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戦争実習 2

「前線が近くなってきた、魔物の数も増えてくるから学生は戦列の真ん中にいろ」


そう言って俺たちを戦列の真ん中に保護されながら最前線へと連れて行かれる




この後は質問する時間もなくなると思われるため俺は気になってることを聞いてみた


「隊長さん、なんで俺たちみたいな戦力にならないどころか足手まといな学生を最前線までの補給に連れて行くんだ?」


「さぁな、上の考えてることは知らん」


「隊長、それじゃ可愛そうですよ、せめて推測ぐらいは言ってあげては?」


「じゃあ、お前が説明してやれ」


「はぁ、全くもう」


副隊長がため息をつきながら教えてくれる


「あくまで俺たちの推測だけど、優秀な学生を早めに戦争に慣れさせて使えるようにする事と君達が帝専に帰った後に仲間に教えることで少しでも生存率を高めようとしてるんじゃないかな?」


「あんた達が守るための戦いに慣れる為って言うものあるんですかね」


「鋭い事言うね、否定は出来ない」


「そうっすか」


「しかしレイト君だっけ?君は物怖じしないんだね、こんなにハッキリ言う子は今までいなかったよ」


「どうも」


「褒めてないよ、君はさっきの戦闘だって自分が混ざりたくて仕方ないって顔してた、早死にするタイプだね、気をつけなさい」


「はあ」


自分が早死に?そうならないために頑張ってるのにそれはねーな


「それともう一つ、俺たちは前線に連れて行かれるなんて聞いてないんだが?」


「補給部隊が一番補給を求めてる最前線に行かないわけないだろ?」


だから、その話を聞いてねぇって言ってんだ!


と言おうとしたが流石に止めた


空気が一変したからだ


血の臭いがひどい


臭い…






その後、幾度となく魔物に襲われたが俺たちから死人は出ていない


見事な連携で俺たちを守りながら補給部隊は最前線へと着いた



ここは一段と血の臭いがひどい、ニキとトニスが口を押さえている

流石に心配になってきた


「二人とも大丈夫か?」


「あんまり大丈夫じゃないよ~」


「ひどい臭い」


「想像以上だよね…」


「いるだけで気分が悪くなるなんて初めてだぜ」


皆、顔色が悪い


ニキに至っては涙目だ


獣人族は他の種族に比べて五感が良いからな、俺たち以上にこの臭いにやられているんだろう





「今回は早かったな、ごくろう」


「流石に三年も学生がついていれば慣れましたよ」


「そうか、来年からは別の部隊に派遣するように上申しておく」


「そうしてもらえると助かります、ガキのお守りは心臓に悪い」


「はっはっは、確かにな」


俺たちが話をしているといつの間にか隊長と厳つい竜族のおっさんが話をしていた


多分、最前線の隊長なんだろう


「どうだった?」


「まあまあだな、一人危ない奴はいたが、それだけだ」


「結構」


道中の魔物のことか?危ない奴なんかいたか?


危なげなく来れたように思ってたんだけど





最前線の隊長への報告と物資の補給が終わったのか補給隊長がこちらを向いて


「これで後は帰るだけだ、ここまで来るのに一週間掛かったが帰りはもっと早く着くぞ」


その台詞で皆はホッとしている


俺としては物足りない感じだったが、一年生だし最初の戦争実習はこんなもんかと納得しておく




帰ってからの授業のことも心配だ…結構進んだんだろうな…


委員長にでもノート見せてもらうか




「気は抜くな!何が起こるか分からん、特にここはな」


最前線の隊長が俺たちに渇を入れる


言ってることは正しい、ここで気を抜くべきじゃなかった





「報告します!!」


うわ、やっぱり何か来た!


「どうした」


「地竜ダイグロス15匹とその他魔物は…目測ですが100匹以上がこちらへ向かってきます」


「そうか」


おいおいおいおい


なんだそのふざけた規模は!?


それがここに来るのか?


物足りないとは思ったが流石にこれは無理だろ



だが



頭ではそう思っていても何故か感情が高ぶる


モチベーションは今までにないほど高く、頭の回転が速くなってくる



「残念だ、お前らに手伝って貰わないといけない状況になった」


「その数なら仕方ないですね、学生共!聞いていたか?帝都に帰る時間が延びた、戦えとは言わんが自分の身は自分で守れ、この規模だとお前達を守るために人員は裂けない、今回は流石に全員を生かして返せる自信がない、今の内に出来る限り生き残れる作戦を考えておけ、俺たちは戦線に加わる!」


ここに来て放置か、これは普通に考えたらありえないな、ここまで守っていたのに大規模な戦闘になった途端に見放すのはおかし過ぎる



「これ…俺達死ぬんじゃ」


「獣神様どうか助けて」


「お、終わった」


「ここまで?」


四人とも顔が真っ青だ


グロウは歯をガチガチ言わせながら涙を流している


ニキは泣きながら祈っている


ユウヤは諦めた表情で目に焦点が合っていない


トニスは自分の腕で身体の震えを押さえるため、抱きしめていた




俺はここで恐怖とは別の感情が何なのか理解した


それは魔法を使う機会が来た喜びだった

次回、戦闘です


って言うか文章能力上がってねーww

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