転校生
翌日・・・・・
う~ん、自分のタフさにビックリだよ。
風邪は完全に治ったようです。
・・・・・そして、深緒に風邪がうつったようです。
「深緒、大丈夫か?」
「・・・・・ばっちぐぅー!」
アカン!!深緒のテンションがおかしい!!
完全にヤバイ状態だぞ!!
「とりあえず、熱はかれ」
「・・・・・了解」
しばらくして、、、、
ピピピッピピピッピピピ
「何度ある?」
「・・・・・37度6分」
「結構あるな」
こりゃ、欠席に決定ですな。
飯とかは紫織に任せるしかないみたいだ。
「紫織、後よろしくな」
「わかった!この紫織様にまかせんしゃい!!」
「よ、よろしく・・・・・」
なんか、すっげぇ心配なんだけど・・・・・
「じゃぁ、行ってくるな」
「・・・・・いってらっしゃい」
はぁ~、流石に今日は学校行かないとヤバイんだよね。
出席日数ギリギリだから俺休めないからね。
午後からサボるわけにもいかないし、まぁ、咲希に頼んで様子でも見てきてもらうか。
ということで、只今駅でござる!!
「蒼太、おはよ!」
「おぅ!」
咲希ではないか!!
って、言ってもいつも会ってるんだけどね。
「おっす!蒼太!!」
「拓真は朝からテンション高いな」
拓真って基本テンション高いんだよね・・・・・
「俺もいるぞ!!」
「デタッ!!空気亮平!!」
「誰が空気亮平だ!!」
いやだって、ほとんど空気じゃん。
俺達は電車が来る間みんなで話していた。
「おぃ、そこの兄ちゃんよぉ」
ん?なんかヤンキーさん達に声をかけられてしまったぞ。
「なんすか?」
「ちょいと、ツラ貸せ」
「嫌だって言ったら?」
「この嬢ちゃん、お前の知り合いだろぉ?」
「なっ!?」
ヤンキーさんは夕紀を人質にしていた。
ってか、なんで?
見た感じ俺の知り合いだとわかるようなことは無いのに・・・・・
「ちょ、蒼、これどういう事?」
「俺に聞くなよ」
ったく、わかるわけねぇだろ。
亮平はやっぱり馬鹿だ。
まぁ、俺も馬鹿ですけど?
「おぃ!!俺達のこと無視すんじゃねぇよぉ!!」
「ったく、うるせぇなぁ。あっ、お前ら青南か?」
「それがどうした?」
「んじゃ、上谷翔平って奴知ってるか?」
「なっ、なんでお前が知ってるんだよ!?」
あれ?ヤンキーさんすごい慌てっぷりですね。
これは少し脅かしてみますかな。ヘッヘッヘ・・・・・
「おぃ、青南のヤンキーさん、上谷は俺の古いダチでなんだよ」
「な、なんだってぇ!?じゃぁ、上谷さんが言ってた男ってこいつのことだったのかぁ!?」
おやおや、驚いてらっしゃるご様子ですな。
いやぁ~愉快、愉快!!
「お、おぃ、どうする?」
「いいいい、いいじゃんか!!」
「そうだよ、やっちまえよ」
なんかヤンキーさんたちがコソコソ話し始めたぞ。
ってか、電車来てるし。
「なぁ、咲希達、もう、学校行っちゃおうぜ?夕紀もいるんだし」
「えっ?」
いやぁ~、どさくさに紛れて夕紀を救出しちゃったんだよね。
「はやくしないと電車出ちゃうよ?」
「う、うん・・・・・」
さぁ、電車に乗りましょう!!
俺達は電車に乗った。
それから、しばらくして学校に着きました!!
「それにしても、青南がなんの用なんだろうね?」
「さぁ?カツアゲとかじゃない?」
「でも、それだったらナヨナヨしてる亮平を狙わない?」
う~ん、それもそうだな・・・・・
「あ、あの、咲希さん、それはどういう意味ッスか?」
「そのまんまの意味じゃない、亮平」
「ひ、酷いッス・・・・・」
ドンマイだよ、亮平。
空気のお前が話しに出てきたこと自体奇跡なんだから多少悪いこと言われても文句を言っちゃダメだと俺は思うぞ!!
「俺、ヤンキーに絡まれるようなことしたのかなぁ~?」
「いや、してるでしょ」
「即答ッスか、咲希さん!?」
「まぁ、蒼は不良を辞めたって言っても喧嘩はしてるからね」
「亮平は黙れ」
「酷い!!」
ったく、なにが酷いだ。
俺だって喧嘩したくてやってんじゃないんだよ。
ただ、絡まれるから喧嘩してるわけで・・・・・もしかして俺って不良の時とやってること変わってないんじゃないか?
こ、これじゃダメだ!!俺はもう、不良じゃないんだ!!
少しは喧嘩、自重しないと!!
あっ、日比谷が来た。みんな覚えていないかもしれないけど一応担任の先生です。
「おぃ、蒼太!なんか青南の野郎共がお前のこと探してたぞ!!」
「はぁ?なんで!?」
「ちょ、蒼、やっぱ青南の奴となんかあったんじゃねぇか?」
う~ん、なんかって言っても俺が覚えているのは上谷の一件しか覚えてないしなぁ~。
いったい、何の用だろう?
「日比谷先生、青南の人たちって今どこにいるの?」
ちょ、咲希さんなんてこと聞いてるんだよ。
なんか、ひくにひけない状況になりそうな予感が・・・・・
「確か石マッチョに説教されてたな」
よかったぁ~、予感がはずれた!
石マッチョに説教されてるならまず一安心だろう。
あっ、石マッチョって言うのは体育の教師で本名は石松源五郎だ。
筋肉ムキムキで暑苦しい雰囲気だからみんなから石マッチョと呼ばれている。
「んじゃ、HR始めっぞ」
ん?あれは、青南のヤンキーさんじゃないか。
俺は窓から様子をうかがった。
やっぱり、石マッチョに説教されてる。
ヤンキーさんたちの目が死んでるのは石マッチョ効果だろう。
なんか、可哀想になってきた。
それより・・・・・・
「・・・・・あぁ・・・眠い・・・・・」
「ちょ、蒼太寝ないでよ?」
「わかってるけど、こんな天気いいのに寝るなって言うのは無理がありますぜ、咲希さん」
「なに言ってるの。ふざけたことばっか言ってないで真面目に勉強しなさいよ」
「うぅ、厳しいッス・・・・・」
「どこが厳しいのよ。いつもだらけすぎなよ、アンタは」
「生徒会長様はもっと厳しいッス」
まぁ、真面目だから生徒会長やってるんだろうけどね。
2年で生徒会長っていうのはかなり珍しいみたいだ。
「まぁ、蒼太が授業中ずっと起きてたら奇跡だしな」
「ちょ、日比谷それどういう意味!?」
なんかみんなも笑ってるし!!
俺、今みんなの笑いものッスか!?
「あっ、今日は転校生を紹介するんだった」
えぇ!?ちょ、それ滅茶苦茶大事じゃん!!
なに、教師が転校生の存在忘れてるんだよ!!
「康也先生、男子?女子?」
「何だ、亮介、興味津々だな」
「あったりまえじゃん!!俺の青春がかかってるんだしね!!」
あっ、馬鹿だこいつ。
馬鹿なんだ、亮介って・・・・・
「よしっ、亮平、一旦座れ。そうしないとお前の気迫で転校生がビビるから」
「へ、へい・・・・・了解しやした」
「んじゃ、転校生紹介するぞ。転校生、入っていいぞ」
ガラガラガラ
『『『おぉ~!!』』』
なっ!野郎共、歓喜の雄叫び!?
ま、まぁ、気持ちはわかるけどな。
そう、その転校生は女の子ですごく可愛かったのだ。
「はぁ~、これだから男子は・・・・・」
あっ、夕紀呆れた・・・・・
ダメだよ、呆れたら。野郎共が可哀想になる。
「んじゃ、転校生、自己紹介して」
「え、えっと椎名舞雪です。よろしくお願いします」
『『『イェーイィィィィ!!』』』
男子テンション高ッ!!
いや、俺も男子だけど、あそこまで馬鹿にはなれないぞ?
「まぁ、ワケがあってこんな時期に転校したけど仲良くやれよ」
『『『仲良くしますッ!!』』』
・・・・・キモいよッ!!
ちょ、転校生もひきぎみだし女子の視線が痛いッスよ!!
「んじゃ、椎名の席は・・・・・」
『『『俺の席の近くにして!!』』』
男子達が一斉にわめく。
ある意味すごいです。
「ったく、お前らの近くだったら可哀想だ。ってことで美柑の後ろの席が空いてるからそこの席な」
ん?俺の席は美柑の隣だから・・・・・転校生の席が斜め後ろじゃねぇか!!
なんかテンション上がりましたよ!!
いやぁ~、今日の運を使い果たした気分だ。
「あっ、蒼太には気をつけろよ」
「それどういう意味!?」
「冗談だよ」
冗談って・・・・・
「んじゃ、HR終わり!」
適当だな、おぃ!!
HRが終わり転校生はたちまち男子や女子に取り囲まれた。
その中にはもちろん亮平もいる。
「ったく、お前らは・・・・・」
俺は冷めた目でそれを見ていたら転校生と目が合っちゃいました!!
あっ、転校生がこっちに来る。
「えっと、蒼太君だっけ?」
「あ、あぁ、そうだけど」
「席も近いし仲良くしようね」
「お、おぅ」
『『『蒼太の野郎・・・・・』』』
や、やばい、男子達の目が殺気に満ちあふれている。
「蒼を捕まえろぉぉぉぉぉぉ!!」
あっ、亮平!!
チッ!亮平め、後で覚えてろ!!
っと、その前に・・・・・・・・逃げろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
俺は野郎共から必死で逃げました。
あぁ、疲れた・・・・・もう、無理。寝ます・・・・・