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俺の学園生活は何かが間違っている  作者: いんぱらす
変則的な日々
11/21

男の鬼門と謎の電話

 てなわけで、階下に居る俺。

「色即是空色即是空色即是空色即是空・・・」去れ煩悩!、そんな感じでお経のように唱え続ける。

ジャー・・・、キャハハハ~、うわーおっきい、何でこんな大きくなるのぉー?・・・・だあああああ!

「狙ってるだろぉ!?」叫んだが返事はない、別に屍ではないと思うけど。

「くそ・・・忌まわしい・・!」俺は呪詛のようにつぶやいて、ハっと思う。

「そーだ!テレビ点ければ気が紛れるだろ!」ひゃっほーいといった感じでリモコンの電源ボタンをポチポチ。

「・・・あれ?」けどつかない、一向に赤色から緑色にランプが変わらない。

「まさか・・・!!!」リモコンの電池が入ってる場所を開けると、中には何もない。

「やられた・・・今電池の在庫はない、ということは・・・!」チェックメイトでござる。

近々チェックメイトな日が多い気がする、どうやったらこの状態で理性を狂わせずに心を保てるのか。

「そうだ、ウォークマンを・・・」俺の部屋の中にある、(あの殺人装置があるから行けない)ってことは詰。

「マンガを・・・」そういえば全部売り払ったんだった。

「ゲーム・・・」親に暇つぶしように奪われて戻ってきてないんだった。

「どぉぉぉすんだよぉぉぉぉぉ!?」さっきの独り言の最中にも、風呂場からは俺を意識した言葉が多く飛ぶ。

・・・はその言葉を脳内処理で何とかカバーしている為に起きてしまう動作だ、我慢して。

「やっぱ・・・色即是空だな」結局原点へ戻って呪文を唱え始める。

「色即是空色即是空・・・」プルルル、家電が音を鳴らした、ビックリして飛び上がるが、誰かと会話出来るならば多少心が落ち着くだろう。

「もしもし」『桜田秋良、だよね?』声は女特有の高めな声、だけど煩い感覚は無く、脳に響く綺麗な声だ。

「え・・そうですけど、アナタは?」『まー・・・10年前だもんね、分からないか』「・・・?」何やら訳ありな感じの人っぽい、言葉からして昔から俺を知っているようだが・・・。

『私はね、マリアヌ=アリス、素性は近頃そちらに出向くからその時に伝えるわ』「近頃出向く?ってか外国人!?そんな知り合い居ませんよ俺!」『じゃーねー』「って聞けよ!!」ブツ、会話を一方的に話すだけ話されて電話を切られた、アリス?素性はそちらで説明する?ってかそもそも俺の親戚に外国人???

疑問符のオンパレードだ、この感覚はどっかで味わった気がする・・。

その時だった。

「っ!!」ガラガラ、奥の洗面所から扉を開ける音が聞こえる、あれは風呂場の扉の開閉音だ。

「ついに・・・出たな!」乗り切った、この地獄のような天国のような時間をっ!

だが、次はさらなる関門が待ち構えていた。

シュルシュル、布擦れの音が聞こえる、それだけで俺の心臓が跳ねる。

「(く・・くそぉ、ここに至ってもまだ俺に関門を設置するとは、愛華め・・・!)」俺は一人で勝手に決め付けて苦悶する、この布擦れの音は愛華らにとっても予想外だったというのに。


 「今頃秋良さんどんな顔してますかね?」涼花は風呂場でそう切り出した。

「鼻の穴広げて興奮してるんじゃないのっ」少し怒り気味な麗香の口調、ぷりぷりした態度とそれによって引き起こされる動きで、上半身の膨らみが揺れる。

「うわぁ・・おっきい」愛華はそう呟いた、そして自分の上半身へと目を向ける。

成長期なのか、まだ発育しきっていない微妙な大きさの膨らみ、多分・・・A位の膨らみが存在する。

「ずぅるぅいぃぃ!」「ひやぁ!?」愛華は麗香に抱きつくと膨らみを揉み始める。

「や・・やめてくだひゃぃぃ・・」麗香は力が抜けたのかぺたんと床に座り込む、ちょっと目がとろーんとしている。

「まったく、愛華さん 麗香さんはアドリブに弱いんですから」涼花は凛とした表情で告げる、麗香に比べると見劣りするその膨らみも、並よりは上という事実が涼花の動じない態度に現れる。

「二人してズルいいいい!」「ちょ!愛華さん!無闇やたらに揉みしだかないでくれますかっ!?」愛華と涼花と麗香はもみくちゃになりながら揉んだり揉まれたりという、健全な男子高校生なら出血多量で死亡する位な不健全行為を平然と行っていた。

数分後、はぁはぁと少し色っぽい息切れをしながら三人は答えに至る。

「「「お風呂に入るって事忘れて、何してんだろ私たち?」」」結果、三人共おバカなのである。

「狙ってるだろぉ!?」リビングから飛ぶ怒声、だが少し嬉しさの混じる声音に三人はニヤっと笑う。

「ふふ、秋良さん恥ずかしがっちゃって」「秋良はそーゆー所可愛いよね」「兄ちゃんのえっち!」三人は三者三様の対応をしながらも目元はにへらっと下がっている。

「さて、体を洗いましょう」「「おー」」涼花の号令の元、お風呂タイムが開始される。


 風呂場の造形だが、まず広さは一般的アパートのリビングサイズと思ってくれて結構だ。

浴槽はその広い敷地の2分の1を占め、残り半分の広さには温泉等によくある座席とシャワーの組み合わせが5つ。

本来こんな大きいサイズにする必要はないのだが、破天荒な母親の遊び心による行為のせいでこうなっている。

浴槽は立った状態では身長180だと膝丈あたり、座ると胸元より下サイズ位の深さ。

つまり、涼花・麗香・愛華だと大体首元、愛華ならばプカプカと浮く位の深さである。

縦に4m程高さがあるので、お陰で天井掃除は苦労するんだとか。(秋良情報に基づいて)

そんな一家庭では有り得ない広大な風呂場に、今3人の女子が居る。


 「背中洗いっこって夢だったんだよね」麗香が呟く。

今三人は円を組むように座ってお互いがお互いの背中を洗い合っている。

「麗香さん、肌モッチモチ・・!」「ちょっと、愛華ちゃん!触っていいとこと悪いとこがあるよっ?!」自然と両腕が上半身の膨らみを隠す、触った場所は太ももなのだが。

「愛華さんも瑞々しいお肌ですね」涼花はプニプニと背中や太もも、ふくらはぎ、お腹と満遍なく触り始める。

「あ・・!ちょまった!そこだめ!」「分かってますよー」膨らみへ伸びかけた手をパシっと軽く払う愛華。

「けど涼花ちゃんだって綺麗じゃない・・・」麗香も涼花の体を触り始める。

「きゃっ!くすぐったい!」涼花にしては珍しい素直な女の子の反応に少し呆気にとられる二人。

コホン、と一つ咳払いをして涼花は告げる。

「さ、次は入浴ですね」「「う・・うん」」結構無理矢理な感じが否めないと思ってしまった。

「あったかいぃ」「「はふぅ」」3人はゆっくりと入って、静かに呟く。

女の子にとって風呂がどれだけ重要かは、言うまでもない。

それから数分、まったりとお風呂を満喫した3人は、ゆっくりと脱衣所へと向かった。


 「愛華めぇ・・!」一方俺、秋良は脱衣所前の扉で待機していた。

「(もし万が一誰かが全裸で出てきた時はこのバスタオルで・・・!)」母さんが愛用している大きめのバスタオルを両手に握って扉の前で構える。

端から見ると入浴中の女子を襲おうとする変態にも見えなくないという状態に秋良は気づかない。

「ふ・・愛華め、万策尽きただろう」その時だった。

「あれぇ?」世界が反転する、俺が見つめていた床は何故か天井になっている。

ちなみにお風呂の扉は横開き式ではなく、前後開き式である。

俺がタオルを持ったまま滑って倒れたという事に気付くのはそれから数秒後だ。

リビングと違う才色の蛍光灯、多分これは脱衣所の照明。

俺の右足に絡まる大きめの俺が持っていたバスタオル、これが原因で倒れたのだろう。

そして、それよりももっとマズイ事が目の前で起きている。

今までの流れを簡潔に説明すると、タオルでコケて俺は目の前の前後開き式の脱衣所へと飛び込んでしまった、ということ。

ということは・・・。

「「「きゃあああああああああああああああ!」」」そこは、桃源郷ヘブンだった。


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