第2話 入隊
まだ肌寒い初春の季節の中、ディジフェニア帝国の首都ディジベストロルの入り口に帯剣した少年と少女が立ち止まっていた。
散切りのアッシュブロンドの髪に蒼眼。
腰には刀が下がっており片手を柄にあてついる。
横には漆黒のセミロングの長身の女性が立っていた。
彼女も腰に両刃の剣を帯剣していた。
蒼眼がふと後方へ向けられた。
しかし、長い街道が続くのみだ。
顔を曇らせると彼は口を開いた。
「どこにいるんだろうな」
そう言うととなりの少女は肩を竦めた。
少年の名はリーゼ=ヴォルフ。
少女の名はファル=ナック。
「二人は後にくるでしょ?
私達は先に行きましょ?」
そういってファルは歩き出した。
納得したのかそれを見てリーゼは彼女の後を追うように首都の入り口を潜った。
すると、彼らの目の前に二人の兵が道を塞ぐかのように現われた。
「帯剣して首都ディジベストロルへなにようであるか?」
まさに教科書通りの問いかけだ。
兵でない彼らの帯剣は許されないことであろう。
スパイや内偵と疑われてはいないだろう。
それらだとすれば堂々と往来の道を帯剣して歩いているはずがない。
兵が余程の用心深さがあるか愚か者であれば話は別だが……
「…軍への入隊を希望します」
「「……」」
二人の兵は互いに顔を見合わせ、表情は驚きを隠せない。
現在、戦時中ということでもなく火種が燻っていることもない平和な今この時勢に目の前にいる少年少女が入隊とはなにか理由があれのかと二人の兵は考えた。
しかし――――
「…あと二人同じ年くらいの者が来るはずだったのですがまだ到着しておらず、まず私達が入隊を…と思った次第です」
これにも兵は驚いた。
しかし、二人の決意の眼を見た彼らは丁寧に言葉を紡ぎだすかのように発する。
「……では、まず上官に合ってもらう故、ついてこられよ」
そう言って兵は彼らを自分達の上官の元へ誘導する。
「「…」」
二人は顔を見合わせ、頷くと無言のまま兵の後を歩き始めた。
途中、緊張のあまり都の華やかさとそこに住む生き生きとし民や喧騒さなど全ては記憶に残るはずもなかった。
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