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戦争実習 4

「このままじゃ生き埋めにされる」


大量に迫ってくる土砂は俺たちを結界ごと飲み込もうとすさまじい勢いで迫ってくる


周りにいた他の魔物はもう生き埋めにされてるだろうな


これを何とかできるのはグロウの導式だけど守護結界を張っているから無理だ


他の三人も大規模な魔法は使えないから、ここは俺がするしかないか



「ユウヤ、宝器あずかっててくれ」


そう言って投げ渡すと


「まさか魔法を使う気?」


驚かれた


「そうだが?」


「「「「駄目!!」」」」


四人でハモりやがった


実は俺が魔法を使えるのは学校中の噂だ


『魔法を使える人間族』として


しかし、本当のことを知っている人はほとんどいない


けれど、この四人は知っている


シオン先生から俺が魔法を使おうとしたら止めるように言われているからだ


理由も説明されたらしい


厄介なことをしてくれたよ


でも


「他に打開策あんのか?」


この一言で皆、黙った



「心配してくれるのは嬉しい、でもこれしか方法が思い浮かばない」


土砂を弾くだけなら簡単だろう


しかしダイグロスを何とかしないと次々に土砂が襲ってくるためキリがないしその内体力が尽きて死ぬことになる


それが分かっているんだ


ついに土砂が結界を埋めて真っ暗になった


俺は腕を伸ばし掌を地面に向ける




ちなみに俺は自分が使う魔法を法式と呼んでいる





まずは土砂を地を抉りながら勢い良く弾き飛ばすイメージ


範囲は…30mあればダイグロスにもある程度ダメージは与えられるだろう


前みたいに意識を失わないようにしないとな


そうだ、グロウの結界を利用させてもらおう


頭の中で効果をイメージして式を構成する


「法式展開」


守護結界に淡く光ながら魔法陣が描かれていく


今から使う法式はなんて名前にしようか…


そうだ、アレにしよう


インスピレーションは大切だ


さぁ、食らいやがれ


「トラクターインパクト」


目を開けられないほど魔法陣が強く輝き



ィン


と小さな音が鳴ったと思った瞬間


ドゴオオォォォ


と思わず耳を塞ぐ様な轟音と地響きが鳴り響いた


「うわ!!」


「だーー!!」


「きゃー!!」


「ん!!」


これはイメージ以上の効果だ!!皆、すまん!









そして静寂が支配している中、ゆっくりと目を開けた


そこにはクレーターこそ出来ていないが約50mほど舗装されたかのように綺麗になっており何もなかった

30mのつもりだったけど、強すぎたか


の割には身体はだるいが痛みはない、前回よりも身体に掛かる負担はかなり少ないようだ



重畳



そういやダイグロスは?


周囲を見渡すが波紋が出来ていないため、近くにはいない


しかし油断できないな


身を潜めているだけかもしてない


「早く起きろ、まだダイグロスは生きてるかもしれんぞ」


未だ尻餅をついている皆に声をかける


「マジかよ…あれで倒せてないとか、冗談じゃねーな」


グロウはぶつぶつ言いながら周囲に気を配り


「流石は地竜だね、はぁ…またあいつと戦うのか」


ユウヤは珍しく嫌がりながらも槍を構える


「いるならチャチャッと倒して休憩しよ、疲れちゃった」


ニキは言葉とは裏腹に気合の入った構えをする


「大丈夫?」


トニスは俺の顔を覗き込むようにみてくる


心配してくれてるのか…


顔が近い、てかトニスって近くで見ると結構可愛いな


なんて思ってたらついキスしてしまった


「「「ちょっ!?」」」


三人はこっちをガン見し


「///」


トニスは顔を真っ赤にして俯いた


…俺ってばなにやってんだ



「大胆だねー」


「こんな時に何やってんだよ」


「キャー!なになに?二人はそんな関係だったの?」



「仕方ねーだろ」


と言ってみるが


「「「何が?」」」


と返された


いや…うん…全くだ、反論できねー



その時


ポチャン



ダイグロスが跳ねたのをみた


やっぱり生きてたか


でも、直ぐに攻めて来ない事から、そこそこダメージを与えてると考えて良いだろう


警戒してるな



「ありゃ、やっぱり生きてたか」


「この続きはあいつを倒してからだな」


「だね」


三人ともニヤニヤしやがって


トニスの顔はまだ赤いが爪を伸ばして臨戦態勢に入っている


俺はユウヤに預けていた宝器を返してもらいフール・デュエットを起動させる


さぁてと、仕上げだ


覚悟しろダイグロス


ここからは俺たちのターンだ

主人公…トニスちゃんの初ちゅー奪っちゃいました、キャー(//▽//)


精神異常で行動まで可笑しくなっちゃったんですね

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