一時帰宅
結局あの後は他に魔物が来ることはなかった
しかし最前線での被害はあったそうで五人の戦闘員が死亡したそうだ
そして補給部隊から五人前線に残ることになったらしい
なんでも補給部隊は物資だけでなく減った人員さえも補給する役割もあるそうだ
補給部隊って過酷なんだな…
そんな現実を実感しながら俺たちは帝専に帰ることになった
帰りの道中に補給部隊の隊長が
「学生で誰かが死ぬと思っていたがお前達は運が良いな」
なんて言ってきた
確かにあの中にムトギナやツバイトがいたらと思うとゾッとする、でも…
「あんた達が厄介な魔物を押さえてくれてたからな」
俺はそう思っていた
「ふん、偶然だ」
偶然にしては出来すぎだろ
そもそも俺たちが相手にしていたダイグロスだってまだ子供だった
まぁ…それでアレなんだから困る
「そういうことにしておくよ…ありがとな隊長さん」
最後は聞こえないぐらい小さい声で言ってやった
帝専に帰るとクラスの皆から戦争はどうだったか怖くなかったか怪我はなかったか等々聞かれまくった
正直面倒だったがいつかコイツ等もいつか行くことになるし副隊長が言っていた情報の共有で死亡率が下がるんなら必要だろうと思い一つひとつ丁寧に答えていった
青い顔をしたり泣きそうになっている奴もいたが、頑張れとしか言えない
トニスと付き合うことになったのはニキによってすぐにバラされた
あの時の皆の驚く様は本当に面白かったなぁ
その後、俺たちが帝専に帰ってからは定期的に何人も戦争実習に行っている
しかし死人は出ておらず帰って来るたびにほっとしている
皆こんな思いをして俺たちを待っていたんだろうか
そういやニキとグロウも付き合いだしたらしい
俺が何か言える立場じゃないから「おめでとう」とだけ言っておいた
ちなみにトニスとの付き合いは、まぁまぁだ
どっか遊びに行ったり図書室で本を読んだり二人で戦闘訓練をしている
時々ダブルデートもして楽しんでいる
流石に子供相手に「アレ」は駄目だろうし、する気はない
今のところは…だけどな
そして日々、命懸けの戦闘訓練や勉強も進んでついに長期の休みに入り実家に帰っても良くなった
久々に家に帰る為に三日前に学校にリフターを出してくれるように申請しておいた
そのせいか学校の前にいくつもリフターが並んでいる
トニスも帰るらしい
実家は空中庭園ジーニアストップにあると言っていた
いつか行っても良いか聞くと赤い顔をしながら頷いていたな
単純にジーニアストップに興味があるからの発言だっだが…なんか色々勘違いしている様だ
まぁ、訂正はしなくても良いだろう
「じゃあなトニス、また一週間後」
「ん、また」
俺たちはハグをして別れを惜しむ
「はぁ…見せ付けちゃって」
「人の目を気にしろよ」
「ごちそうさま!!!」
ユウヤ、グロウ、ニキが見送りにきてくれていた
「お前らも元気でな」
「俺たちはついでかよ」
グロウがため息を吐く
「んなことねーぞ?大事な戦友だ」
「はは、分かってるよ」
ユウヤが軽く笑いながら頷いている
本当に素直な奴だな
「うわ!恥ずかしいこと真顔で言ってる!?」
ニキは会った時から何も変わらんな
「お前はいつまで経っても子供だな」
「久々にひどい事言われた!?」
「気にすんな、それと二人とも仲良くしろよ?」
「「余計なお世話【だ】」」
ははっ
話していると楽しくていつまで経っても帰れない
ここら辺で良いか、、さっきからずっと繋いでいたトニスの手を離す
「あ」
名残惜しそうにしているが、すまんな
「じゃあ、またな」
俺は迎えに来ていたリフターに乗り皆に手を振って学校を後にした
ラッブラブです!
どっちともです!
ユウヤ君があぶれて可愛そうだけど…五人で仲良くしていたら、こういうのって良くあるパターンですよね
え?ない?
俺はあるぞ!あぶれた側としてな(泣)




