表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の部屋には座敷わらしが住んでいる  作者: 峠のシェルパ
第二章 夜の静寂に火花も舞う
25/75

禁断と油断

様々なやること山積していたので更新遅れた上ご容赦下さい

 時間にして現時刻は9時半を回ったらところである、開かずの間レイピアの占領統治下にある和室の暗がりから彼女が持ち出したのはレイピアの腕のよりもっと長い紺色の布にくるまれたものだった。


「形でなんとなく分かっちゃう気はするんだけど涼くんにquestion!! 私が手にしているものは一体なんでしょうーーか!?」

これがレイピアが昼間ガード下で見せた姿に繋がるものなのかな?

それこそほんの一瞬だったし僕も正確に覚えているかと聞かれたらあまり自信がないけどそれが僕にとって衝撃的だったことは覚えている、

そう言えば今更ながら気がついたことがあるのだけれど、僕さっきまでD51と殴り合いの喧嘩をしてたはずで立つのもやっとな位には疲労困憊だったはずなんだけど、

いつの間にかレイピアの話を聞ける位には元気になっているのはあまりに不自然な気がする。

とは言うもののD51のアレを真似っこしておいて今更ながら不自然も何も無いか…

「長細いものみたいだから…何だろう、海苔巻きかな?」

ここで僕は一回ボケておこうと画策してみた、何故かって…レイピアが予想以上に気負って見えたからだ。

気負ってしまうことは自由だし無責任なのも困るとしても背負うものが大きすぎで自分で潰されてしまうほどの重さを背中やら腕やらに抱え込む必要はない、重荷は自分がお手玉出来る位で良いのだという僕の持論ね


「海苔巻き…そんなボケを重ねてくるなんて思わなかったよ…これは実は…カステラが入ってるんだ!!

秘蔵のお菓子、その名も三時のおやつは文明」「それ以上はいけないよレイピア!! となりの都から怒られる!!」

それはそれとしてレイピアの質問に真面目に答えていくとしよう、レイピアがそんなに大切にしまっておくもの?

何それよくわかんない、家出するときにそんな嵩張りそうなものを持ってくるものなのだろうか。


「うーん、食べ物というボケを続けるわけにもいかないのでそろそろ真面目に考察したいところだけど包の中身が何か危ないものだったりはしないよね?」


僕の小動物的小心者の勘が何か自分の目の前にあるモノが危ないと言っている、布に包まれていながらもそれは異様な存在感を持っていた、少女が家でのときに持ち歩くような手軽さは無い、レイピアに持っていいかなと聞いてみた所「それはあんまりお勧めしないな~」

とのことなので目の前にある布の怪しさとレイピアの笑みの不自然さが僕のなかで増したのだった。 

触ると危ないとかなにそれこわい…

「僕がさわって危ないけどレイピアが触っても平気って…もしかして素人は扱えないもの?」

なんだろ、武器とか…? 

「孫悟空がこう…振り回してそうなやつ何だっけ?」「如意棒?」

「そう! それそれ、勝手に伸びて危ないとかじゃないの?」


レイピアは微妙な顔をして「当たらずとも遠からず」なんて遠回しな反応しかしなかったし、悟っている様な遠い目をしているのがなんだか釈然としないけど如意棒…武器として使うものとか回すものか…バトンとか小学校のときに女の子がやってた記憶が無いでもない。

とは言うものの僕はインドアを装った様なアウトドア派で一人のんびりと考え事しながら無心で学校内を歩いてたりしてたのだが遊びに誘われた時には球技もそれなりに楽しんでたけどとにかくぼーっとしてるのが好きだったなぁ…なんでかは分からないけど


「涼くぅーん、大丈夫かい?」

回顧する程前の事でもないのに少しばかり懐かしいと思ってしまった、昔を懐かしんで美化してしまうのは人生に疲れている証拠かな?

色々考えることもあるし別に急激に眠気が襲って来るなんて事何処かの女の子じゃあるまいし大丈夫だよ。


「うん平気だよ、体力には自信があるからね」

それにしたってあれだけの負荷をD51によって受けているのだからこの体力の回復のしようは明らかに変だけど。


「ふーん、中学校のころ部活とかで鍛えてたのかな?

バスケットとかーサッカーとかー、体力勝負の競技って後は陸上競技とかテニス?」


部活とかには入ってなかったかな…だけど個人的に鍛えられたんだよね…思い出したくないなぁ、思い出はいつの間にか美化されていってしまうものだけれどあの思い出はどうにもならんのである。

「いやいや、そんなことは無いんだけど僕は単なる…しがない…あれは何部だったんだろうな…娯楽部?」


レイピアはまるでそういう経験がないのか興味津々とした様子で部活動について聞いてきた、

彼女らしいワクワクとした表情で、はぁ…やはり何かを思い詰めている時よりも何かに期待している表情の方が可愛らしいに決まっている。


部活動なんてさせてもらえなくて、同級生とあの時期の独特な酸っぱくて苦いどうしようもなく振り返ると楽しいのを体験していないのだと少し悲しく思える。


「そしたらレイピア、どこかで入ろうっていう部活あるの?」


僕らがこれから入ろうとする学校は部活動の方は自由奔放みたいなので参加は自由だし、中・高・大一貫なので10年間先輩・後輩の関係が出きるとか言ってたし部活動の乱立はある程度容認されている。


「あー、考えて無かったなぁ…こうなること(家出)自体考えてなかったしほんとに…って涼くん、私の質問に答えてくれないと私の立ち位置が謎の超美少女のままでもう半年くらい立っちゃうから早く次にいこう!次に!next!」


謎の超美少女って自分で言うのは相当自信があるか自惚れてる人を位だよ、あんまり自画自賛過ぎるのも良くないよレイピア。

「あ…レイピアか…」

僕が彼女の名前を考え事をしながら呟いたのはレイピアが出題した問題に対して答えを導きだしたからである。


「うん? 私はレイピアだよ、涼くんの寮室にお世話になっているプリンとイチゴ牛乳の両方が冷蔵庫に常備してあるとテンションマックスになったりするレイピアだよ?」


冷蔵庫の中甘いよレイピア、日頃そんな食生活をしていたら糖尿病になりそうな甘さだよねそれ!!

と僕は決してレイピアが言った二品目を普段は決して買い与えない事を心に決めたのだった。


「レイピアの甘いもの好きの話は置いておいて、僕がしたかった話の続きをすると、その布の中身の話なんだけどさ引っ掛かってたんだよ、❬名前❭のことをね…

レイピアだなんて最初はフィーリングで語感から決めたのかと思ったけど、話していくうちに色々知識が豊富な君のことだから言葉の意味も理解した上でレイピアと名乗ったんじゃないかって、

そう考えるとその長い紺色の巾着に入っているのは…

剣とか刀とかそんなものだったりするかな?」


レイピアは細剣で主に近距離の突き攻撃を主体とする剣である。

また、諸刃の剣との意味合いもあるのだがレイピアが持ってきた巾着の大きさからするとレイピアにとって諸刃の剣的な物が入っているのかもしれない…

けど、僕が導き出せたのはこのくらいだ、レイピアが違うと言えば僕としてはお手上げである…果たして判定はいかに?


「わ…まさか…当てるなんて思ってなかったよ…」

驚く彼女の顔は何か踏ん切りを着けたか表情がコロコロと変わる我が部屋の居候さん「レイピア」だがゆっくりと明るい顔から、真剣な顔に変わっていく…。


「そうだね、此処で私はホントは話しちゃいけない「ひ・み・つ」の話なわけだけど涼くんには知ってほしいと思うし結局知る所となってギクシャクしちゃうよりかは正直に答えてしまわないといけないかなって」


紺の巾着袋を縛っていた細い朱色の紐を解きながらレイピアは続ける、

女の子がヒミツっていうのちょっとドキッとするよね?

「秘密…か僕はあんまり秘密の話はしないからね、正直に真っ当にお天道様と向き合いながら生きていきたいよ」


嘘なんてつかないし付きたくない、自分にはそれを抱えて生きていけるだけの図太さとか図々しさは持ち合わせていないからなのだが人が言う「優しい嘘」って僕には良く分からない。


「正直な人も時には残酷なことを自覚なく言ってたりするから気をつけないとね~

それでこのなかにはいっていったものなのだけど」


レイピアが巾着袋から取り出したモノは確かにこれは持っていることを隠さなくちゃいけないよねって思うよ、だってこれどこからどう見ても日本刀だもん。

黒く伸びた鞘は部屋に影を伸ばしてどこか不気味に伸びている、暗い青の装飾をされた鍔と柄をレイピアは下から持ち上げるがレイピアとその日本刀を比べるとかなり日本刀の刀身が長いことに気付いた。

感想から先に言わせてもらうと今始めてそれを見たが模造刀だったりレイピアが冗談を言っておるようには思えず、恐らくこれは…


「うん、残念だけど真剣だよ。

と言ってもこの刀の説明とか色々しなくちゃいけないんだけど涼くん…

正直に言ってほしんだ、この際だからきっぱりと涼くんの意見を聞かせて欲しい、こんな家出少女は不気味か、否か…」

              「嘘…つかないでね?」


今度こそ冗談を言っている様には聞こえない。

レイピアは特別悪気とか感情を込めて言ったわけではないのだろうけれど僕にはレイピアの言葉が重くのしかかるのだった。

どうすればいいんだよ、この二択!!

女の子の「今日のご飯何が食べたい?」とか「何処行きたい?」みたいな質問と一緒だよこれ、

どんな回答をしてもギルティなあれだよね…? 不機嫌になって拗ねるってオチなのではないだろうかと

少しだけ考えたけれどそんな冗談を飛ばせる雰囲気ではない事は分かる、

空気の読めない男というのは嫌われるしか能がないからね、そんな人には僕はなりたくないよ。


とは言っても確かに日本刀を持った少女が居候をしているというのは怖いなー、何か不機嫌になったらその鞘を抜いて振り回すとか…レイピアに限ってそんなことはしないと思いたいな…

それに少しだけ不安そうに見つめるレイピアに対して僕が今更非情なことを言えるわけがないじゃないか、中途半端に未練を残すとか文句を言うのはもうナシにしなくちゃいけないよな…


僕は静かに立ち上がってレイピアの目を見ながらゆっくりとその口を開く、


「僕は君が別に日本刀を持っていようが拳銃を持っていたとしても関係ないよ、君は家出をしていて僕の部屋で居候をしている、加えて部屋代を払ってもらっているんだから追い出す理由にそれは該当しない。

銃刀法に則ってそれを持ち歩いてる人はちゃんとその怖さとか分かってるからね、それに仕舞っておいたってことは使う気無いんだよね?

それなら…僕は君を怖いとも思わないし不気味なんて思わない、それにさ、レイピアを助けることになるのかは分からないけど僕は一息つける場所に誰か一緒に居てくれるっていうのは何かといいものだと思う、

どんな形の高校生活になるかは分からないけどどうかよろしくね。」


人に手を差し伸べることは簡単にできるけど依存や増長をさせないようにしなくてはならないと言うのはレイピアの言っていた通りだ、片方が寄りかかって負担になってはならない。

しかし、レイピアの家の事とかあるからこの先の学校生活がどうなるか分からない、

もしかしたらこの不思議で捻れた二人の間は明日には崩れてしまうのかもしれない、そんな不安定な関係だけど僕としてはそれを自分から壊すつもりは無いのだ。

情けは人のためにならずって言うし、レイピアを匿っていることが果たして良いことなのかとD51にも言われたけれど本人達で完結していれば別に当人達の問題なので良いわけで…


「うん…涼くん、素直に嬉しいです。」


レイピアの敬語と言うのもこの先段々珍しくなっていくのだがそれは僕との距離が縮まっているからだと僕は思いたい、

かしこまる必要は無かったのかもしれないけれど僕らは改めてお互いの手を握って友好の証としたのだった。

「これからもよろしくねレイピア…」

ここに第一次レイピア・北村協定が受諾され改めて部屋の使い方や起床時間、家事分担などが決められていくのであった。

さて、それだけで今回の話が終わるのはまだ早いので少しだけまだ話しをしよう、


「それでその日本刀には何かD51のような力ないし呪いとかがあったりするの?」


(八話周辺を参照)昼間あのガード下で見せた刹那の姿は僕の見間違いでなければレイピアに何かしらの特殊な力がある事を表しているのではと僕は思っている、レイピアを匿う上でその手のことに巻き込まれないという可能性はもうD51の件で無くなってしまったけれど、僕も部外者ではいられないのだから知っておかなくてはいけないことはきちんと情報として持っておきたい。


「なんだ~そこまで分かっちゃうのか~、せっかく次回くらいまで取っておこうと思ってたのにさぁ…

涼くんにはこの事を隠しておこうと思っていたのに」

「そんなこと言われたって昼間のレイピアの姿は忘れようとしてもそう簡単には忘れられないよ」

「う…そんな言い方は色々含みを持ってるからずるいよ、不安になるじゃん…。」

いい意味でも悪い意味でも、と僕はココロの中で付け加えた。

その時のレイピアの姿が碧い炎のドレスでも着たようで溜め息が出るほど儚げであったと同時にこの世のものとは思えない恐ろしさを兼ねていたからである。

少し頬を赤らめ僕の視線から目を逸らすレイピア、うーん、拗ねてしまったかな?

「私も子供じゃないんだからすねて機嫌悪くなったりなんかしないからね!!」

心を読まれた!?


「涼くんて自分のことあんまり顔に表情が出ないとか思っているならその考えは此処で正しておかないと駄目だね、少なくともポーカーフェイスと涼くんを呼ぶには程遠いからね」

そんなことはないと思うんだけどなぁ、僕ほど感情を口に出さない人間というのも珍しいと思うんだけれど…

まさか口に出さないだけで顔にはずっと出ていたのか…!

不幸にも事実を突きつけられると人というのはそこから逃避行をしたくなるものである、

「うぇ、その感じは本当か…」

「本当ついでにこの刀「藍斬」について説明しようと思うんだけど…」

そう言うとレイピアは日本刀に手を伸ばしその鞘の中身を取り出したのである、

「一回斬られてみよっか?」


突然の死刑宣告に戸惑う暇もなく僕は居候三杯目にはそっと出しなんて遠慮は微塵も感じない殺意でもって

思考を停止した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ