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30話

「さてさて、まずは……」


 目の前にいきなり現れたボスモンスターのようなゴブリンたちに対して、ミツキは〝真実の眼〟を発動する。


 まずは取り巻きの三体。


=====================================

[ネーム]なし(♂:?歳)

[クラス]《ゴブリンナイトLv.1》

[スキル]繫殖力・剣術・楯術・怪力

[タイトル]

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[ネーム]なし(♂:?歳)

[クラス]《ゴブリンマジシャンLv.1》

[スキル]繫殖力・火属性適正

[タイトル]

=====================================


=====================================

[ネーム]なし(♂:?歳)

[クラス]《ゴブリンジェネラルLv.1》

[スキル]繫殖力・鼓舞

[タイトル]

=====================================


「……これ、強いのかな?」


 思ったよりも迫力がないことにちょっとだけ戸惑うミツキ。一応ゴブリンマジシャンなる存在が火属性適性で魔法を扱うので、全属性適正のミツキとしてはその魔法を使うところを確認してみたいなぁと思ったりするのだったが、本命を確認していなかったことを思い出し、最後の一体だけ格の違いを感じさせるゴブリンの情報を確認する。


=====================================

[ネーム]ジョンソン(♂:?歳)

[クラス]《ゴブリンキングLv.1》

[スキル]繫殖力・威圧・怪力・金剛

[タイトル]【ゴブリンの王】

=====================================


「……これ、強いだよね?」


 が、思ったよりも強くなくて戸惑ってしまうミツキ。別にゴブリンキングがジョンソン君であることに戸惑っているわけではないだろう。


 実はモンスターはそのクラスによってレベルが1でも十分に他者を圧倒できるだけの能力があるのだ。事実、ミツキは知らないがこのゴブリンキングはミツキが暗殺しまくったミノタウロスやアラクネくらいの強さがあって、冒険者ランクで言えば〝ランク4〟くらいは必要な強さだ。


 ……まあつまりはミツキには相手にならないということである。


 なんとなく不安になったミツキは内側に意識を向け、そこにある〝つながり〟の一つ、イザヨイに脳内で話しかける。


『あー、あー、もしもしこちらミツキ。イザヨイ、ちょっといいかな?』

『もしもしです、お兄ちゃんどうかしたのです?』


 イザヨイから返答が帰ってきたミツキ、実は召喚した側とされた側は脳内で会話をすることが出来るのだ。このことは実はつい先ほど知らされており、わざわざミツキがイザヨイと直接会話することなく情報を得ることが出来ると知ったときはミツキは思わず心の中で四つん這いになった。


『うん、ちょっとゴブリンキングと相対しているんだけど』

『あ~、あの雑魚です?』

『…………』


 そんなまだ召喚について知らないことがあるのかとがっくりした経験のある脳内会話で、イザヨイにゴブリンキングについて聞こうと思ったらあっさりと〝雑魚〟との言葉が返ってきた。

 思わず無言になるミツキに、イザヨイは「ひらめいた!」とばかりにこんなことを言ってきた。


『お兄ちゃん! 召喚を使ってです!』

『へ? なんで?』

『もちろんニヤ達をパワーレベリングするためなのです! 私にとっては雑魚だけど、ニヤ達には十分にいい相手だと思うのです!』

『そ、そうなのか?』


 〝パワーレベリング〟というワードが出てきている時点でそれなりに危険なのではという風にミツキは思ったが、イザヨイはさらに畳みかけるように話し続ける。


『そもそも今のお兄ちゃんがゴブリンキングを倒してもそこまで経験値は得られないのです。それなら使い魔を強化した方がいいのです! お兄ちゃんの召喚魔法は使い魔が強くなればなるほど恩恵を受けられるようになっているみたいなのです! こっちの方が建設的なのです!』

『何それ知らないんですけど!?』


 またしても告げられる衝撃の真実!

 自分はどれだけスキルの内容を知らないのだろうかとまたしても脳内のミニミツキが四つん這いになる。


『ともかく召喚して欲しいのです! これはお兄ちゃんのためなのです! きっと今も認識されていないでしょうから今のうちなのです!』

『………………わかったよ』


 自らをお兄ちゃんと呼ぶうさぎさんは意外と辛辣なんだよなぁ、と若干涙目になりながらミツキは〝万能召喚〟を発動する。


(そもそもそんな能力も説明の際はなかったと思うんだけどなぁ)


 なぜかいろいろと追加効果が発生しているような気がしてならないと、なんとなく責任転嫁をしながらミツキはイザヨイたちを召喚した。


『呼ばれて飛び出てイザヨイなのです!』

「ニャー」

「わんっ」

「アホー」

「最後だけなんか違ったよね!?」


 思わずツッコミを入れるミツキだったが、この言葉には誰も反応することはなかった。

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