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32話 従魔登録

まあ、お犬様も登録が必要だし……。

 冒険者ギルドへやって来た。


 8時過ぎだからか混み合っていて、3つ有る依頼受付窓口はどれも待ち行列が長い。

 そこへ至る手前の総合受付。こっちは空いているな。俺達の前に1人男が居るので、その後ろに並ぶ。


 むう、多くの野郎共の目がこっちに向いている。

 まあ、仕方ない。俺以外のメンバーは妙齢の女子が3人……に見える。その上、1人は爆乳、1人は露出が多い美女だ。

 俺が彼らの中の誰かだったとしても、間違いなく見る。

 エマが睥睨(へいげい)すると、みんな眼を背けるが。


 おっ!

 閉まっていた、窓口の前に職員が座った。


「あら? ケントさん。こちらへどうぞ」

「ああ、こんにちは」

 窓口を移って向かい合う。


「こんにちは。昨日の件、何か問題ですか?」

 中年に差し掛かった女性職員だ。昨日エマを登録してくれた人だが、俺に余り謙らず、フランクな感じが良い。今日も応対してくれるようだ。えーと、なんて名前だったけ。名前が……

 名札が、片仮名に変わった。ああ、そうだ。


「いや。ヘイズさん。今日は別口なのだが」

「もしかして、うしろの可愛いお嬢さんを登録するのですか。ケントさんも隅に置けませんね」

 なんだか盛大に勘違いしている。隅に置けないって心外だな。まあやることはやっているけど、リザだけだ。そもそも、オリジナルの言葉ではどうなっているんだか。

 それはともかく。お嬢さん……たぶんレダのことだろう。一番若く見えるからな。


「入会じゃなくて、従魔登録なんだが」

 そう。これまでは、狩りに行ってからギルドに来ていたが、今日は朝に来た理由がそれだ。ギルドに従魔登録していた方がトラブルに巻き込まれづらくなると、アイが主張したからだ。


「おや。初めてお見かけした気がしますが、その方は入会済みでしたか」

 うーむ。そうなるか。


「従魔登録も、こちらで受付致しますよ。それで、従魔の種類は?」

「種類は、ガ『ご主人様、お待ち下さい』……」

「ガ?」


『ここでガルヴォルンと言うのは、不用心です』

『ああ、そうだった』


「えーと。ここでは言いにくいんだが」

「そうですか……わかりました。では別室へ」


 ホールから、少し離れた個室に移動した。


「どうぞ、お掛け下さい」

 皆が入って、エマが扉を閉める。


 俺が真っ先に座ったが、後が続かない。いつもなら、すかさずリザが座るが、今日はレダの登録だから遠慮しているのだろう。


「レダ、座れ!」

 ……ん? 座るが伝わらないのか。

『私が制御します』

 アイだ。


 レダは2、3度瞬きすると、少しギクシャクとしながら俺の横に座った。


「さて、話を続けましょう」

「ああ」

「では、従魔の種属を仰って下さい」

「うむ。ガルヴォルンだ」


「ガル……ヴォルン? 少々お待ち下さい」

 ヘイズさんの眉根が寄る。

 持って来た冊子を捲りながら探しているが見つからず、ばさっと索引ページへ戻ったようだ。


「……ううむ。ガルヴォルンという魔鉱獣は、この図鑑に載っていないのですが」

「そうですか」

「どのような形態なのでしょう」

「形態?」

「はい。例えば4足で歩くとか、人型とか……」


「うむ。今は、人型だな」

 右横のレダを見る。


「今は? まあよしとしましょう。ガルヴォルン、人型と」

 メモを始めた。

「それで、ガルヴォルンとやらは、そちらのレダさんの従魔なのですか?」

 ああ、俺がレダを見たのをそう受け取ったか。


「ミュ」

「みゅ?」


「いや。俺の従魔だ」

「えーと。ケントさんは、剣士(フェンサー)なのでは?」

「そうだが」

 ヘイズさんが段々不審の度を上げていく。


「さっきから要領を得ませんね。ちなみに、その従魔はどこに居るんですか? こちらで判断します。見せられないと仰ると、有害と判断して登録できないこともありますよ」


 いやあ、既に見ているんだけどな。


「あのう。ヘイズさん」

「はい?」

「きっと、驚くと思うので、大声を出さないように、まずはご自分の口を手で押さえてくれますか。そうしたら、見せましょう」

「今、ここで?」

「はい」

 首を捻った。


「奉職以来20年。滅多なことでは驚かない自信が有りますが……良いでしょう」

 俺が言った通り、口を押さえてくれた。

 顎を(しゃく)る。


「ふむぅぅううううう!!!」

 思い切り目を見開いて居る。

 まあ、そうなるよな。


 レダは、例のようにドロッと融けて、今は黒い猛獣の形態になっていた。


「ハァ、ハァ……なんなのですか。これ? さっきまではサピエンの少女だったのに、今は黒豹?」

 驚きつつ半分キレているな、ヘイズさん。まあ無理もない。

 従魔登録してくれるかな?


「繰り返すが、ガルヴォルンだ。金属生命体らしい、まあ、スライムみたいものだ」

「スライム? 不定型ということですか? しかし、豹や人型になるスライムなんて聞いたことがないですよ」

「レダ、人型に戻れ!」


 また融けて、人型になった。


「これはまた、面妖な……とはいえ無害ではありそうですね。ええと、一応ケント様の言うことに従っているようですが。もう少しわかりやすい従魔契約されている証明はありませんか?」


「証明……」

『ご主人様、首の後ろの』

 ああ!


「レダ、首の後ろの紋章を見せてやれ」

 っていうか、アイが乗っ取って居るなら自分で見せれば良いのに。

『命令してから見せた方が、信憑性が上がります』

 そういうものかねえ。


 レダは自分の髪を掻き上げて、首筋を見せると、紋章が紅く光って浮き出た。


「ほう……ありがとうございました。では、ケントさん。これを」

 3cm角程の紙と羽ペンを手渡された。


「こちらの魔導紙に調教士であるあなたが、名前を書いて、従魔に飲み込ませて下さい。それで、登録できます。大丈夫、紙は無害です」

「ああ」


 えーと、レダって、どうやって書くんだっけ。紙を見る、文字が半透明に被った。

 なぞって書けば良いらしい。凄く便利だが……自分のとみんなの名前ぐらいは書けるようにしておこう。

 書き上がった。4つに折る


「レダ、あーん」

「あーん」

 なかなか可愛いな。

 口腔に放り込むと、飲み込んだ。


 数秒して、レダ全体が一瞬白く輝いた。


「では、ケントさん、レダ……さんに、触って登録証と念じて下さい」

「わかった」


「ミュ?」

 レダの手を取って、言われた通り念じる。

 出ない……取った手をひっくり返しても出ていない。


「「あっ!」」

 リザとエマが驚いている。


「なんだ?」

「いや、レダの頭の上」


 頭……おおぅ!

 見上げると、俺のやつと同じように、扇形の登録証が宙に表示されていた。


「はい。これで、登録完了です。手数料として、10セルクを戴きます」

 千円見当……そんなものか。見世物としては良かったが。大銀貨を1枚支払う。


「それで、ガルヴォルンは希少な種なので、他言は……」

「お任せ下さい。秘密厳守はギルドの大方針です」

 そうならいいが。


「ありがとう。ちなみに、今からギルマスに会えないかな」

お読み頂き感謝致します。

ブクマもありがとうございます。

誤字報告戴いている方々、助かっております。


また皆様のご評価、ご感想が指針となります。

叱咤激励、御賛辞関わらずお待ちしています。

ぜひよろしくお願い致します。


Twitterもよろしく!

https://twitter.com/NittaUya


訂正履歴

2022/10/29 誤字、少々表現変え

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