帝立戦闘員育成専門学校 5
「みんな、時間通りに来たな」
どうやら、この人が先生のようだ
左目に眼帯をしていて数えきれない傷と鍛え抜かれた大柄な身体を持った竜人族だ。眼光は鋭く背負っている大剣が目に付く
それに町で会ったら絶対に目を合わせれないぐらい強面だ
「これからお前らの戦闘訓練をみることになったんだが…俺は手加減が出来ない、だから最初にこいつらと戦え」
突然、転移システムを起動させたようで式が浮かび上がった
「多分死ぬことはないが絶対に気を抜くな。まぁ本当に危ないときは助けてやる」
シギャアアァァアァア!!!!
…嘘だろ
この先生、拘束具が付けられてるとはいえ魔物を転移させやがった
…ザワザワ
周りの生徒たちが流石に騒ぎ出す
そりゃそうだ、俺を含めて実際に生で魔物を見たこともない奴らばかりだ
正直魔物を舐めてた
俺は身体が恐怖で震えており、身体が言う事をきかない
爬虫類型の魔物リザイド、全長は150cmほどあり四足歩行。特に人間族が好物らしい。爪や尻尾で攻撃し鋭利な牙で食らい付く最もポピュラーな魔物でテレビでも何回も見てるはずなのに実際に見るとこんなに怖いなんて…
手足を拘束されてるとはいえ口からは鋭い牙をガチガチと鳴らしながら俺たちを見て涎を垂れ流している
それが三匹
勘弁してくれ
周りを見ると何人かの生徒は泣きそうに…いや、既に泣いて腰が抜けている子もいた
「せ、先生!わ、私たちには実践はまだ無理です、早すぎます!基礎訓練からお願いしたいのですが」
その中で使族の女生徒が抗議していた
他の生徒も
「そうだよ、まだ無理に決まってる」
と弱気な事を言っていた
とはいえ賛成だ
いきなり何の訓練もしてない生徒に詳しい説明もなしに戦えはありえなさ過ぎる
死ぬだけだ
ん?まさか…今回の授業の目的って実際に魔物を見せるだけだったりするのか?
そう考えれば納得だ
おかげで少し震えも収まってきた
あ~焦った、、早くリザイド消してくれないかな
と、考えていた時だった
「チ!これだからガキは…危なかったら助けてやろうと思ったが、やっぱ止めだ」
突然リザイド三匹の拘束を解きやがった
「はあぁ!!?てめぇ何やってんだ?」
思わず素で叫んでしまった
いや、気にするところはそこじゃない
リザイドが三匹とも俺に目を向ける
やば!!!!
先生…いや、こいつはもう先生とは呼ばん!
あいつはニヤッと口を歪ませ
「最初はお前か…そうそう一つ言っとくが、こいつ等一週間何も食わせてないからかなり気が立ってるぞ、じゃあな」
転移式に消えていった
マジで助ける気ないのか!!
そうしている間にもリザイド三匹は俺に向かって来る
このまま俺は黙って殺されるのか?
嫌だ!冗談じゃない!
まだ身体は震えているが動かない程じゃない
どん近づいてきてるが、まだ間に合うはずだ
「やってやる!!!」
自分の身体を叱咤するため叫び、宝器を起動させる
「起動!!!フール・デュエット!!」
リザイドは牙と爪が付いたでっかいトカゲをイメージしてください