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黄泉比良坂(仮)〈ヨモツヒラサカカッコカリ〉  作者: 長岡まさ
第一章 始まりの合図の始まりは如何に
9/14

__TALKING

認証ユーザー ITACHI_Yomotsuhirasaka

認証ユーザー _Yomotsuhirasaka


__CONTINUE


「あの子、ちゃんと駅まで戻れたかしら。回り道、ちゃんとして来たんでしょ?」

「うん」

「あら、随分暗い顔してるわねぇ」

「別に」

「なあに? ヨモギちゃんを仲間にって、あんなに推してたの、ヒミちゃんじゃない」

「だから別に、そんなんじゃないって」

「近くで見たら結構美人で、ドキドキしちゃった?」

「――」

「それとも、予想してたより純粋そうな子で、気が引けちゃった? ふふ、神妙な顔で、眉間に皺なんか作っちゃって。男前が台無しよ?」

「――」

「おらおら、元気出しやー」

「ちょ、イタチ。頭はやめろよ!」

「しゃーないやろ? 利用してんとちゃうねん。あの子が、ちゃんと聞きもせんで、ほいほい付いて来たっちゅーだけのこっちゃ。そんであんな」

「だから、やめろって、髪ぐっしゃになる。それに言い方! キャラ崩れてんぞ」

「あらあら、ごめんなさいな。ちいーと休憩や」

「あのなあ、普段からちゃんとやってないと、咄嗟に出るぞ、それ」

「はははっ。ヒミちゃんかて、内と外使い分けとるやろ? おんなじよーなもんやよ」

「オレのと一緒にすんな。ったく、あいつの前でやらかすなよ。お前、大事なとこでそそっかしいから」

「ヒミちゃんの、だいじーなお姫さんやもんな? ヨモギちゃん」

「誰が」

「はははっ。手なんか繋いで。後でモッチーに怒られんで?」

「別にログ消すんじゃねぇんだから、そんくらい良いだろ」

「ほんま過保護やなー。やっぱし惚れたんやろ、ヨモギちゃんに」

「勝手に言ってろ」

「もう、後戻りは出来へんよ?」

「後悔はしてねぇよ。ただちょっと、この先の事とか色々考えてただけ」

「ほんまにー?」

「――」

「ま、これ以上いじめんのは止めときますか。――んーと」

「おい」

「んー? 何?」

「探してもねぇぞ。タバコ、止めたんだろ?」

「あー、せやった。道理で胸の辺り、すーすーする思てたんや」

「なあ、イタチ、どうした? 変だぞ、お前。もしかして」

「いやいや、心配いらんよ。ちいーと疲れただけや。頭ん中、ごっちゃになってな」

「後ここ、オレ片づけておくから、お前は帰って休めよ」

「んー、せやな。今日のとこはヒミちゃんに甘えて。帰ってとりあえず一本」

「タバコは禁止な」

「へーいへい。ま、ちいーと休めば、――はぁ。ちょっと休めば平気よ」

「うん」

「ごめんなさいね。明日またゆっくり話しましょ」

「――うん。じゃ」

[バタン](__扉B開閉音一致)

「はぁ。――おい、テフ。どうせ聞こえてんだろ。さっきの、分かってるよな? あと、今の会話、女が帰った後からの部分、ログ残すなよ」


__DELETE

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