2日目
2日目
昨日は式だけだったから、学校は今日からスタートなんだ。
ちなみに、みんな頭の色が赤とか緑とか金色とか、すごくカラフルなの。だから、僕も今日から擬態しないで、ピンク色で過ごすんだ。擬態すると、少し体力を多めに消費しちゃうから。
この学校にしてよかった!
「おーテメェら、よくサボんなかったな。まぁ、俺が担任になった以上、クソみてーな理由じゃ退学させてやんねぇからな、覚悟しろよ」
担任の大内先生は、僕の調べによると、ホストっていう職業の人にみた目がそっくりなの。
でも、顔を斜めに切り傷が走っているから、工場勤務の経験者なのかも。意外と苦労人なんだね。
そのあと、一人ずつ立ち上がって自己紹介したの。
みんな、なになに中出身、とかって言うんだけど、それを聞いてみんな、あのなになに中かよ…とか言ってるよ。あと、あいつ、疾風の田中じゃねぇか…とか言ってる。田中は脚が速いのかな?
僕、なになに中出身じゃないし、昨日下調べしておいたとおりの基本的な自己紹介しかできないんだけど、大丈夫かな?
「おし、じゃあ次はテメーだピンク頭!女みてぇなツラしやがって、野郎共を誘惑すんじゃねぇぞ!」
わわ、僕の番だ。僕は慌てて立ち上がった。
わぁ、みんなみんなこっちを見ている。しっかりやらないとね。
「はじめまして、こんにちは!僕は、パピティス・プルトゥーア。プルトゥーア星から来ました。趣味は料理で、特技はものまねだよ。みんな、仲良くしてね!」
そして、スマイル!
だよね。昨日調べたところによると、ニンゲン関係には笑顔が大事って書いてあったもんね。
……あれれっ、みんな顔が真っ赤っかになっちゃった。
先生を見ると、先生はにやにやしてるみたい。
「童貞どもにゃ刺激が強すぎたみてーだな。おいパピティス、ものまねって何ができんだ?」
「うんとね、音声ものまねならなんでもできるよ」
「なんでも?」
「うん」
ものまねっていうか、擬態だからね。
それから僕はみんなに請われるままに、男性歌手に女性歌手、声優、はたまた動物の鳴き声からカメラのシャッター音など、様々なものまねを披露した。
結果、拍手喝采で、隣のクラスからもニンゲンが見に来る騒ぎになったんだよ!
とりあえず、僕はニンゲン社会にうまく溶け込めたみたい。よかったぁ。