同居人とキブシ
「は?姉さんそれはいったい・・・」
「何回も言わせないでよ、女の子!あんたと同級生の」
いや何回も言ってないし・・
「わかったよ身構えてればいいんでしょ?」
「あんた後輩に手出したら許さないからね」
「別に手出そうなんて思ってませんよ。ただ気引き締めるだけ」
「ふーん。まあこれから飛行機やろ?迷うなよ弟」
乗り継ぎなしの直行便に誰が迷うか。
東京行きの機内は満席に近く、大変混雑していた。
離陸してからは特に何もなくただただダウンロードしていたお気に入りの曲を聴いていた。
二時間くらいして目的地への着陸に入った。
飛行機を降りてからもこれと言った問題もなく姉の住むマンションへ着いた。
姉は、高学歴のため待遇も良く、割といいマンションに住んでる。
俺はロビーに入るためにモニターに映し出された部屋番号をタップし暗証番号を打つ
やがて扉は開き、エレベーターで姉の住む階へと登っていく。
「あらもう着いたの?」
エレベーターのドアが開きそこに姉の姿があった。
「とりあえず着いたけど・・・」
「ちょうど今からバイトなんでけど、はい、これカードキーだからとりあえず中入って荷物置いてゆっくりしといて」
「わ、わかった」
俺は姉からカードキーを受け取った。
「おじゃましまーす。って広ッ」
姉の住むマンションは思ったよりも広く、綺麗だった。すごくいい
「えっと確か姉の他にもう一人いるんだよな。この生活本当大丈夫か?」
リビングに角にスーツケースとリュックを置き、ソファーに腰掛けた。
「ふぁ〜なんか疲れたな。今日の飯なんだろう。姉さん料理とかできんのかな?なら俺がいいっそ・・・」
ガチャッ
「ただいまー。ってびっくりした誰よあんたストーカー?」
姉が言ってた同居人か?あんまり驚いていないようだな。
そんなことより・・・クソ可愛くね!?まってこんな奴と同居とか普通に無理だぞ。
「あーもしかしてあんた雛さんの弟?」
「そうだけど・・・」
「なるほどじゃあ教えよう」
そういって彼女は俺を案内し始めた。
「ここは雛さんの部屋で、こっちは私の部屋。ここはお風呂で後ろのドアがトイレね、そしてここが君が使う部屋だよ」
「わざわざご丁寧にありがとう」
「言い忘れてた。私の名前は佐倉凛音。よろしくね」
「俺、直人。こちらこそよろしく」
「もしかして君、筒川専門学校に行く?」
「そうだけど」
「まじ?同じじゃん」
「そうなんすか」
なんか奇遇というべきか強運と呼ぶべきかよくわからない。でも悪いことではないことは確かだ。
さてこれからどうなることやら...