帝立戦闘員育成専門学校 4
昨日の歓迎会ではそこそこの先輩と交流が持てたし、特に気があった人たちとは連絡先の交換まで出来た
食事も上手かったし同じクラスの子らとも話が出来て充実した日だった
「レイト君考え事ですか?授業中は集中しなさい」
昨日のことを思い出しているとシオン先生に注意されてしまった
「すいません」
「しっかりしなさい、ここが戦場なら死んでますよ」
ため息をつかないで!!すごく落ち込んでしまう
まさかこの年で怒られるなんて、へこむー
「脱線してしまいましたが続きを説明します。宝器が人間族にしか使えない理由ですが、これは非常に精密な機械です。といっても戦闘に耐えれるように外からの衝撃にはかなり強く作られています、しかし使用者が人間族以外だと体内から放出される濃密な魔力が宝器に組み込まれている回路に悪影響を及ぼし使用不可能となってしまいます。約20m離れていれば魔力の濃度の問題から影響を及ぼすことはありませんが、そもそもそれでは宝器が使用できません、なぜなら宝器の起動条件は使用者が触れていることが前提だからです。開発されて200年以上の月日が経っているにも関わらずこれだけは改善することが出来ていません。これが宝器が魔力を体外へ放出できない人間族のみ使用可能な理由です」
これって人間族って宝器がなければ戦闘に役立たずって事なんだよな~
いや、でも歴史を振り返ると宝器が使えなかった時代の人間族って銃を使って遠距離から戦闘に参加していたらしいから、全く役に立たなかった訳じゃないはずだ!!
そう思いたい
「更に50年程前なら接近戦を人間族とした場合、宝器に触れ魔力を流すだけで無力化できたと言う研究結果がありましたが今では個人識別機能がついており登録された本人以外の魔力を全く受け付けなくなりました。これにより実際に戦闘するとなると宝器を破壊するより、普通に戦った方が勝率が高い事が実証されたのです。次に獣人族のついて説明します、そもそも獣人族の起源は…」
話はまだ続いてるけど、重要なこと飛ばしてる
人間族は魔力を体外に放出できないだけじゃない
宝器で放出できるようになっても本当に放出できるようになっただけ
攻撃に使うことが出来なかったんだ
そこで科学者たちは宝器に銃や剣等の武器も収納出来るようにして魔力を収束する技術を開発した
ここでようやく魔力は銃なら弾として剣なら刀身として形を作って他の種族と同じ土俵で戦闘に参加できるようになったんだ
…これは今の時代に転生してマシな部分の一つだ
鉛の弾だけで魔物と戦っていた時代の人間族、苦労したんだろうなぁ
そんなことを考えていると
「時間です、続きは次回にします。次の授業は戦闘訓練を行います。担当はダーウィン先生です。各自遅れないように訓練場へと向かってください」
授業が終わっていた
次は戦闘訓練の時間だ
実は一番楽しみにしていた授業だ
「よし」
さっさと片付けて訓練場に向かう
「レイトー!待ってよ、一緒に行こう」
隣の席の人間族ユウヤだ
「ユウヤ、早く行かないと遅れるぞ」
歓迎会で仲良くなった奴の一人だ
「なぁなぁレイトの武器って何?俺は槍だ」
「どうせ後でわかるのに…」
「後で分かるなら今教えてくれても良いじゃん」
そんなに気になるもんか?仕方ないな
「俺は二丁銃だよ」
「へぇ~」
何だよその反応
「なんだよ?」
「別に、普通だなって思ってさ」
「お前も普通だろ」
「そうなんだけどね、レイトは他の人と雰囲気違うからビックリするような武器かと思ってたんだ」
驚いた、雰囲気とかこの年で考えるか?
ユウヤって意外と鋭い奴なのかな
「「レイト!ユウヤ!一緒に行こう(ぜ)」」
「おう」「うん!」
グロウとニキも一緒に行くことになった
賑やかに訓練場へ向うことになったが、楽しみにしていた戦闘訓練が地獄だと予想していた者はここにはいなかった