第4話 入団試験2
ナギトは二人を今いる詰め所に隣接する大きめの建物へと案内した。
「……ここだ」
そう言って彼は少し大きめ入り口の扉を押した。
そこは兵達が日々腕を研く場所―――練兵場だった。
彼の後について行きいくつかの扉と廊下をぬけると広い空間に抜けた。
「……!…ここは」
二人は練兵所の一番奥にある多くの兵が声を上げ訓練している所へ案内された。
「…そうだな。
ナキ!ちょっとこい!」
そう言って一人の女性兵士を呼び出した。
「少尉なんでありましょうか?」
帝国の敬礼は耳の上部までに留める敬礼だ。
きれいな栗色のショート、茶が少し入った眼で黒いタンクトップに赤いパンツ姿で息を弾ませながら彼女は軽い敬礼を行なう。
「入隊希望者だ。
実力を知りたいため手合せをしてくれ」
そう言ってファルへ視線をやり、すぐさま視線を戻した。
「了解しました。
少年のほうは?」
「私がやる」
その言葉にナキや二人は疎か、見学していた兵達まで驚きを隠せずにどよめいた。
「少尉がなさらなくてもよろしいかと…」
「いや、この者は刀を使うらしくてな手合せしてみたいのだよ」
そう言って彼はリーゼに視線を向ける。
「……」
「では、まずファル!用意をしろ」
「は、はい」
ナギトの指示で訓練していた兵が手を止め、壁際へと移動していく。
「いつも通りにやればいい」
と、言ってファルの頭を軽く二回叩いた。
すると、さも嫌そうに手を振り払いナキが待つ中央の広間へ足を向けた。
次から個人戦デス