自宅 2
ズズゥン…
ドガァ!!!!
何がなんだか分からないうちに次々と衝撃に襲われる
「何が起こってんだ!?」
窓から外を見てみると、とんでもない光景が目に入る
「空庭が、、落ちている…」
空庭とは空中庭園の中で人が住んでいない陸のことだ
それが落ちてくる事は普通ならありえない
落ちてくるとしたら浮遊能力が失うまで攻撃されたということだ
「魔物に落とされた?」
俺の予想通りだったのか炎を纏いながら落ちてくる空庭から何匹も魔物が降りてくるのが見えた
「これはヤベェ…」
「にぃちゃ?」
「何の音?」
一緒に寝ていたカナミとトウガが起きていた
「早く逃げるぞ、ここにいたら危ない」
二人の手をとり外に出ようとすると
「無事か!!?」
「レイト、カナミ、トウガ!!」
両親が慌てた様子で部屋に入ってくる
「俺たちは大丈夫だ、いつ空庭がここに落ちてくるか分からない!宝器だけ持って外に逃げるぞ」
着替える事もせず、宝器を持って外に逃げる
カナミとトウガも宝器を持ったことを確認し急いで外に出る
ズズズズ…ズゥン
ドゴォ!!
外に出ると次々と空庭が落ちてくるのが見える
そして
ドゴォ!!!
俺たちの家が潰される光景が目に入った
比較的小さい空庭だが家を潰すには充分な大きさで、その衝撃と風圧で俺たちは飛ばされる
「ガァ!!?」
「キャーーー!!」
「グゥ!!」
「「ワアァァ」」
もう少し出るのが遅かったら…もう少し落ちてくる空庭が大きかったら俺たちは潰されてしまっていただろう
「はぁはぁ…」
何とか巻き込まれずにすんだ、体中が打ち付けられてかなり痛いが骨が折れてなくて良かった
皆は無事なのか?
「大丈夫か?」
「「うわぁぁん」」
トウガとカナミの泣き声が聞こえる
「大丈夫か!?」
「何とか大丈夫よ、レイトは?」
「俺は大丈夫だ」
両親も所々怪我をしているがそれほど酷くない
トウガとカナミも大した怪我はしていないみたいだ
「なんとか無事か…良かった」
それでも時間が止まる訳でもなく次々と炎に包まれた空庭が落ちてくる
「早くここから逃げよう!!いつか巻き込まれる」
父さんの言うとおりだな
「行こう!」
俺はトウガを
父さんはカナミを抱えながら走る
母さんは宝器を起動させている
「起動、ブリッツトリガー」
武器はマシンガンだ
「私が前を走るから二人はその子達をお願いね」
「「分かった」」
しかし逃げ場がない
「くそ!!ふざけやがって」
思わず悪態をついてしまう
それもそうだろう
空庭が落ちてくる数は減っているがいつ自分達の上に降って来るか分からない恐怖と空庭を襲ったであろう魔物が町中にいるのだから
目の前にはツバイト、ビーシングル、プデラ、ホークオークといった飛行型の魔物ばかりが群れている
しかも遠目には魔物の上位種である竜型の魔物ヴァリトラが数匹いる
生き残れる確率が低い
生きて朝を迎えれたら奇跡のような状況だ
「諦めるな」
「父さん」
俺たちはまだどの魔物とも戦っていない、流石に母さん一人で戦わせることは出来ないし、トウガとカナミもいるため群れで襲われたら家族全員死ぬ可能性が高い
極力見つからないように遮蔽物に隠れながら移動しているのが現状だ
父さんは諦めるなとは言うが…この状況は絶望的だ
「シャーーーー!」
「ちぃ!?」
ここで一匹のプデラに見つかった
プデラは前世では古代の生き物として伝えられているプテラノドンと同じ姿だ
この世界では普通に多くの固体が生きている
攻撃方法は羽ばたきによる強力な風圧と鋭い嘴、急降下して獲物を仕留める大爪だ
「早く逃げなさい」
母さんがマシンガンを構える
「逃げるのは君だよ…ランカクノタチ起動」
しかし父さんがカナミを母さんに渡し宝器を起動させる、父さんの武器は日本刀だ
「レイト、母さんをつれて早く逃げなさい、大丈夫だ必ず後で追いつく」
そう俺に言うが
「ざけんな」
はいそうですかと頷く俺じゃない
「起動!フール・デュエット」
俺はフール・デュエットを起動させて照準をプデラに合わせる
「絶対においていかねーよ、何言っても聞かねーからな」
「駄目よ!!」
母さんは取り乱すが知ったことか
「誰が言うこと聞くかよ」
「お願いだから逃げて」
涙を流して俺達に逃げるように頼んでいるが
「言っただろ?言うことは聞かねーって!!」
こんなやり取り意味ねーな!
他の魔物が寄ってくる前にさっさと片付ける!!
「きどー!ツメトキバ」
「起動します!ヒイラギ!」
トウガとカナミが宝器を起動させる
トウガは普通の二丁拳銃、カナミはロングライフルだ
二人とも戦う気だ
「そんな!?二人も?お願い止めて、逃げてよ!!」
母さんがヒステリーを起こしたかのように高い声で叫ぶが
「母さん諦めて」
「ぼくも、たたかうぞー!」
二人も震えているが引く気はないようだ
「俺は止めて欲しいんだがな」
父さんは諦めたように言う
「シャーーー」
プデラが隠れている建物ごと攻撃しようと魔力を溜めているのを見てしまい
「ち…母さん、カナミ、トウガ!援護頼む」
俺はそう言って、父さんと隠れていた遮蔽物から飛び出す
「な…!?」
しかし、周りには計2匹のプデラと3匹のオークホークが俺たちが隠れていた場所を囲むように存在していた
勝ち目がゼロに近い
いつものメンバーで戦ってもヤバイのに、連携しなれていない家族とだからなおさらだ
だが
「(それでも…生き残ってやる)」
俺は生きることを諦めない
ビーシングルは蜂型の魔物で全長20cm程、武器は尻についてる毒針を飛ばす、強靭な顎で噛み千切るがあります
プデラは作中に書いたから大丈夫ですよね、ちなみに全長は3mです
オークホークは強靭な肉体と身体を支える大きな翼をもっているグリフォンです、全長4mほどで、攻撃は嘴と咆哮、鉤爪、羽ばたきに魔力を乗せて獲物を吹き飛ばす等があります
ちなみに作者は当初何事もなくレイトくんを帝専に帰すつもりでした
どうしてこうなったorz




