__TALKING
認証ユーザー ITACHI_Yomotsuhirasaka
認証ユーザー _Yomotsuhirasaka
__CONTINUE
「あの子、ちゃんと駅まで戻れたかしら。回り道、ちゃんとして来たんでしょ?」
「うん」
「あら、随分暗い顔してるわねぇ」
「別に」
「なあに? ヨモギちゃんを仲間にって、あんなに推してたの、ヒミちゃんじゃない」
「だから別に、そんなんじゃないって」
「近くで見たら結構美人で、ドキドキしちゃった?」
「――」
「それとも、予想してたより純粋そうな子で、気が引けちゃった? ふふ、神妙な顔で、眉間に皺なんか作っちゃって。男前が台無しよ?」
「――」
「おらおら、元気出しやー」
「ちょ、イタチ。頭はやめろよ!」
「しゃーないやろ? 利用してんとちゃうねん。あの子が、ちゃんと聞きもせんで、ほいほい付いて来たっちゅーだけのこっちゃ。そんであんな」
「だから、やめろって、髪ぐっしゃになる。それに言い方! キャラ崩れてんぞ」
「あらあら、ごめんなさいな。ちいーと休憩や」
「あのなあ、普段からちゃんとやってないと、咄嗟に出るぞ、それ」
「はははっ。ヒミちゃんかて、内と外使い分けとるやろ? おんなじよーなもんやよ」
「オレのと一緒にすんな。ったく、あいつの前でやらかすなよ。お前、大事なとこでそそっかしいから」
「ヒミちゃんの、だいじーなお姫さんやもんな? ヨモギちゃん」
「誰が」
「はははっ。手なんか繋いで。後でモッチーに怒られんで?」
「別にログ消すんじゃねぇんだから、そんくらい良いだろ」
「ほんま過保護やなー。やっぱし惚れたんやろ、ヨモギちゃんに」
「勝手に言ってろ」
「もう、後戻りは出来へんよ?」
「後悔はしてねぇよ。ただちょっと、この先の事とか色々考えてただけ」
「ほんまにー?」
「――」
「ま、これ以上いじめんのは止めときますか。――んーと」
「おい」
「んー? 何?」
「探してもねぇぞ。タバコ、止めたんだろ?」
「あー、せやった。道理で胸の辺り、すーすーする思てたんや」
「なあ、イタチ、どうした? 変だぞ、お前。もしかして」
「いやいや、心配いらんよ。ちいーと疲れただけや。頭ん中、ごっちゃになってな」
「後ここ、オレ片づけておくから、お前は帰って休めよ」
「んー、せやな。今日のとこはヒミちゃんに甘えて。帰ってとりあえず一本」
「タバコは禁止な」
「へーいへい。ま、ちいーと休めば、――はぁ。ちょっと休めば平気よ」
「うん」
「ごめんなさいね。明日またゆっくり話しましょ」
「――うん。じゃ」
[バタン](__扉B開閉音一致)
「はぁ。――おい、テフ。どうせ聞こえてんだろ。さっきの、分かってるよな? あと、今の会話、女が帰った後からの部分、ログ残すなよ」
__DELETE