第零話
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――グルンニールの反乱。
始まりは地方だったにも関わらず、最後は全世界を巻き込むこととなった未曾有の大反乱は旧暦538年、反乱首謀者であるカラヌートの死亡をもって終結となった。
最後まで生き残った各国はこれを機に緊急の会談を開く。
戦争の儚さと悲しみを経験した多くの者達は平和の尊さを噛みしめ、世界規模での平和条約の締結へと成る。
平和条約の締結後――これ以後を新暦という――各国は平和の象徴として大規模な支援の元、巨大な学園を建設する。
その名を”聖グランベリア学園”といい、とある貴族の多大な支援の元、人種による差別や生まれによる上下の撤廃など、とある貴族と学園の意見が合致したためか、独自の規律によって自治することを可能にしており、国のしがらみから完全に独立した学園となった。
試験校がまさかの国の支援を受けずに完全独立したため、慌てた各国はその後相次いで国の特色を生かした学園を設立。
上記の聖グランベリア学園を含む、計五つの学園都市が国の未来を担う若者達の育成を任されることとなった。
新暦100年。
反乱から既に100年が経過し、当時の事を覚えている者はいなくなり、書物に描かれるだけの過去となってしまった、そんな時代。
街角で小さく営む占い師がとある予言を詠った。
――魔が地より訪れる。
――闇が世界に手を伸ばし、人々は嘆き、大地は血で穢れる。
――“奇跡”を持つ者、友と共に魔を討ち、罪なき大樹を救うだろう。