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俺の学園生活は何かが間違っている  作者: いんぱらす
始まりは残念系・・・
1/21

美少女と幼馴染と妹と・・・

 「起きろぉ!」「ぎゃふぅ!」目覚めの右ストレートを顔面に喰らう俺。

「て・・てめぇ愛華!また勝手に俺の部屋に・・・!」「兄ちゃんが起きないから悪いんだよ!」俺の妹、桜田愛華は悪びれもせず、凛とした態度で俺を叱りつける。

「まったく!高校生にもなって中学生の妹に起こされる兄ってどーよ!?」「知らんわ!それとお前起こし方にはちゃんと順序があんだよ!いきなり殴りつけるとか暴力だろうが!」元来の寝起きに弱い性格と理不尽な暴力で俺は口調を荒げる。

俺の名前は桜田秋良、高校一年生だ。

「ふんっ!自分の起床時間が悪いんでしょ、起きない自分を正当化しないでよね」「この・・・!」俺は成績中位くらいの頭のよさなのに愛華はいっつも学年トップとか2位とかを取る位頭がいい、神様恨むわ。

なので毎回正論と俺の悪いところを盾に言葉の暴力で俺をいじめつけるサディストシスターだ。

「・・・もういいや、飯は?」「もう出来てるよ、お母さんは仕事いっちゃったし」「そんな時間?」時計を見ると7時30分、俺が毎回登校している時間帯だ。

「おいぃ!もっと早く起こせよ!」「はぁ!?何でそもそも私が起こさなきゃいけないのよ!」「知るかんなこと!ともかく起こすならもっと早く起こせ!」俺はダッシュで階下へ行く、勿論着替えるためだ。

直後3分で俺は服をパジャマから制服へと早変わりさせた。

「・・早っ!」「神業ランクだぞ」ちょっと自慢しつつ俺は食卓へつく。

「私先行くからね?」「へいへい、いってら」「うん、いってきます」年頃の兄妹は仲が悪いというが、俺と愛華はあまりそんなことはない、まぁ一方的に俺がボコられる事を除けばの話だが。

「ってゆっくりしてる暇ぁねぇぞ!」俺は飯と味噌汁と焼き鮭という定番朝ごはんをかっこんで学校へと向かった。


 「遅刻した奴ぁいねがぁ!」「どこのなまはげだ!」俺は生活指導である岩田豪から説教を受けていた。

「まったく、登校時間を5分もオーバーするたぁ、どういう要件なんでい!?」「何でべらんめぇ口調だ!」ツッコミどころの多さ以外は結構真面目でいい先生だと思うんだけどな。

「まぁいい、さっさと教室へ向かえ」「へーい・・・」俺は上靴に履き替えて教室へと向かった。

私立凛麗高等学園、ここは別に何か特筆してすごい高校なわけではない。

「あー・・そういえば」俺は階段を上った時に背後にある窓ガラスから下を眺める。

「あの子、大丈夫かな?」あの子、とはもう2ヶ月程前になるが校舎裏で男子数人に囲まれてイジメられていた女の子の事だ。

俺は外見的によくヤンキーと間違われる、細い目、何故か肉付きのいい体、そしてちょっとラフなスタイル。

そんなヘタレヤンキーこと俺は本家のヤンキー共によく追い掛け回されていたので、独学で護身術や喧嘩を覚えて行使するようになった、するとたちまち俺へのヤンキー共の猛攻が止んだ。

その代わり校内には『ヤンキーより怖いヘタレヤンキー』という矛盾に矛盾を重ねたようなあだ名が出来てしまった。

「・・・まぁいっか」そんな昔のことを思い出しながら俺は教室へと向かった。

「ぎゃははははは!」「・・・うっせぇ」俺が扉を開けると扉周辺の女子がワっと立ち退いた。

そして教室奥から聞こえる笑い声、それは俺を嘲笑するような嫌味な笑いではなく受け入れるような笑いだった。

「うっせんだよ大樹」「だぁってよぉ?お前遅刻とか・・・ぎゃははは!」「るっせ」俺の遅刻がどこにツボったのか知らないが俺を笑い続ける大樹。

「おっそい!」「げぶは!」本日二回目の暴力。

「心結、叩くなよ!」「遅いあっくんが悪いんですぅ!」「あっくんて言うな、恥ずい」俺を叩いて反省の色を見せない妹的な存在は、幼馴染の姫岸心結だ、ちなみに秋良あきらだからあっくんと呼ばれている。

「静かにしろー」先生が入ってくる、生活指導の岩田豪だ。

「ちぇー」皆がブーイング気味に着席し始める、後入学して2ヶ月間ずっと男子の目が痛い。

それは何故か、簡単な話だ。

俺の隣に校内一・・・らしい美少女の柏木麗香がいるからだ。

噂によると、母親がアメリカ人で父親が日本人で、柏木本人はハーフらしい。

中学までアメリカで過ごし、去年にこっちへ戻ってきたとか、日本語ペラッペラだけどな。

容姿は日本人離れした圧倒的スタイルと、銀髪の肩まであるストレートと翠色の宝石みたいな瞳が特徴的だ。

毎日毎日告白されるらしいが、未だ付き合ったことはないらしい 既にいるという噂もある。

で、入学当日に勝手に席替えされて俺はこの所定の位置についたわけだ。

「(最悪だ・・・ヤンキーってだけでも汚名なのに尚更男子に嫌われてるとか・・・!)」たまにチラチラとこっちを見てくる柏木は何かを期待しているようなそんな色を見せるが、俺は男子からの悪評が怖いのと別に彼女とか欲しくないっていうところが絶妙にマッチして適当に無視している。

「出席とるぞー」「へーい」「横石」「はい」「建宮」「へい」「前崎」「ほーい」クラスのメンバーがどんどん呼ばれていく。

「ヘタレヤンキー」「誰がヘタレヤンキーだ!」何故かいつもと違って俺はヘタレヤンキーと呼ばれた、いつもなら「桜田」って呼ばれるのに。

「・・クスッ」「?」隣では柏木が軽く吹いていた、なんだろう 今の粗いツッコミがうけたのだろうか?

「(ジィィー)」「・・!」背後を向くとムスっとした顔でこっちを睨む心結、怖い怖い。

出席をとりおえて、教室を去っていく先生。

「・・・はぁ」俺は机に突っ伏す、やる気も元気もない。

「・・・桜田君」「ほえ?」聞きなれない声音、それは俺に向けられた言葉では聞きなれない声音、けど男子をよくあしらっている時にはよく聞く声音、声の発生源は隣からだった。

「・・・柏木?何か用?」俺の素の返事に男子の大勢グループから舌打ちが聞こえる、なんだよ・・・。

「えっと・・、少し今日話があるから・・放課後残ってくれる?」「あぁ、別に構わないけど」「「「ぐああああああああああああああ!」」」男子グループから強烈な悲鳴が挙げられる、どうしたんだ。

「ヒューヒュー、告白ですかい?」「・・あ・・その・・えっと・・」顔を真っ赤にしてうつむいて言葉に詰まる柏木。 「大樹、そこらにしとけ 告白なんかじゃねーよ、俺なんかじゃ不遇だろ」「へへへ・・・まぁ、そうとでも思っときなさいな」大樹は含み笑いでニヤニヤと俺を見つめる、うわぁ うっぜぇ。

「授業を始める」「・・・」結局入ってきた先生に勢いは削がれて、授業が開始された。

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