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勉学と休憩

「みんな集まってくれ、これから今日の予定を発表する」


 転移してきた翌日俺たちは全員で場内の訓練所に集められている。

 特に変わった様子もないし食事に関しては安全だったみたいだ。


「君達にはこの世界の常識と戦い方を学んでもらおうと思う、主に午前中はこの世界の常識と君達の戦う相手について学んでもらう。午後からは戦闘時における身体の使い方を教える、筋力などは高いステータスがあるから大丈夫だろう。」


 午前中に知りたかったことが分かるみたいだな、この世界がどんな状況か……楽しみだ。


「どうしたんだ、いきなりニヤつきだして……キモいぞ」


 誰もいなかったはずの隣からいきなり声が聞こえてくる。


「うお、なんだ樹かよ。いきなりキモいはないだろうキモいは、あとニヤついてねえし。」


 まったく不名誉な事を言いやがって、俺のポーカーフェイスをなめるなよ、顔の表情どころか存在感まで消してしまう完成度だぞ。


「いや、正直かなりヤバかったぞあの顔で女子でもみてたら殴られてたくらいには。」


「なん……だと⁈」


そんなバカなこの俺のポーカーフェイスが破られた⁈


「バカな事言ってんな、で一体何を考えてたんだ?」


「別に大した事じゃねぇよただ脱出前の準備の一つが楽に終われそうなだけだ。」


 あとは、この世界の情勢とか聴いて人間同士で争ってるようなら爆笑しようってだけだ。


「別にいいけどよ、午後の訓練一体何やるんだろうな身体の使い方って?」


「さあ、知らんが俺は素手ならある程度は知ってるぞ。」


「確かお前は柔道やってたんだっけ?」


「あぁ今年で8年目だったな、とはいえ真面目にやってなかったしあくまで対人用なんだが、同級生には負けんだろ。」


 まぁ、実際のところは相手と組み合って武器なしのゼロ距離での武道だからな、剣と魔法の世界でどれだけ通用するか。


「そうか?俺みたいな能力だと雷を身体に纏わせるだけで対処できるぞ。」


「現時点での対人戦の素人に負けるつもりはないな、ほかに対人戦ができるやつはいなさそうだし。」


「油断はするなよ、異世界だぞ。」


そんな話をしていると


「午後の訓練内容の説明はこれまでだ。これから午前の勉強の場へ移動する、教師は私が務めさせてもらう、では勉学に励むように、ついてこい。」


 俺たちは場内の勉強部屋?に案内された。


「この授業は一回のみ、要点を絞って説明する、興味のある人は書庫があるのであとで調べてみてくれ」


「では授業を始める、紙とペンのある席にてきとうに座ってくれ」


 俺たちは着席を促され、クラスメイトは友人と隣り合う席へと座る。


 部屋のイメージとしては大学の教室のような感じだろうか、イメージでしかないが複数人が座れる机が横三列縦四列の並びで並んでおり机一つあたり四人座れるようになっている。


 ちなみに俺は最後列の余っている机に樹と共に座っている。


「最初は君達が呼ばれた理由、魔王軍についてからでも始めようか。

 魔王が誕生したのは今から約500年前、その魔王は50年に渡って暴れ周り世界の半分をその支配下に置いた、しかし450年前に初めて勇者召喚が行われ魔王を打ち倒し魔族を大陸の隅に追いやるのだ。

 だが約100年周期で魔王は復活する、故に人類も100年の間に勇者が少しでも楽できるように物資を集めるのだが、気づいただろうか450年前に初めて勇者召喚されそこから100年周期なら今回はあと50年先になる予定だった。つまり今回の魔王の復活と勇者召喚はイレギュラーなものだということだ。

 何が起こるか未だにわからぬことも多い、物資的な面では難しいが王国も充分に支援をさせてもらう、どうかよろしく頼む。」


「任せてください、必ずや魔王を打ち倒しこの世界に平和を取り戻してみせます。」


 光輝が声を上げる、するとトップカーストのグループが


「元からそう決めてたしな、俺も協力するぞ」


「私だってもう助ける気で居るんだし皆んなで頑張ろう」


「いまさらになって見捨てたら帰れたとしても後味悪いしね」


 と意気込みを語っていく。名前は最初から順に佐倉(さくら) 悠人(ゆうと)白波(しらなみ) (かえで)神楽(かぐら) 紫音(しおん)だ、名前を知ってる理由とかはまあ、関わることがあれば話すかもな。


 授業内容は500年前に初めて現れた魔王とその度に召喚された勇者のイタチごっこ、今まで元の世界で集団の行方不明者とか聞いたことないし居なかった事にされてるのかもな。


 その後、この世界の常識や金銭の価値、その単位など様々なことが説明され、少しメモを取るのが面倒くさかった。


「では基本の授業はここまでだ、まだ完璧とも言えないが他のことは日常のなかで説明する。明日から午前は魔法の授業になるので覚悟しておくように、私はこっちが本職だからな。では昼飯には呼びに来る、それまで休憩。」


「どうだった、何か変に思う所はあったか?」


 樹が聞いてくる。てか樹しか話しかけてこねえな、まあそんな友人樹くらいしかいないんだがな。


「変に思う所か?まあ無難に歴代の勇者召喚で来た人間は元の世界の住人なのかとか、いつの時代の人間かとかじゃないか?」


「たしかに思うとなるとそこだろうな、もし元の世界の住人ならやっぱり来たら忘れられるんじゃないか?」


「やっぱりそうなるよなあ。実質戻るのは不可能か、今まで集団失踪からの帰還者が異世界行ったとか言ってたら目立つだろうしな」


「いやそんなこともないかもしれんぞ、500年前に勇者召喚された人間も俺たちと一緒に向こうから消えて、時間差で異世界に来てるとかもある。」


「あぁ確かにその説もあるな、それでも歴代の奴らが帰れてないなら難しくね?」


「そりゃそうだろ、簡単に行き来できるなら100年に一回とかのスパンにならんだろ。」


 だよなあ、もうなんか帰るのも面倒な気がしてきた、この世界に移住でもすれば良いんじないだろうか、どうせこの世界なら俺たち強いし。


……あれ?この世界では俺たちって強いんだよな、それで今回のスパンは50年なら


「なあ、50年前の勇者って今どこにいるんだ?」


「え?普通に考えたら同士討ちか、医療機関もないし、老衰とかだろ、それか普通に生きてるか、あとで聞いてみたらどうだ?」


「それもそうか、そうと分かれば聞いてみるか、いるなら全部の仕事放り投げてやる。」


 そんなこんなで雑談で時間を潰し初めて体感で1時間後くらいに


「そろそろ昼食だ、前回の食堂にあつまってくれ」


 今日の朝も遠慮したが、料理に何か含まれてることもないようだ、てかいい加減腹減ったもう無理。

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