スキル検査
どうも、現在数少ない友人に限りなく暴言に近いなにかを言われた冬木 涼太です。
しかも何がひどいってその暴言は真実を曲解してるせいでとても否定しづらいのだ。
「おい樹、俺は確かに勝手に変なところに連れてこられた挙句命をかけて戦えとか言ってくるやつらは滅んでもいいと思うし、こいつらのために戦う気はさらさらないがそれを他人という言葉で一括りにしないでくれ、俺は俺にとって都合の良いやつのために努力するんだ。それが他人のためにもなるならそれはそれでいいじゃないか」
「お、おう……つまり?」
「この世界で自由に生きるための力と知識を蓄えてからばっくれる」
「やっぱり魔王討伐する気はないのかよ……」
少しいや、かなり呆れた顔でため息を吐く樹だが、やはりきちんと分かっていないようだ。
「だから少し違うぞ、もし俺の生活を魔王が脅かすようなら討伐に手を貸すってことだ」
「だから、生活が脅かされてるから呼ばれたんだよ」
「俺が死ぬまで侵略してこない可能性があるだろ?もしくは帰る方法があるとか」
そう帰る方法だ、いままで話題になかったが何かしらあるのだろうか?
出来ることなら今すぐにでも帰りたい。
誰か質問してくれないかな、しないよな。そう都合よくもいかないか……はぁ、やるか。
「す、すみません質問はまだ受け付けてますか?」
クラスの大多数の人間がこちらを向いてきた。
や、やめてこっち向かないで。あとそこの男子あいつ誰とか言わない。
うわ気持ち悪、この口調やめよ。
「う、うむ何かあるのか?」
「えーっとですね、その、何か帰る方法とかはあったりするんですか?」
「帰る方法か、うーむそれは
「おい、お前何みんなの空気乱してんだよ。いまこの世界を救おうってなっただろ。」
1人の男が何か言ってくる。
誰だあいつ、せっかくなんか聞けそうだったのに遮ってきやがったぞ。
てか何、いつみんなで世界救うことになったの?自由参加っていってなかったっけ?
と、文句を言えるわけもなく黙っていると、
「いや、勇者様方にもいろいろと話さなければならないこともある、いきなり連れてこられたのだからこの場で話させてもらうことにしよう。」
なんと王様直々にフォローがありました。そりゃ勝手に連れてきたんだし説明くらいは欲しいよね。
「ま、まあそういうことなら……お願いします。」
どうやら相手も折れてくれたようだ。
「これは非常に言いにくいのだが、帰ることができたことはないそうだ。」
「呼ぶことができるのにですか?」
「本当に申し訳なく思ってるのだがこればっかりは……。勇者様が初めにいた部屋に魔法陣があったのだが、あれは先祖代々受け継がれてきたもので、長い歴史の中であのレベルの魔法陣を作れる魔導師は皆魔王との戦争で命を散らし技術が随分と後退してしまってるのだ。」
「そうですか、わかりました。ありがとうございます。」
戦争による技術の後退、ありえるのか?後で調べてみよう、図書館とかあるのだろうか、識字率とかはどのくらいだろう。
誰か来たぞ、王に耳打ちをしている。何かあったのだろうか?
「では勇者様、食事の用意ができたようです。他にも話したいことがあるので移動しましょう。」
食事か、どの程度のものなのだろうか、とはいえまだ信じられない。
変なものが入ってないとも限らないしな、今日は遠慮して明日のクラスメイトの体調次第で食べるかは決めるか。
謁見の間を出て連れられて来た場所はクラスメイト全員分の椅子が約40脚程と最奥に目立つ椅子が一脚あり、それらは1つの大きな卓を囲んで置かれている。
王は最奥の椅子に座り、俺達に座るよう促すと多くのクラスメイトがよく喋る人間とまとまって座りだした。
そういう俺も樹と共に席に座っているとざわめくクラスメイトが落ち着くタイミングを見計らって王が口を開く。
「ではこれから食事したいところではあるが皆様にはこれから1つやっていただきたいことがある。」
やってもらいたいことか、まあどうせ食事は喰わないんだがな。
「いまから皆様の前に銀色のプレートが渡される、それにいっしょに渡される針で刺し、血を垂らした後に塗り薬を塗ると治る。指を指す前に薬を少し塗っておくと痛みが緩和されるぞ。」
あ、痛み止めと軟膏はもらえるのね。
アニメとかでそんなのないから屈強な現代人が多いなぁ〜とか思ってたわ。
「その銀色の板は自分のステータスを表すと同時に身分証でもあるから無くさぬように。」
さすが異世界、ハイスペックだな。で、俺のステータスってどんなのだろ。イタッ
ステータス
冬木 涼太 男 16歳
Lv.1
HP70/70 MP120/120
STR 85
DEX 110
VIT 85
AGI 100
INT 130
(性格スキル)
・???
(スキル)
・分解 ・先読み ・体術
(ギフト)
・武器 ・防具
え、性格スキルとかいうのがわかってない?
ねぇ、ちょっと待って面倒ごとは嫌なんだけど。
「そろそろいいかの?」
ちょっと待て、すこしでいいから待って、おい喋ろうとするなこっちは忙しいんだ。
「ステータスについてはこれから君たちに指導することになる者がするのでよく聞くように。」
あっはい待ってくれないのね。てか横にいる樹も焦ってるし誰に相談すればいいんだよ。
そうこうしてるうちに王様の近くで待機していたのであろうインテリイケメンの青年が口を開く。
「これから君たちに魔術指導をしていくカイヤ・ブラッドだ、呼び名はそうだな……そちらで決めてくれ。」
おいカイヤ、俺のステータス多分間違ってまーす。他の人のと交換してくださーい。
「これから君達のステータスについて説明していく、まず1番上には名前、性別、年齢が表示される犯罪者になると名前の左横の部分に×が表示され街に入れなくなるので注意すること。そしてそのしたの数値はHPが体力MPが魔法を撃つ際に消費する魔力だ後は上から力、器用さ、耐久力、俊敏性、知力だ。ちなみにこの世界での人間の成人男性のステータスは全てが50ほど君たちはその倍近くはあるだろうな。」
あれ?ならステータスって普通に訓練であがるのか?
というよりその下だよ本命は、なんだよ「???」って意味わからんよ。
「ちなみにステータスは生き物の基本能力にどれだけ補正がかかっているかを表示してるだけだ。知力に至っては記憶力などに補正はかからず魔法の威力があがるだけだからステータスが低くても頭のいい奴はごまんといる。」
なるほど、ということは筋トレとかをしてもステータスは上がらずにただただ力が増すだけか。
「そしてステータスの下部分にある性格スキルとスキルの部分だが、性格スキルの部分はまだ表示されていないと思う。」
……あれ?もしかしてみんな表示されてなかったの?
あっ樹もめっちゃポカンとしてるしマジでそうらしいな、ポカンとしてるやつは他にも何人かいる。
たしかによく考えてみたら俺みたいなやつが主人公級のスキルとか持ってるわけないよな。
いや、期待なんかしてないよ、オレウソツカナイ。
「なぜ表示されてないかというと、その性格スキルというのは神に自分の存在を認識させるほどのことをした生物が神から人柄を認められて与えられると言われてる、今は君達の人柄を確認しているのだろう、前例から言っておそらく7日もすれば表示される。」
ここに来て神が出てきますか、どうか変な狂神とかではありませんように。
まぁ、神については後で樹と話し合うかな。
「次にスキルだが、転移する際に強力なものが一つ与えられる、あとは今までの経験などがスキルとなったものが表示されているはずだ。スキルをなぞってみれば詳細が表示される、やってみてくれ。」
えっと俺のは多分だけど『分解』が与えられたものかな?
スキル『分解』(固有)
直接および間接的に触れたものを素材に分解する。範囲、数、速度は使うほどに上達する。
なんか地味だな、少なくとも戦闘では使いにくそうだな。
でも対人戦なら武器、鎧の分解や拠点の建物の破壊とか使い道はないでもないか。
とにかく状況にはよるだろうがまったく使えないわけでもなさそうだ、そういえばこいつはどうなんだろうか。
「おい樹、お前はどうだった?」
うわぁ、なんかすごいニマニマしてる。
こんなでもある程度絵になるってやっぱイケメンってずるい。
「俺か?結構いいやつっぽいぞ。」
スキル『雷操作』(幻想級)
雷を生成、操作できる。
「シンプルイズベストってやつだな、涼太はどうだったんだ?」
「これだよ、かなり地味だろ?」
「うわぁ、マジで地味じゃんしかも使いづらいし。ステータスはどうだったんだ、これまで低かったら追い出されんじゃね?」
「流石にそこは普通だった、体力、力、耐久力が低くて魔力、器用さ、知力が100以上だ。」
「なるほど、完全に後衛だな。俺は俊敏性と力が高かったから中衛で遊撃くらいなもんだろ。」
ステータスは合計で700、項目が7つで一般人が1項目50が平均ならちょうどその倍だな。
ざわざわとクラスの全員が周りの人間と自分のスキルについて話している中で手を叩く音が聞こえた。
「話の続きをしよう。君達に与えられたスキルだが、この世界ではいくつかの階級に分かれているそれをこれから説明する」
まぁ要するにだ、まとめるとこんな感じ。
珍しさは上から 伝説級・幻想級・固有・究極級・希少級・技術級・一般・である。一般と技術、究極級は努力次第で習得可能。
究極級は技術級の派生版だが習得が非常に難しいので確認数が少ない。ただ珍しい=強い ではないので使い方次第。
だいたいはこんな感じ、ちなみに異世界人には初めから固有以上のものが与えられるらしい。
「最後にギフトだがこれはなぞりながら魔力を通すとに各々の望んだ戦闘方法にあった武具が与えられ、本人専用の武具となって君達の戦いを助けてくれる。これも転移者特有のものだな。」
まさか武具まで完備とはまさに至れり尽くせりって感じだな。
「ただしこの武具は一度決めると変更出来ないので訓練の際いくつかの武器の中で何を使うか大体でいいから決めておいてくれ。」
その話を聴いて戦うことに実感が出たのかクラスメイト達は微妙な顔をしたり、興奮していたり、とまちまちの反応を見せる。
「なあ光輝、お前は何の武器を使うつもりなんだ?」
あいつは佐倉 悠人こいつはトップカースト兼俺の数少ない友人だ。
何故関わりを持ってるか?あれだ、幼馴染ってやつだ、ついでにいえば良いやつだしな。
「そうだな、僕は剣を選ぶと思うよ。スキルもそれに向いてるし、何よりみんなの道を切り開きたいからね。」
「へえ、ならスキルってどんなやつだったんだ?」
「僕のスキルは『聖剣化』僕が装備している間は剣が聖剣になるスキルだね。」
「すげえじゃねぇか、頼むぜ俺たちの切り込み隊長。」
すげえ今の会話でクラスの混乱を抑えやがった。
トップカースト、うるせえだけかと思っていたが思ってたより頭使ってんだな。
ちなみにこの日はこれ以降何もなく食事後、部屋を案内され訓練などの話は後日に持ち越された。
やべえ投稿頻度がゴミだ、完全に趣味ですね。
誠にすみません