギュラーの皆さま、本日は新聞部甘夏通信号外への取材協力ありがとうございました、この記事は来週の月曜日に発行いたしますのでよろしければご覧になってください。では山橋部長、大和副部長、間崎さんは終わりましたら新聞部部室までお願いします」

「ああ。休憩は終了だ、練習に戻るぞ」


山橋部長の掛け声を聞きながら体育館を出る私と吉岡は揃って部室に向かう。

よっし。アポイントが無事に取れました。今月は佐藤ではない記事が載せられてうれしいです。


さて、それでは間崎さん達を待っている間に号外の方を仕上げますか。明日は土曜日なので頑張れば甘夏通信の本紙も号外と同時に出せるかな?

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