警察官?
「いやー、久しぶりですねぇ。最近の商売はどうです?」
ソファにどっかり座るスーツ姿の男は、回りで睨む男なんか眼中に無いと言った風に対面のソファに座る初老の男を見る。
初老の男は忌々しいと顔を顰め返事を返す。
「警察の狂人が高額な賄賂をよこせと言って来るから上がったりだ。」
スーツ姿の男ははぁー?とため息を着く顔には、疲れとは逆に笑みが浮かんでいる。
「なーにがワイロですか、税金ですがな。お宅らが二ヶ月前までにヤクで荒稼ぎしてたのンを一部だけよこせゆーてるだけですがな。それともアレですか?税金払わず国んに逆らう気ですか?」
男はワイロなんて侵害やわぁー、と笑う。
「…お前は、ヤク売るのをやめろとは言わないのか。」
初老の男は、気になることを問いかけた。今まで会ってきた警察は、麻薬の販売をやめろと、言って来るのが全員だった。その疑問に男は、あー、そーやったと、頭をかき、行動で示した。ポケットから、煙草を取り出し火をつける。
「そこのお兄さん、灰皿くれます?妖怪やらなんやらを受け入れて二百年。人と怪異が交わる事もある。まぁ、契約ですわ。代償を払う事で、切っても切れん仲になる。そこまで行ったら。国からの結婚も認められる。あんたの奥さんそうでしょう?」
ふぅー、煙を吐き出し話し始める。その煙の匂いに初老の男は、ペンキの用な匂いを感じた。
初老の男は、目を見開いた。
「それはシンナーか。驚いた警察が吸っているとはな。しかも俺らが扱っているヤツだ。」
男は悪びれもなく、そうです。と答えた。
「ああ、心配せんでもいいですよ。中毒性のもんは契約した相方にいってますから。」
話をもどしまっせ。といい煙を吐き出した。
「俺もよく分からんのですけどね。相方が麻薬の成分がいるって言ってましてね。なら自分で取れば?て、言ったら嫌だの一点張り出してね。で、まぁ、オレが吸ってるんですわ。」
ここからが本題です。と吸っていた煙草を灰皿に捨て、話し始める。
「ヤクをこっちに流して下さいな。そしたら税金の一割免除しますんで。あ、上から許可取ってるんで合法ですわ。」
麻薬の販売時点で合法もクソもないだろうと思いながらも、初老の男は、返事を返す。
「警察からヤクの販売を持ちかけられるとは、世も末だな。わかった。種類は何がいい?」
「なんでもいいですよ。吸っとる事に意味があるらしんで。んじゃ、ぼちぼち帰りますわ。詳しいことは、また使いを出しますんで。」
男は、ほなさいならね。部屋を出ていく。
残った初老の男に一人の男が近づく。
「親父さん、あいつはなんでんすか?」
「アイツは、国が飼っとる犬のなかで一番狂ったヤツだ。実力はトップクラス、実績は信じられんものばかりだ。」
時期頭首のお前には言っておくか、と言い、問いかけた男以外を下がらせる。
「富士樹海散策戦覚えているか?警察、自衛隊、アメリカ軍、の合同で行われたやつだ。」
「確か、国が国民に対しての、今の実力を知らせる為のやつでしたよね?五年前に行われた。」
「そこで初めてあの男が使われた、今までの悪意ある怪異をあそこに幽閉して来た所だった。その怪異をほとんど一人で潰したのがあの男、間街 恭良 あの男だ。」
「え?確か戦力が足りないからとかで、アメリカ軍に協力したと聞きました。」
「暴走した恭良を止めるには、千人の自衛隊なんかじゃ戦力不足だな。」
若い男は、そこまでですか。と言い、初老の男は頷く。
「まぁ、もしかしたら、俺よりも極道が似合っとるかもしれんな。」
初老の男、原谷会頭首原谷源蔵は仕事に戻るのだった。