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閑話〜オーランド視点

ブラーラーの領土は国境持つ領土である。その国境近くに私、元公爵であるオーランドが屋敷を構えて隣国ファルダ国に睨みを効かせている。

まぁ、隣国とは上手くやってるので時折隣国の王太子を引っ張り回してやれコンドルやドラゴンやらと討伐に連れ回している。中々、骨のある奴だから楽しいが、側近はあたふたして、奴らも鍛え直さないとな。


「旦那様、ヨハネ領主様よりお手紙が届いております。」


「もう、そんな時期か、アレクもミュゼも随分と成長しているだろう?内容はファブレット国の事であろう?」


「さようでございます。」


全く、ヨハネはこの老体をいつまでこき使うつもりなのか?昔からあいつは、幼い時から亡きエレナと二人きりになる度に邪魔してくるし、あやつがやっと結婚してエレナとまた、ゆっくりと出来ると思った矢先エレナはあの世へいってしまうし、仲の良い夫婦は3年で迎えに来てくれるのではないかと思ったが、私が余りにもエレナに纏わり付くから良く叱られたものだ。


「ファブレット国の契約内容が気に入らないから私に一芝居うてという内容だろう。商会相手に説得も面倒だからな設立者が言えば、うんともすんとも言わせず納得するからな。」


「まあ、可愛いご子息の為ですのでそこは大目に見て頂いてはいかがでしょう。」


「毎回不本意だが、3日後に行くと伝えてくれ。」


「畏まりました。」


面倒なので、ヨハネの所に行く前に商会の件は片付け屋敷に付くとヨハネは相変わらず食えない事ばかり言っておる。アリアナはヨハネに勿体無いぐらいの夫人振り発揮しておる。本当に勿体無い嫁である。アレクは会う度に中身も外見もヨハネに似てくる。ミュゼは、会う度に愛らしくなってあるが雰囲気が妙な感じだ。子供しては儚げな目をしており、何か思うところがあるよだ。


翌朝、アレクの剣の稽古をつけミュゼの様子を見に行った。部屋で学習しているようで、内容をみるとウルダン語の翻訳をしている。流石にらうら国でこの歳の御令嬢では、読み書きするのがやっとであるがヨハンの事だ、他国でも通用できるよう教育しているのであろう。幾ら進んでいるにしても進みすぎるようだが、翻訳のスピードも見てみたいと思い、


「気にせずにいつもの通りに続けなさい。」


告げたが、どうも異常なスピードで翻訳が出来るのであろうかなり躊躇ってるようだ。

さぁ、どう出るかと思えば悩んだのであろう諦めたように実力を見せてくれた。やはり、聡い子だ。逃げれない事が分かったらしい。


手に取る様に分かりやすい孫が異様に可愛いく思えたが、学力をどうやって身に付けたのかも興味があった。それも、知られたくない様子だったので明日、じっくり聞こうと思い、今日のところは勘弁してやろう。可愛い孫にきらわれたくないからな。


ミュゼは、どうも言えない秘密がある様なので、エレナと出会った頃、密会をしてた場所で聞き出そうと思う。明らかに5歳の子にしては、不自然なぐらいに落ち着いている。幼い頃から父親譲りの腹黒いアレクでも5歳児の時はもっと、子供らしかった。


カマをかけるかけるつもりで5歳の子に酒を出す訳には行かなかったので少々癖のある紅茶のストレートを出してみた。普通の幼児は飲めないであろう。

初めは驚いた様子だが、好みであったのであろうそのまま飲み続けておった。


まぁ、あれこれやり取りしながら少しづつ追い詰め、観念したのか、話す気になったらしい。


「実は私は、一度死んで生まれ変わりました。」


奇怪な事が起きている事は、想像していたが生まれた変わったつまり転生をしたとは面白い話だと思った。

初めは、飛躍し過ぎた話だと思ったが、話を聞いていくうちに夢や作り話にしては、本来、幼児のミュゼの知識にしてはリアル過ぎる。


確かに私が死ねばいかに優秀であれ、ヨハネでは国王の命であれば従わなければいけないであろう。

大人しく死んだ私にも腹が立つし、怖かったであろうミュゼにも酷な経験をさせてしまった事、私なら必ず止める事が出来た。無念で止まない。


(許せん、自分も、陥れたものも)


冷静にと気持ちを落ち着かせ、帰りの道中で前世の私の死んだ状況を聞いてみた。道が塞がれてたのも故意的なものであろう。到着時間を送らせて夕刻から夜に襲わせる為であろう。そう、私の唯一の弱点が暗闇で目が全く見えなくなるという事だ。戦の時の後遺症であり知っているものも殆どいない。


ミュゼの誕生日は春、狼の繁殖期である。野党を切らせてその血の匂いで寄せ付けたのであろう。狼の群れならばきっと耳も当てにならなかった事でやられたのであろう。迂闊だったな。


しかし、犯人はおおよそ見当がついた。


当時の王太子の奴が手を出した令嬢も男爵と子爵と身分はそれ程高くない。しかも王妃と懇意にしていたと来た分かりやすい。思わずそんな奴の手にかかった5年後の私を自分で自分を笑いたくなったぐらいだ。


まだ、犯人は今の計画は立てられてもいない。


さぁ、どうしてくれようか。


ミュゼには、動いて貰わなければ行けないが暫くは私だけが動いた方がやりやすいであろう。ミュゼに口止めをした。


絶対に奴の思い通りにはさせない。


さぁ、先ずは王都に行って弟君を脅して来るかな。王太子が手を出した男爵も子爵も叩けば埃が出そうだついでに調べて来るか。王太子の根性も叩き直したいが、今の王太子の事はミュゼに決めさせてやろう。

さぁ、ミュゼはどう選択するのであろうか。久々にランスに働いて貰わなければな先の事を考えるとアルバートにもランスに付いて仕事を覚えて欲しいところだが、二週間後には王太子が来ると言っていたな。そっちの見張りもいるから諦めるか。


前世は罪を犯したが今世はまだ罪を犯してない。ミュゼを転生して頂いた神の感謝の念の為、復讐はしないが‥‥。

さて、主導権はこちらにある今後が楽しみだ。








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