【第1話】死ぬために入ったダンジョンで、生きたいと願ってしまった
「……はあ」
田舎の山間にある、人口300人にも満たない寒村。商店は一軒、信号は二つ。学校はバスで一時間以上かかる場所にあり、携帯の電波もたまに切れる。
この村の外れ、廃校になった中学校の裏に、“それ”は、あった。
ぽっかりと空いた穴。地面が歪み、紫の光が漏れていた。人はそれを、《ダンジョン》と呼んだ。
「やっぱ、俺には……もう、居場所なんてないんだよな……」
村のはずれ、崖の上に立つ少年・山瀬 陽斗。
16歳。高校一年生。日々のいじめに疲れ果て、誰にも期待されず、誰にも必要とされず、生きている意味を見失っていた。
そして、彼の脳裏によぎる。
──そうだ、ダンジョンに入れば、死ねるかもしれない。
テレビでやっていた。あの穴は、モンスターが棲む異世界とつながっていると。国家の調査班が来る前に、誰かが足を踏み入れて消えたと。
「死ぬために行くのに、怖がってどうするんだよ……俺」
陽斗は震える足で、一歩、また一歩と、ダンジョンへ足を踏み入れた。
中は、思ったよりも……冷たい。
足元には苔のような物質。薄紫の光がぼんやりとあたりを照らしている。空気は重く、鼻をつく鉄のにおい。遠くから水音のような、いや違う、何かぬるぬるしたものが這うような音が聞こえてくる。
「う、うわっ……」
入口に入って数分。陽斗は、現実を知る。
──モンスターだ。
それは、カエルのような体躯をした生物だった。体長は一メートル。口から粘液を垂らし、二本の目が不気味に動いている。
「や、やばっ……!」
死ぬために来たはずなのに、身体は勝手に逃げ出していた。
モンスターが追いかけてくる。陽斗は躓き、転び、泥だらけになりながら逃げ回る。
(こんな、死に方は……いやだ!)
初めて、心の底から叫んだ。心臓が脈打つ。視界が赤く染まり、耳鳴りが響く。
「うおおおおおおおおおおッッ!!」
倒れていた石を手に取り、陽斗は反射的に振りかざす。
カエル型モンスターの顔面に直撃した。ぐちゃりと音がし、モンスターは悲鳴のような声を上げて消滅する。
──そして。
【経験値を獲得しました】
【レベルが1に上昇しました】
【スキル《鈍撃耐性》を獲得しました】
「えっ……な、なんだ……これ……?」
空間に、文字が浮かぶ。まるでゲームのように。信じがたい現実に、陽斗はしばらく呆然としていた。
(俺……生きた……?)
彼はぼろぼろの体で、なんとかダンジョンの入口に戻り、這うように地上に出た。
そして、手にしていたモンスターの残骸の中に、ひとつの物体を見つける。
──それは、紫色に透き通った、拳ほどの大きさの卵だった。
「なんだ、これ……?」
陽斗は、卵をポケットに押し込み、ふらつきながら帰路についた。
ダンジョンで得た初めての“戦利品”だった。
──その夜、卵が、かすかに脈動した。
自分の作品をみてなんか似ているタイトルがあると思った方へ。現在作者は最初と結末を決め、2つのAIに書いてもらっています。こっちはなろう寄りでChatGPTに書いてもらっています。