一日の始まり
俺は今一人でこの戦場に立っていた。
味方は残り少なく、本部とも連絡が取れない。
最悪なことに周りは敵がうじゃうじゃ。
でも俺は顔が笑っていた。
「ふぁ。ねむ。」
寝起きに弱い俺はあくびをしながら学校に通っていた。いや、通い始めた。
なぜなら・・・。
「よ!今日から俺達もAS学園の新入生だな!」
台詞を取られた・・・。
そう、俺こと、一ノ宮 拓はこのAS学園に新入生として今日入学するのだ。
ちなみにASとはアクティブスーツの略で日本が開発した仮装用スーツである。腕輪のような物をつけ所持者はその腕輪にインストールされている情報を元にスーツを構築。其れによりリアルサバイバルゲームをするのだ。何故日本がこのような物を開発したかというと、当時第三次世界大戦が懸念され各国の軍事力があがるのに対し日本が同等になるために開発したのだ。今では日本のこの技術を学ぶために俺のこれから入る学校に留学生がちらほらいる。
ちなみにAS学園はうちの一校の他に十校だけである。
ともあれアニメが大好きな俺にとって楽しみには変わりないんだがな。
「なぁ、今日から二日間だっけ!?」
「何が?」
「防犯訓練!!」
さっきからこのテンションが高いのは大石 光。学校説明会の日に出会いそのまま流れで付き合ってる奴だ。
まぁ、熱血系と言うよりは普通の高校生に近いかな。
「確かあれっていつ起きるか分らないんじゃ無かったっけ?」
「そうだっけ?」
「ああ。いつ起きるか分らない戦闘を想定するから急に起きるらしいよ。」
「マジかぁ・・・。今日びしっとかっこいいところ決めてモテてやろうと思ったのによ。」
「もしかしたら今日かもしれないからさ、そう気を落とすなって。」
「はぁあ。折角青春の扉が開いたんだから謳歌したかったな。」
彼女かぁ。
今まで考えたこと無かったな。
俺も欲しくはないが何でそんなにも飢えてんだ?
「光さ。何でそんなにも彼女ほしさに飢えてんの?そんなに急がなくたってまだ時間はたっぷりあるだろ。」
「ちっちっち。甘いよ拓君。そんな考え方じゃ男達の戦で後れを取ってしまう。」
「何が遅れるんだよ・・・。」
「美人争奪戦だよ!!お前の目は節穴か!?昨日の説明会で見ただろ!あのすらっとした黒髪ロン毛の美人!」
「ああ。そういえば居たな。」
「他にもだ!小柄だが愛らしい娘や、ポニテの女子!他にもうじゃうじゃ居るが男どもはそんな女どもを誰が取るかそれぞれが動き出してんだよ!だから俺も動かなきゃって事だ!」
「お、おう。」
光は鼻息を荒くして俺に身振り手振りで力説して見せた。
でも、女の人にすっごく興味があるわけでも無い俺は適当に聞き流しながらつけてきた時計を見ると四十分を回ろうとしてい・・・。
「時間がやべえ!!」
「マジ!?」
「ああ!」
「どうする?」
問いかけてくる光を背にして俺はクラウチングスタートの体制になると
「走るか。」
そして俺はボ●ト波の速さで駆け抜けた。
「はぁはぁはぁ。間に・・・合った・・・。」
「だな・・・。死ぬかと思った。」
俺らはチャイム寸前で息を切らせながら教室に入ると背中を何者かに叩かれた。
「ぎりぎり遅刻だ。」
「訂正。怖い女の人に叩かれた。」
「誰が怖いだ。綺麗なお姉さんと言え。」
「いや、年齢的にお姉さんはやばいんじゃ・・・。」
「何がやばいだ。私は24だぞ。ほらぴちぴちのお姉さんじゃ無いか。」
「ええ!!さんzy・・・。ゴクリ。」
「それ以上言ったら・・・。殺す(ニコリ)」
なんともまぁ、良い笑顔だ事で。
俺は死にたくないから素直に従うことにした。
「はい。」
「まぁいい。これからは気をつけるように。それとお前しか立ってないんだからとっとと席に着け。」
あれ?
「光は?」
「あそこだぞ。」
えーと・・・・!
あの野郎!俺を囮にしやがって席つきやがったな!後で覚えてろよ。
俺は、こっちに向かって手のひらのしわとしわを合わせてる野郎の顔を頭にインプットするとおとなしく席に着いた。
程なくして先生の話が始まった。
「まず初めに入学おめでとう。だがこれからが大変だ。何故ならみっちりとこの私が絞るからな。
さて、自己紹介をすると、私は魅風 耀子だ。趣味は十を持つこと。よろしくな。それではこれからの動きを説明する。皆きちんと聞くように。
まずお前らも知っての通りこの一週間はASに慣れて貰うために其れについての授業を行う。だが一週間のうちに防犯訓練が行われる。各自この授業中に支給されて欲しい装備を登録しろ。尚、始まった際にその装備がとれるとはおもは無いことだ。
最後に勝敗についてだが学年を分けたクラス連合対抗で行われるが片方のチームが全滅あるいは、二日間終了の後人数が多い方が勝利とする。
あともうひとつ戦闘中本部となる場所は地図により記されているから各自説明の時に渡された地図を確認しておくように。
今ので以上だが、何か質問があったら行ってくれ」
先生の話が終わると皆仲良くなったクラスメイトが居るんだろう。口々にこれからの学園生活や女を口説き始めようとしていた。
まだ、話は終わってに無いのに、というか皆気にならないのか?
俺は気になったことがあったから手を上げて質問した。
「何だ、一ノ宮。」
「あのー。死亡扱いになった人や戦闘中の飯はどうなってるんですか?」
「良い質問だ。・・・。」
ん?今何で周囲を見渡したんだ。
「くくっ。楽しみだ。」
「急にどうしました?気味悪いっすよ。」
「黙れ。こほんっ。その質問だが死亡者には昼間はホールにチームごとに集まってもらいそこで配給される飯を食べて貰う。その後夜は各自寮に戻り就寝。其れを繰り返す。
生存者に関しては飯はあらかじめ配給されているため其れを合間に食して貰う。就寝は各自自由だ。
これでいいか?」
-「・・・はい。」
「なんだその間は。」
「いや、それじゃあ生存者と死亡者だと死亡者の方が扱い良くないですか?」
「ああ。其れが何だ?」
「妙にはっきり言いますね。」
「妙も何もそうなんだから、そう言うしかないだろ。違うか?」
「いえ、その通りです。」
「ならば良し。他にはあるか?・・・ないようだな。では解散!次の需授業までは好きにしろ!じゃあな!」
そう言うと俺達を残して先生は去って行った。
はぁ、このシステムはおかしくねえか?この学園は優秀なAS使いを生み出すためにあるのにこんなの生存者から不満が出るのは当たり前だぞ。
「おっす!拓!」
ふっ、其れよりも重要なことがあったな。
「てめえ光!お前良くも俺をデコイに使いやがったな!!」
「良いじゃんかよ、相棒。許せ!」
「はぁ、戦場では俺がデコイにしてやっからな。」
「へへ。それよかお前何で先生と仲よさそうなんだ?」
「ああ。其れはな――」
俺は光に説明会の時も話を語った。
「へー。此所がAS学園かぁ。ていうか広!!」
俺が目の前に広がる学園の広さに驚いていた。
無論、射撃場があるがそれにしても公立の高校よりは広いんじゃねえか?
さて、俺は迷子にならずにすむかな?
何でこんな心配をするかというと、俺には新しい場所に来ると探索する癖があるのだ。だから帰り道が分らなくなって迷子になることが多々ある。だがあえて言おう!決して方向音痴では無いと!
「さてと、会場会場っと・・・。ここからどう行けば良いんだっけ?」
やべえ!言った側から迷子になっちまった!くそ!どこか先生はっと・・・。居た!!
俺はやっとの事で先生を見つけた為が笑顔で見た目が黒髪を腰まで伸ばしてる先生のところに向かっていった。
「其処の先生!!」
「あん?」
「何でも無いです。」
さて、探すとするか。
「おい、待て。」
まじめに探そうと移動しようとしたら、背中のエリを捕まれた。
「待ってください!!俺今日は移動用のお金しか持ってきてないんです!!では!」
ぐいっ
「ぐへ!」
「だから待てと言っているだろうが。はぁ、何故逃げるんだ?」
「あんたが怖いから・・・。」
「何だって?」(威圧)
「いやぁ・・・。綺麗なおばさんだと・・・。」
「ああん?」(威圧強)
「美人なお姉さんだから緊張しちゃって!」
「そうか、美人か。それなら逃げたことを許してやろう。」
はぁ、助かった・・・。
「それで、見たところこの学園の生徒ではなさそうだが・・・。」
「あ、今度入学するものです!」
「ほう、見せろ。」
「何をですか?」
「お前の入学証明書だ。持ってるんだろう?」
俺は言われるがまま、今日持ってきた入学証明書をこの先生に渡した。
「ほうほう。お前の言ってることはほんとらしいな。疑って悪かった。行って良いぞ。」
助かったぁ。あれ?そういえば何しに話しかけたんだっけ・・・?
「あ!」
「どうした!?」
当初の目的を思い出した俺は目的を話すことにした。
「あのー、迷子になったので会場教えてくれませんか?」
「こうして知り合ったわけ。」
「なるほどな。つまりお前のデリカシーなさは筋金入りだって事だな。」
「何言ってんだよ。俺は女の子のことを敬っているからそんなことはない。」
「はぁ、さっきの見せられた後じゃねぇ・・・。」
「それより設定もうすましたのか?もうすぐ授業が始まるぞ。」
「やべ!早く設定しようっと!」
俺も最終確認っと。
まず、主兵装はアサルトライフルっと、副にハンドガン。銃は選べないから何か適当なのが支給されるんだろう。
グレネードとかは良いかな。あ、スモーク一つ入れとかなくちゃ。
うん、THE平均って感じだな。
「なぁ参考程度で良いから聞かせてくれよ。どんな設定にしたんだ?」
光の奴が聞いてきたから今確認した装備を教えてやった。
「うわ!つまんねえ装備!参考になんねえから今のまんまでよしっと」
むかっ
「うるせえな。そういうお前はどんな装備にしたんだよ。」
「へへぇ!聞いて驚くなよ!」
そう言うと、手元にあるモニターを俺に見えるように広げて自慢げに見せてきた。
「まず、アサルトライフルにハンドガンそれにグレネードだ!」
「俺と変わんねえじゃねえかよ!!」
「うるせ!仕方ねえだろ!初期ポイントがゼロなんだから。」
まぁ、そうなんだよな。
この学校は独自の学校だから、優秀な生徒ははじめっから優遇される。そのためのシステムとして入学試験のテストが良いものはポイントがもらえて今回のポイントで自分風雨にカスタマイズできるはず。
「でも、其れを防ぐために開始と同時に武器は集められてるボックスから各自好きなのをとっても良いことになってるけど・・・。」
「実際実力有るから関係ないんだけどね。」
俺らはお互いに方をすくめ会いながら向き合うと、腕を合わせた。
「取りあえずお互いに協力し合おうぜ。光。」
「ああ。拓!」
こうして俺は仲間をえることが出来た訳だが、そのまんま次の外での授業が体育だと言うことで俺は外に出て準備してると、周りの男子の顔が一定の方向を見始めた。
何で皆向こう向いてんだ?
その顔の中に光を見つけた俺は興味心で声を掛けることにした。
「なぁ、何で民編む光を向いてるんだ?」
「お前は馬鹿か!ほら、向こうを向いてみろよ。」
言われるがまま見ると、
女が居るな。
「それで?」
「お前の目は節穴ですか?ほら何かあるだろ。」
「はぁ。」
さて・・・。何か変わった様子わっと・・・!
「胸が・・・大きい・・・いてっ!」
「確かに其れもあるが、顔見ろ顔!」
「顔?ああ、美人だな。」
「ああ、美人だなって。こりゃあ女教師に非はねえな。
あのなぁ。あの子は成績優秀で美人と来た!こんなの見ずにはいられねえだろ。」
「なるほどね。」
「それだけ?」
「ああ。」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
「何でそんな深いため息吐くんだよ。」
「何でも無い。其れよりも目の補よおっと。」
何なんだ?俺は一体何を間違ったんだ?
そんなこんなしてると、女子達はどこかに連れて行かれて行った。
「あ!拓!いっちまったよ!」
「へいへい。ほら補よおなら先生が居るだろ。」
「あんなおば・・・。」
「何か言ったか?馬鹿ども。」
「いえ・・・。何も言ってないです。お姉様。」
「よろしい。」
こええ!
目の前にはニッコリと笑った担任が立っていた。
「お前ら集まれ!これから授業を行うがお前ら男子は人数の都合上二クラス合同で行う!」
だから見ない顔も居るんだな。取りあえず警戒はしとくか。
「今回の内容を言う前に、此所にボックスがある。此所に各自が選んだ兵装が入ってる。万が一合図があった場合好きな武器を持って行ってくれ。いいか?好きな武器だからな?
さて、今回は走り込みをして貰う!皆準備を始めろ分ったな!!」
「「はい!!」」
俺達は元気よく、それぞれの持ち場に移動して走る準備をした。
いや違うな。死にものぐるいで走るための準備だったな・・・。
ぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!
「合図だ!!はじめ!!」
先生の声が聞こえる。そして、銃声も。
「うわあああああああああああああ!!何で俺らが走ってるときになるんだよ!!めっちゃ距離有るじゃん!てか皆適当に撃ち過ぎ!!FFがアブねえって!!」
「知るか!!其れよりも拓さんよ。分ってるな。」
「ああ。武器とったら教室に集合!だな!」
「そうだ!!行くぞ!!」
「おう!!おらあああああああああああああ!!」
「ちょ拓そっち方向違う!!くそ!!死ぬんじゃねえぞ!!」
俺はボックスと反対方向に走って逃げた。