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俺の学園生活は何かが間違っている  作者: いんぱらす
始まりは残念系・・・
5/21

花火大会当日っ!

 「はぁ、あと1時間後には花火大会か・・」憂鬱な表情を浮かべて俺は一人部屋でぼやく。

今日の登校時、大樹が颯爽と手を挙げて「やぁ」とか言ってきたから、でこと鳩尾にパンチと裏拳食らわした、さすがに百烈●はまずいだろうからね。

「兄ちゃーん!」「ん?」俺の部屋にどんどんと近づいてくる足音、愛華か どうしたんだろ?

「じゃじゃーん!」「おー」愛華は浴衣姿だった。

小柄で今日も何故かツインテールに結んでいる愛華に紫単色の浴衣は少し合わないが、まぁ可愛いから様になっている。

「何でまた大人じみた・・」「お人形さんはやだもん!」「あ・・・そっすか」どうやらまだ心結の事を引きずっているらしい。

「あと一時間後だぞ?」「へ?何言ってんの?今6時55分だけど」「はぁ!?」俺の部屋の時計、5時55分。

ドタタタ、階段を駆け下り階下へ リビングの時計、6時55分。

「何で最高のタイミングで電池切れてんだよぉぉぉ!!」こっから甲羅川まではそんな距離がないので助かったが、もしもっと遠くだったら確実にアウトだった。

「いこっ」「ああ」愛華は浴衣姿なのに俺は甚兵衛じゃない、ってかまずない 俺の母さんがともかぁく愛華が大好きなのだ、だからコイツの衣装もとい着替えは大体母さんの趣味が3割程占めている。

俺はというと英字入りの半袖に膝丈あたりまでのカーゴパンツとラフい格好だ、何かヤンキーとかでいそう。

「ダーッシュ!」「あ、おい待て」愛華はズダダダと走っていってしまう、まぁ俺はすぐ追いつくけど。

「はぁ・・・」そんなこんなで、雲行き怪しく花火大会は開催された。


 「あっくん!」「お?」「(ビクッ!)」愛華、そんな怖がらなくてもいいぞ。

「心結じゃね・・えか?」心結は浴衣姿だった、まぁ当たり前なんだけど。

いつもみたいにポニーテールじゃなく、今日はストレートに髪を下ろしている、それが何かすごい浴衣とマッチして似合っていた 浴衣の色は心結らしい明るい薄黄。

「ど・・どっかな・・?」「似合う、すっごい似合ってるよ」「ホントっ!?」「ぶー・・」俺が心結を褒めてあげると愛華が不機嫌そうに唸る、何だよ お前のことも褒めてやったじゃん。

「桜田君!」「あー、柏木か・・え?」そこには和洋を統一し調和させた完璧美人がいた。

長いストレートを背後で結びあげている姿は大和撫子と遜色ない位の美人度だ、それが銀髪だと尚更綺麗に見える、浴衣は和風な抹茶色だが 瞳の翠色と相まってそれはある種の統一感を表していた。

簡単に言うと「超超超超超超超美人」ということだ、にしても見覚えがあるのは気のせいだろうか?

「・・・」「桜田君?」小首を傾げる姿はその大人っぽい雰囲気に反してとても純粋で素朴な反応だった。

「あ・・悪い、綺麗だなって」「ひゃっ!!!??」「?」俺の言葉で数歩後ろに下がる、顔は真っ赤。

「あ・・あれ?」褒めたつもりなんだけど、引かせた上に怒らせちゃった? なんて最低な男だよ、俺。

「悪い、褒めたつもりなんだけど・・」「あ・・・あ・・ありがとうごじゃいまひゅ!」「あ・・・喜んでたんだ」噛み噛みになるぐらい緊張していたのか、浴衣姿は初めてなのかな?

「むー・・」「ぶーぶー」「だからお前ら何なの!?」心結は参戦してるし愛華は文句の数増えてやがる。

「私の筋肉さぁーん」「誰が筋肉だぁ!」振り向くと私服姿の涼花がいた。

「お前も私服か?」「あれ?もしかして皆さん浴衣?」「あー・・俺は着ないけどな」「ありゃりゃー、着てくれば良かったです」そう言う涼花の服装は黒字の半袖ティーシャツに薄めの半袖ジャンパー、下はピンクと黒の混ざったスカート、靴下はニーソックスじゃなかった。

「似合ってるんじゃない?」「やっぱりですか?」「何その確信してたぜ、みたいな反応」超うぜぇ。

「いえ・・まぁ少しは期待してましたけど、こんなストレートに来るとね・・・」「うんうん」「たゃ・・たゃすかに」「お前まだ呂律回ってねぇのかよ」どんだけ舌弱いんだよ柏木。

「えー・・っと約一名来てないけど出発」「ちょ・・!待てやぁ!」「やぁ大樹君奇遇だね」「お前が誘ったんだろ!?」「黙れ修羅場萌えが」「何が悪い!?」「俺にその趣味を丸なげするのが悪いんだよバカ!」大樹は何故か甚兵衛姿だった、特筆して書く点はなし、強いていえば大樹が気持ち悪い 以上。

「さ、いくぞー」「「「「「おおー」」」」」俺達6人は掛け声を上げて屋台を練り歩こうと土手へ向かった。


 「たこ焼き買って」「へいへい」「わたあめ買って」「はいはい」「りんご飴買って」「食い過ぎだろお前!」俺は愛華にねだられ、たこ焼き・わたあめ・りんご飴と3種類も買う羽目になってしまった。

「おいひぃ・・・」「そうですか」目の前でたこ焼きを頬張る愛華は何かリスを連想させる、その頬っぺたをグニーっと引っ張りたい。

「にゃにひゅんにょよ!」宣言通り引っ張ると、たこ焼きを食いながら頬を引っ張られながら話すから日本語じゃなくなってしまっている。

「いや、引っ張りたかった」「むー・・あれ、あの人達は?」「ああ、散り散りに周るそうだ あくまで出発は一緒ってだけだな」「ふーん」「確か女子3人グループと俺と愛華と大樹のグループ、まぁ大樹は路上ライブのアイドルんとこ行ったからもういないけど」「A●B48?」「S●Eじゃなかったっけ?」俺達が適当にアイドルのグループ名を答えていると目の前に別れた女子3人グループが見える。

「あっくーん」「桜田君っ」「筋肉さぁん」「筋肉やめろ、せめて秋良って呼べ!」「秋良さぁん」「そうそう」「あっくん達はまわったの?」「ああ、愛華の食べ歩き散歩になっちまったがな」「ひょんにゃことにゃいよ」俺に頬を引っ張られながら必死に弁明する愛華、黙らっしゃい 何と言おうとお前のせいだ。

「・・・いいな・・・」「え?」「・・え?!あ! なんでもないですよっ!?」柏木が何か妙な事をいった気がするが気のせいだろう。

「ところで秋良さん」「あ・・・どした?」「花火はいつ頃?」「あー・・そろそろじゃ」ドォォォン! 地響きのように腹の奥へと伝わる巨大な振動、その直後 空には満面の輝きが映し出されていた。

「うわぁぁ」「綺麗・・」「花火なんて久々です」「兄ちゃん見てよ」「ああ・・」俺たちは屋台から少し距離を取り、土手から花火を眺める。

色とりどりで鮮やかなその空の花は、俺達の意識をいとも簡単に集中させた。

「すげぇなぁ・・・」「うんうんっ!」愛華は嬉しそうに空を眺めては軽くジャンプしている。

「なぁ、そう思うだろ・・・え?」俺が隣に声をかけると、そこには誰もいなかった。

「心結、柏木、涼花っ!?」「どうしたんだ秋良!」そこに丁度大樹が駆けつける。

「兄ちゃん・・・」「くそ・・・花火に気を取られた瞬間に誰かに攫われた・・・のか?」「どういうこった!?」俺と大樹と愛華は3人で丸くなって状況を把握する。

「愛華、大樹と一緒に行動して近くを散策してくれ もし多少の情報でもいいから聞いたらすぐに俺の電話に」「うんっ!」「大樹、愛華を頼む」「任せろ、女の子は命にかけても守る!」「よし、捜索開始だ!」「「おう(了解っ)!!」」俺は来た道を戻るように、愛華達は今から進む方向へと進んでいく。

「くそ・・・待ってろよ、心結・柏木・涼花っ!!」俺は自分に毒づきながら周囲を探し始める。


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