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戦争実習

二日後に戦争に駆り出された


俺たちは補給部隊の補助以下の見学という形になっている


前線には程遠い場所である意味戦争で一番安全な部隊の後ろをついて回っているだけだ


それでも周りには魔物や人の残骸が散らばって見るに耐えない光景を目の当たりにしてなかなか動けないでいた


「学生!止まってんじゃねぇ!置いてくぞ!」


補給部隊の隊長に怒鳴られながら


「秒単位で動かなきゃ前線が崩れる恐れがある、そうなるとこっちに魔物共が来る可能性がさらに高くなる、ここを突破されれば一般市民にも被害が及ぶ、だから俺たちは足を止めちゃいけないんだ、分かったか?」


と副隊長に説明を受ける


何とか走ってはいるが現場の雰囲気に飲まれているのか皆の反応は薄い、心なしか顔色も悪いように見える


ただ、なぜか俺は恐怖以外にも違う感情が芽生えていた


言葉に言い表すのは難しいが…「興奮」が一番近い気がする



「これが戦争なのかよ」


「怖いよー」


「気持ち悪い…吐きそうだよ」


「うぅ」


上からグロウ、ニキ、ユウヤ、トニスだ


皆結構参っているようだ


「しっかりしろ、大丈夫だ!今日は見学だけだって聞いただろ?」


俺がそう励ますが


「なんでレイトはそんな平気そうなの?」


ユウヤが震えながら聞いてきた


「平気じゃねーよ、俺だって怖い!でも、そんなに動けないようじゃ万が一魔物が出てきたら対処できねーぞ?」


「分かってるけど…」


こんなんじゃ本当に魔物と遭遇したら危ないな




「おいお前!レイトだっけ?余裕があるならこれ持ってろ絶対に壊すな」


いきなり隊長がそう言って渡してきたのは食料や治療薬、武器の入った収納器だった


これ重要なものじゃないのか?


「なんで俺に…」


前線に渡す重要な補給用品だ


なんで俺に渡したのか聞こうとしたが突然の爆音でかき消された



ドゴオォォ!!!


「シャアアァァァ」

「グギイィィ」

「グググ!グ!グ!」

「シャーー!」



現れたの10匹のリザイドに7匹のムトギナとゴボイド、3匹のツバイトだ


リザイドとムトギナ、ゴボイドは今まで俺も訓練で戦ったことがある


でもツバイトは教科書でしか見たことがない飛翔系の魔物だ


「こんなに!?」


「嘘…だよね」


「う、わ…」


「…」


グロウ、ニキ、ユウヤ、トニスは完全に呆けていた


それもそうだ、補給部隊は比較的安全だと言われていたのに、この物量


魔物の数が多すぎる


「これだけか、前線は頑張ってるみたいだな」

「ですね」


隊長が余裕の表情でそう言って

副隊長は同意していた


この数を「これだけ」?


一体この人たちはどれだけ強いんだろう


補給部隊の面々はそれぞれ銃、槍、素手、剣、刀と多種多様な武器を構える


今回付き添った補給部隊は10人で獣人族と人間族で構成されている


人間族が中~後衛、獣人族が前衛を務めるようだ



その戦いは圧巻としか言いようが無く、数分でリザルドは3匹、ムトギナ4匹、ゴボイドは全滅させツバイトは2匹となった


その動きは洗練されており全く危なげなかった


「「「「すごい」」」」


俺も思わず魅入ってしまう


特に銃使いの人間族は上空の敵を牽制しつつ仲間の援護もしっかりとこなしていた


勉強になる


さらに魔物の数は減っていきついにはムトギナ2匹とツバイト1匹となった所で3匹が突っ込んできた


しかし、獣人族は真正面からムトギナの突進を受け止め獣化した腕で一撃で身体を貫通させる

もう一人の獣人族はいつ回りこんだのか分からないほどの速さで後ろをとりムトギナの首を剣で斬り飛ばしていた


宙を翔ける獣人族がツバイトに空中コンボを決め最後に人間族の銃使いが銃から放射系の攻撃を行いツバイトを撃ち戦闘は終了した


終わってみるとアッサリしたもので誰も怪我らしい怪我なんてしていなかった


初めて現場で戦う人の実力を間近で見たけど…半端ない強さだ


なんで、この人たちの部隊に学生が見学とはいえ付き添っても良いのか分かった気がした



「ありがとよ、それが手元にないだけでずいぶんと楽に戦えた」


預かった収納器を隊長に渡すと頭をなでられた


「どうも」


ちょっと恥ずかしかったが、部隊の人や皆からもようやく笑いが出てきて場が和んだ

ゴボイドはぶっちゃけゴブリンです。全長は120cmほどで太い腕から振り下ろされる棍棒の威力は簡単に人を殺し、風圧ですら脅威、しかし鈍重で小回りも効かないため、狩りやすい


ツバイトは全長80cm(尻尾込みだと140cm)程のツバメの魔物、遠距離攻撃はなく翼の外側に魔力をまとわせて切り裂いたり、尻尾をムチのようにしならせて視認出来ない速さで振るい切り裂く

攻撃は斬る事に特化しているため非常に危険だがパターンが限られており、しっかりと特性を学んだ後ならば問題なく倒せる(と言っても学生にとっては強敵です)

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