新しい幕開け
章も変わったので、今回の話から日付等追加していきます。
----side:???
「クククッ、クフフッ、クハハハ、ハハハハハハハ!!!」
狂気的に嗤うものがいた。
薄暗い部屋だろうか。
それとも湿気が溜まり、蝋燭の火1つしかなく暗い地下だろうか。
まさに、『どこか』というのを表現しづらい場所である。
そんなところで、『なんなのか』を表現しづらい物体と魔法陣を前に嗤っていた。
「出来た!!出来たぞ!!完成した!!最後の仕上げには魔物たちの魂を使用してしまったが、『器』に相応しい人間を見つけたから全て良しだ!!あとはその『器』の抜け殻を用意するだけだ!!」
そして、その目の前で狂ったように且つ、叫ぶように口走る。
そして、また嗤う。
ひたすら嗤い、嗤う。
そして、突然死んだように眠るのだった。
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----side:ウィリアム・クレルハイト(アルトリエル・フォルメイン・○○○○)
あれから2年経ち、17歳となった。
騎士養成学院をあと2ヶ月位で卒業といったところだ。
その後に行かなくてもいいが、17〜20の3年間の高学院がある。
殿下がそれに通うため、専属護衛騎士として任命される私は否が応でも通うことになる。
(勉強すること自体、他の人貴族令息令嬢たちと切磋琢磨していくのは嫌いではないので嫌でも文句もないのだが……)
ちなみにあの一件の後、殿下たちとともにデビューし、ランドリン王国の社交界入りした。
ちなみに殿下はあのデビューの夜会で一緒に社交界入りした、シュメアルス公爵家の令嬢アリス・マリア・シュメアルス嬢を見初め、婚約し、あれからよく関わることになったフィアレスもレインス伯爵家の令嬢セレナ・シュメル・レインス嬢と婚約した。
私はというと、元々女性に興味がなかったというのもあり、また、あの夜会で殿下もフィアレスも婚約者を見初めてしまい、殿下と親しいため、多くの女性からロックオンされ、詰め寄られ香水のキツイ匂いにやられ、すっかり女性嫌いとなってしまったため、未だ婚約者はいない。
養子だし、最悪伴侶がいなくてもいいなと思っている。
話は戻るが、卒業後は殿下の専属護衛騎士となるため、王城住みとなるからなかなか来れなくなるであろう王都の城下町を偵察という名のもと適当に歩き回っている。
それに、あれ以降リミッタが外れたかのように剣の才も魔法の才も上達していき、王国筆頭魔術師にも、王国近衛騎士団団長にして王国一の剣術の義父にも並ぶ実力者になった。
つまりは、自分で言うのもなんだが、私が正真正銘ランドリン王国最強ということになる。
だからか、あの頃にはなかった心の余裕というものが生まれ、この様に偵察と言う名の散歩をするに至っている。
「まぁだからと言い、行く宛もないんだが……」
そう。何度もいうが偵察と言う「名」の散歩なので目的もなにもない上に、この王都に来てから一度も城下町に来ていないため、どこに何があるのかも、お気に入りのお店もない。
「時間は……昼時か……」
そう考えつつ太陽の高さと、メルヴの塔と呼ばれる、一定の時間に鐘を鳴らしてくれるところの気配を感じるに、昼時と察する。
「さて、レストランに行k「キャァァァァァァァ!!!!」……おっとなんだ……?」
レストランに足を向けた直後、リンゴーンと鐘が鳴り響く音とともに、女性の叫び声が聞こえた。
意識を向けてなかった方からなので、そちらに意識を向けると、人々が遠巻きになっているところがあり、そこの中心部らへんに四人ほどの気配があるのを感じた。
(ん〜。これかな?警備兵近くにいるだろうけど、あのらへんの人の集まり具合的に、つく頃には連れ去られてるかな。それに遠巻きにされてるとはいえ、あの人数じゃ絶対隠れられてしまう。私なら間に合うかな多分……うん少し目立つけど。その方が他の警備兵たちにも見つけやすくなるし)
その方に走り出して、人が集まってるところを大ジャンプして飛び越える。
「……流れ、流るる、流れる。魔力が流れる。『フロウ・ウォーター』」
小声で水属性魔法を発動させ、ジャンプして全貌を視認出来た状態で、掴まれている女性の腕と掴んでいる男性の腕の隙間に水を入れて、荒くならないように引き離す。
「キャッ!」
しかし、男性が掴んでいた力は余程強かったようで、女性はそのまま後ろに倒れてしまう。
「すみません、大丈夫ですか?」
倒れてしまう前に後ろに回り、女性をうまく支えた。
2023/08/27 修正・削除
・場所、日付を削除し、???視点とウィリアム(アルトリエル)視点のみの記載としました。