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10話

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[ネーム]ミツキ・オボロヨ(男:16歳)

[クラス]《異世界人Lv.50》《大英雄Lv.5》《暗殺者Lv.60》《魔人Lv.50》

[スキル]調和・存在希薄・言語理解・万能召喚・念動力・超成長・気配操作・魔力感知・気配感知・第六感・真実の眼・威圧・暗殺術・状態異常無効・魔法耐性・物理耐性・全属性適正・魔力操作

[タイトル]【神さえ気がつかない存在感の男】【影が薄い異世界人】【魔王を暗殺せし影が薄い大英雄】【暗殺の達人】【幾万の呪いを身に纏いし者】

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 ────ナニ、コレ?


 ミツキは思わずビクッとなってしまった。

 しかしこれは仕方のないことだろう、つい先ほどまで《異世界人Lv.1》だったのだ。

 そこからどうやったらこれほど成長できるのか想像もつかないだろう。


 思わず驚いたミツキだったが、すぐに自分は怠惰の魔王を倒したのだから当然だろうと強引に納得して、すぐにそれぞれの能力確認に入ることにした。


(ふむふむ、どれも有能そうだな)


 結果としてわかったのは魔王を倒すことによって《大英雄》のクラスを獲得し、その倒し方が相手を完全なる不意打ちで殺したことから《暗殺者》のクラスを獲得したことが判明した。しかもこの二つはかなり使える力だっな。


 ここでミツキは理解したのだが、クラスのレベルが上がるとスキルを獲得できるということなのだ。例えば〝第六感〟などは《大英雄》クラスを獲得することで得られるスキルだった。

 他にも《大英雄》にはスキルを自動的に強化するアドバンテージがあったり、《暗殺者》は人を殺すための能力は強化やその他毒物などの知識などが手に入ったりと有能だ。暗器の使い方などもこれに入る。オリジナルスキルはそれ以外にあたる特殊なスキルだ。


 そして、そこまでは良かったのだがその後が問題だった。


(この《魔人》って完全に悪者だよなぁ……)


 これはどうやら呪いの武器と〝調和〟したことによってできたクラスだった。

 しかも、ミツキは知らないが、これはマイナスイメージがかなり強い。


 というのも、《魔人》は人間が魔法を発動するときなどには必ず魔方陣を介するのに対して、その過程を無視してもある程度何とかなってしまうというモンスター特有の〝魔力操作〟というものが手に入るクラスであるからだ。


 神が与えた武器はそれだけで魔法的な能力が発揮できるものの、先ほどの回復魔法を使っていた生徒たちはみな魔法陣を構築していたりするため、チート達でもこの〝魔力操作〟は持っていない。


 つまりそれは人にしてモンスターと同じ力を持つということ。

 恐れられる理由には充分だ。


 さらに言えば《魔人》は呪いを多数受けることによって手に入るクラスなので、そもそも《魔人》は大抵廃人、あるいは狂人となるので、これでマイナスイメージを持つなという方が無理な話だ。


 まとめると、ミツキは魔王戦で一気にチートなバケモノに変化してしまったというわけだ。


 まあ今回の行動の結果としてどの属性の魔法を扱えるかというのを表す〝適正〟のスキルの中でも稀有な〝全属性適正〟や〝〝状態異常無効〟などのスキルも獲得できたので、ミツキにとって悪いことばかりではないが……


(それでも《魔人》とかになっちゃうと警戒されるよな……)


 ミツキはその事実を知らないとはいえ、ファンタジー系の物語では魔人は基本的に悪役側だ。


 まず最初に《異世界人》のクラスがあるから召喚された側だと理解してはもらえるだろうが、普通の人間は警戒してしまうだろうとミツキは思った。少なくとも自分は警戒するという判断だ。


(う~ん〝暗殺術〟のスキルはどうやらステータスを偽ったりできる〝偽装〟も入ってるみたいだからこれがあれば〝鑑定〟スキルもちがいても大抵は騙せるけど……)


 最初に偽装していた魔王を見破ったソウタの〝真実の眼〟を騙すことは無理だろうとミツキは思った。


 こうなってくるとだいぶ行動に制限がかかってくる。


 ミツキはソウタやシノの反応から自分が巻き込まれて弱いと思われていると認識していて、この場で目立つために魔王を倒したと言いたかったのだが、どう考えても悪役になってしまいそうな自分のステータスを見せるのはかなりまずい状況に判断した。


 今思えば〝真実の眼〟をソウタが使わないでくれてよかったというところだろう。

 ともあれそういう状況だから今は眼中にない状態で助かっているが、あとで能力詳細を聞かれたときに明らかに警戒されてしまうだろうということは明確。


 そうであるならば、ミツキの目立ちたいという目標を達成するためにもこのまま一緒にいるというのはあまりメリットではないだろう。


 そこまで考えたミツキは、では今後どうするかについて考えることにした。


(う~ん、そうするとどうするかってことだけど……)


 まずはこの勇者一団と一緒にいないほうがいいだろうと決定。

 これは現段階では〝真実の眼〟を持つソウタに《魔人》として警戒されることを避けるために必須だ。


 そして次に考えられる状況を想定した。


(冒険者があれば冒険者になって、手っ取り早く大活躍すればいいだろう)


 ネット小説の知識から力で地位を獲得できる冒険者ならばいい結果になるのではとミツキは判断した形だ。

 人間社会で地位をしっかり確保すれば、それだけで《魔人》であっても警戒はやや薄れるだろうという判断でもある。


(冒険者がない場合は考え物だけど、この世界にはモンスターが普通にいるみたいだから多分騎士とかは普通にいるよね。国に使えるなら制限は大きいかもだけど活躍すれば英雄みたいに見てもらえるかもしれないし、いいかもしれない)


 そこまで考えたミツキはあとは実際に外の世界を見てから考えようと思って、行動を開始するのだった。

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