↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/56

41話

 ミツキは足音を立てることもなく煙と闇に包まれた洞窟の中を歩いていた。


 〝超感覚〟には今やほぼすべての場所にいる者たちが眠っているのを感知しており、あとに残されたのが一番奥、魔力を大きく感じるポイントだけ。そこには何らかの結界が存在しているのか、奥の様子が詳しくわかるわけではないが、それでも二人の人物がそこにいることだけは分かっていた。


(おそらく話に出ていたリーダーと参謀……さすがにここでは戦闘は避けられないかな?)


 ミツキは最大限の警戒をして、最奥の部屋の前へとやってきた。


 荘厳な雰囲気の扉で遮られた部屋の前には開けた空間があり、今ミツキはその手前の通路にいる形だ。


(さて、まずはこの結界をどうにかしないとな……)


 ミツキの視界は今、魔力サーモグラフィーの効果によって通路の先に魔力で作られた結界があることを感知していた。さらに、この結界を創り出している核をミツキは探し始める。だんだんとこの魔力サーモグラフィーの効果も上がっているようで、以前よりも明確にどこに魔力が集約しているのかがわかるのだ。


 これも〝超成長〟のおかげなのかな? などと思いながらミツキは結界の核になっているところを発見する。


(この核を壊せば結界を壊すことができるわけだけど……)


 ミツキは無造作に『朧月』を三つ存在した核へと打ち込み破壊した。


 これによってあっさりと結界が消え去る。


「なんだかあっけなかったな」


 普通であれば、この結界というものはそう簡単に破壊できるものではない。


 なぜなら、今回使われている結界というのは相手の侵入を防ぐものというより、相手の侵入を知らせるもので、普通の、防御するために用意された結界をぶっ壊すというような結界の壊し方はできないからだ。

 そのためにこのタイプの結界は核を探してそれを破壊するというのはセオリーなのだが、これが非常に難しい。


 というのも、このタイプの結界の場合は魔力を込めた何か、例えば魔法などを撃てばいいわけだが、ここ最近の結界というのは魔力を感知することも出来るために、魔法を結界を破壊するときに使えば確実にばれてしまうし、魔弾を打ち込んでも同様のことが起きてしまう。


 つまり、この感知系の結界というのは、破壊されたとしても、破壊しようとした瞬間に結界を設置した側にばれてしまうということだ。普通の人間からして見れば徒労もいいところである。


 まあその問題も、ミツキの持つ拳銃『朧月』の認識不可の弾丸の前には形無しではあったのだが……


 そう言う理由から、普通なら無駄になるために行わない感知系の結界破壊をあっさりとミツキが行ってしまったのは異常なのである。しかもその気になれば〝調和〟で結界など破壊するまでもなく、容易にすり抜けることができるわけで、アイリスが見たら「やれやれ……」とあきれた表情になるだろう。アイリスもアイリスでミツキは敵にまわしたくないはずである。


 そんなことなど知りもしないミツキは何をするでもなく無造作に感知系の結界が張られた空間に入り込み──


 ──突如扉が開いて誰かが剣を振り抜いていた。


「──っ!?」


 ミツキは持ち前の〝超感覚〟で何とか剣戟を回避。


 すぐにバックステップで距離を取る。しかし、冷静な動きとは裏腹に脳内は混乱していた。


(──結界破壊がばれた? いやでも……)


 感知系の結界というものは基本的には侵入者が現れた場合に侵入者発生を知らせる音が鳴るというものが多く、そのために完璧に破壊さえしてしまえば無力化されてしまうという欠点がある。


 だからこそミツキは〝調和〟を使うまでもなく結界破壊をすればいいと思っていたし、何より自分の影の薄さなら、例えそれなりの強さの盗賊だろうと認識できないだろうと不本意ながら思っていたのだ。


 それが、部屋に入る前に認識されて攻撃された。


 こんなことはモットーとの戦闘でも最後の最後以外はなかったことだ。


(いったいどういう────!!!?)


 ミツキは脳内で必死に理由を探ろうとしたが、そんなことは相手にとっては待ってくれる理由になりはしない。


 ミツキを何らかの理由でもって感知した存在は目にも止まらなぬ速さでもって剣を振るってきた。


(はや、すぎるっ!!)


 ミツキは何とか『朧月』と『朧霞』を使って、〝超感覚〟の反応に任せてひたすらに防御に徹していた。──否、防御に徹するしかない状況に追い込まれているのだ。それほどまでに突然の襲撃者の攻撃が速すぎるのである。


 そのために〝看破〟を使って相手が何者なのかを探る暇もなければ、〝魔力操作〟で身体能力を向上させる隙さえもない。


 ちなみに現在は睡眠薬の煙があたりにあるがそれも効いている様子はなく、むしろ煙の存在のせいでミツキの身体の位置がバレる形になってしまっていた。


(くそっ! どうすれば!)


 あまりにも予想外のところから、それこそモットーと戦ったときのような相手の強さに対してミツキはひたすらに焦っていた。


 そして悪いことというのはよく立て続けに起きるもので、


「ああっ!? 襲撃者か!?」


 もう一人、ミツキの〝超感覚〟に大きな魔力を持った存在が部屋から現れたのだった。

 どうもこんにちは、誤字脱字が多く修正に四苦八苦している作者です。

 今回は少し弁明を入れておきたく後書きをすることにしました。


 その弁明とは『ミツキの〝調和〟は万能ではあるが、それなりにリスクはある』という点です。


 まず最初の魔王殺しの魔弾を作ったときのように、魔力を入れ続けると自分という存在が消滅してしまうような状況になること。あとはまだ明確に発生していませんが、一応他にも用意してはいます。

 ただし、それではほとんど使えないような技になるので、設定上ゆっくりとやると一応大丈夫というものにしています。なのでイザヨイたちの召喚の時には使えたわけです。

 ただ、戦闘中や戦闘になるかもしれないときなどは、意識せずに〝調和〟が行き過ぎてしまうかもしれないとミツキは思っているので、これから先、戦闘において〝調和〟を使うことはあまりないです。


 それでも能力自体は万能ですので、それ以外の部分ではよく使うと思います。まあ、戦闘中も万が一の時はミツキも言っていた通り使うときもあるかもですね。まあ端的に言えば〝調和〟については「ハイハイ、ファンタジーファンタジー」と割り切ってくれるとありがたいということです。


 これからも影薄少年をよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。