後輩のアネモネ
「もしかして水瀬先輩!」
ここは春休み真っ只中で多くの人が賑わうの空港だ
振り返るとそこには学年が一つ下の後輩の今木華苗がいた。
「3日ぶりだね。お見送りきてくれてありがとう」
そう言うと華苗は、頬を赤らめた。
「水瀬先輩は料理の学校に行くんですよね?」
正確にいえば商業関係の方だがまあいい
「まあそんなとこかな」
「頑張ってくださいね。私応援してます!」
今木華苗が俺に好意を持っていることに気づいたのは半年くらい前だろうか。
「2年のショートカットの今木華苗って人いるでしょ?あの子水瀬くんのこと好きらしいよ。」
「まああたしたちからしたらどうでもいい話よね」
「そうそうわかるだって水瀬くんは私のものなんだから」
「いやあんたは無理私が許さなーい」
「ちょっとシーッ!ってか本人いるじゃん」
こんな言葉を廊下を歩いてる時耳に入ってきた。その時はあまり気にはかけなかった
その出来事があって数ヶ月後の中学校最後の大会には今木華苗は応援に来てくれていた。
でも俺は今木華苗を好きになれなかった。友達はめっちゃ可愛いやんけとかお似合いやぞーとか言ってたけど
好きになれなかった。
どうせ数ヶ月すれば東京に行くしな。
そんなことを思い出していたら保安検査場へ入る時間が迫っていた。
「今日はありがとうな今木そろそろ行くわ」
「・・・・頑張ってきてください・・」
「じゃあ行ってきます」
「ちょっと待て」
振り返ると今木は何かを決心したような目をしていた
「水瀬先輩。いや水瀬くん私は水瀬くんのことが好きです。今言われても困ると思いますが先輩が行っちゃう前に想いを伝えたかったので・・・」
「今木、ありがとうな」
「返事は要りません。東京でも頑張ってくださいね!」
言い終わる頃には笑顔の今木だった。
俺には上京している姉がいる。水瀬雛大学生でよくできた姉だと思う。
スポーツ万能、成績トップの日の打ちどころのない姉だ
そんな姉に少し気になったことがあり電話をかけた。昨夜の電話の件だ。
「もしもし姉さん。昨日話してたもう一人のルームメイトってどんな奴なの?」
「一応結構前から私と同居しててさ後輩なんだよ」
「姉さんって彼氏いたっけ?」
「どう言う意味?」
「いや同居してるって・・・」
「いや彼氏なんていないし、まずなんで男って決めつけてんの?」