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僕の部屋には座敷わらしが住んでいる  作者: 峠のシェルパ
第一章 座敷わらしと寮室争奪戦!?
11/75

マスターその2!!

因みにマスターはまだ出てきません

あしからず


僕らはレイピアの提案によっておやつを食べに行くことにした。

ここで話していても感情ばかりが先行してしまうし、確かに行きがけに食べてきたおそばだけでは些か足りない気もしてたところだし丁度小腹がすいた所ということもある、


「行きつけっていうのかなー? 最近はよく行ってるね

ほら、一日中家に居ても仕方ないからね! 私は行動派引きこもりだから!!」


と言葉の意味を考えたら決して鼻高々には言えない事を言っているなぁなんて考えながらも

僕はこの付近を全く散策したことがないのでナビゲーションは彼女におまかせをするしか無いだろうから

僕は付いて行くしか無いのだがそれだけではつまらない、外の道を覚えながらも

女子高生(一般的な)のおやつに食べに行くものを頭のなかで妄想してみる、

レイピアの好きなモノかぁ…人の食事の好みとかあまり考えてきたことがなかったので僕にとっては新鮮な思考だ。


「レイピアって何か好きな食べ物とかって有るの?」

ものは試しだ聞いてみるとしよう、とは言えまだ管理人室前なのだが…話すネタとしては簡単に話題がふっかけられてしかも知識さえ持っていたのならその食事の豆知識だったり日本に伝わった経緯など様々な話をする事が出来るから上手いこと話を発展させられるかはその人の裁量次第ということになる


「食べ物ならなんでも食べるよ? 満足に食べ物が食べられるなんて幸せなことだもん、

あんまり味ばっかり大味だったり食べられないくらい濃い味付けのものなんてのは流石に無理だけど」


果たして学校に余り行かなかった彼女が家にいてばかりだったかどうかは聞いてみないと分からないが

食事は満足にとっていたのには安心した。

けれどそれにしたって年齢の割には幼く見えませんかレイピア?

食事まで満足に与えられてないからこころも身体も未発達だったりするのではとちょっと僕は疑っている。


そんなことは勿論面と向かってレイピアに対して聞く勇気は無いけれど、寮の階段を下りて行く小さな背中をみて

せめて人並みにはいい関係を築ければなと思うのだ。


 「ん? 久方ぶり…ではないな先程ぶりになるのか北村よ」

一応の外出を伝えておこうと思ってマリアさんの居るべき管理人室に来てみれば…マリアさんが随分とまた不健康そうに痩せ細り背まで延びているのだけれど…あれ? 隈までできているけれどどうかした?


「ちょっと待てぃ、我だぞ?」

なんだか一人称まで昔風になっちゃって…! 中学生特有の病の臭いがするね

そう言えばそんな人をどこかで見たような気がするなぁ、どこだったかなぁ?

「あれ? マリアさんいつの間にイメチェンしたんですか」

そんな男の人を見たような…?

詳しくは活動報告や僕とな三話辺りを見返してみよう!

「決して我は小谷荘の管理人や寮母等ではない第一

あの者は女性であろう!?」

何だろうこのままいじり倒してみようかな?

なんて少し邪な考えが起きたりするのだけれど

外でレイピア待たせてるからもうそろそろ用件だけ言って合流しようかな?

「あれ? マリアは? もしかして暇でまた映画のDVDでも借りに行ったの?」

用事は大したこと無いのに戻ってこないことに痺れを切らしたのかそんなに時間は経っていないけれどレイピアが待っていた寮の玄関からやって来た。

「マリア嬢なら学校に呼ばれているぞ? 寮生もかなり多いからな、確認やらあるのだろう。」

ふーんと興味無さげにレイピアと同時に反応しておく

「それで微風さんはお留守番にされてしまったと…

でもさっき待ち人が有るから出掛けるんじゃなかったの?」


確かに僕は出掛けようと寮室を出ようとする暑そうな微風に出会ったのだから今頃は人と会っているのではと思っていたのだけれど


「あぁ、それな待ち人がこの寮にて待ち合わせをしていたのだが約束の刻限を回っても見る影もない、そこで奴に電話を掛けたのだ…そうしたらば…」「そうしたらば?」「あやつめ学校に用事があるからと出掛けていたのをそこで爆睡しておったのよ…!」

「な、なんだってぇーー!?」

「お、おう…そこまでの反応は求めておらんから…しなくてよいぞ?」

「はーい」と生返事をしておいて出掛けて間もないと思われるマリアさんを待つわけにもいかず、言伝てとメモ書きを目立つところに張り付けておいた。


「マリア殿のことだ、消灯時間以内に帰ってくれば別段何も言わないだろう。

それとなんだ? 北村は座敷わらしと仲が良かったのか?」

いやいや、今日はじめて会ったよ!同棲する予定だよ!

なんて口が裂けても言えないので

「噂は聞いてたよ! 遭遇したのは初めてだけど!

色々話してくうちに意気投合しちゃってさ、 「これからお茶でもどう?」なんて半ばナンパみたいなことしたらなんとokもらっちゃったのさ!」

と少々わざとらしく言うと微風は

「そうかぁ、北村は意外とやり手なのだな…なるほど

よくわかった、ところでなんだが先程の通称座敷わらしとされている少女、我も何度か目撃した事はあるのだが…

今さっき、北村と座敷わらし…二階から共に降りてこなかったか?」


背中を追いかけてくる微風の言葉に一瞬ドキッとしたけど

そこは素早く振り替えって

「気のせいじゃない? まさか僕の使う予定の部屋にたまたま座敷わらしの少女が居たなんて考えられないでしょ? 大丈夫大丈夫!! ちょっと出かけてくるだけですからーーー!!」


と元気良く言いつつも微風はこのあと元気なお転婆さんレイピア(座敷童ちゃん)と妙に人生を達観した高校生男子北村涼ことぼくたちを見ることは無かった…。


と言っても今日はこの後微風に出会うことがなかっただけだし、結局のところ彼が今日待ちぼうけを食らっていた恐らく同級生と出会えたかは僕達の知るところではない…


 「ここら一帯は全く土地勘とか無いからわかんないなぁ」

僕一人だけ異世界にでも迷い込んでいきたかのような奇妙な感覚に陥っているのだが

一方でレイピアは小慣れた様子でどんどんと進んでゆく、

「そうなの? 寮の近くを走ってる電車もあんまり有名じゃないけど実は結構遠くまで走ってるらしいんだけれど、たまにおじさんとか線路の側で一丸になってるレンズを構えてるよ?」

それはレイピア一眼レフのカメラを構えた人って事が言いたかったのかな?

相も変わらずに空は乳白色で風は穏やかに流れている

僕らは寮に来る際僕一人で通ってきた道の少し向こうを歩いているようだ。

「それにしてもまさか涼くん「お試し期間だ!!」なんていってくるとはね~

良い選択肢、カードを切ってきたよ! 相手の進退を封じるんじゃなくて妥協できる点を考慮に入れて来るとは思っても見なかった!! いやぁ~完敗完敗!」

僕の三歩か五歩くらい先を行くレイピアは楽しげにくるくると前を見て歩かないと危ないのに…

せめてもの救いはそこが歩道の端で行われていることかな?


「レイピア危ないよ? そんなに後ろ向きで歩いてちゃ、

余所見してる自転車とか来たらどうするの?」

外出を喜ぶ子供じゃないのだからそんなにはしゃがなくても…


「良いの良いの! せっかくのお出掛けなんだから、羽の一本や二本伸ばしたって鳥はいざというときには飛べるでしょ?」


それは話が違う気がするけれどレイピアも気を全部緩めている訳じゃないのかな?


「それに、いざとなったら涼くんがバシッと男前に私の事助けてくれるんでしょ?」

その場で半回転して後ろ向きになると僕の目をじっと見透かすような目をして少しの間見つめてくるだった。

「目は口ほどにものを言う」とは良く言ったもので口で嘘八百が吐けるけれど(僕は疑っている口下手な為にこちらがまず難しい)

目は洞察力に長ける人ならば大抵の嘘は見破れてしまうという

僕は疑われていないのか…

そう思うと少しだけ自信が持てた気がした。

住宅街の細めの路地から一般道路位に僕らが歩く道が広がったのは少ししてから

「ねぇねぇ涼くん!!」

すぐ奥は鉄道のガード下やけに足音が大きく聞こえると思ったらなるほどね…

忙しそうに走る自動車の爆音に負けないようレイピアが声を張り上げる


「どうしたのーー? こんなところでわざわざ話すことがあるのーー?!」

こちらも大きな声を出さなきゃいけないのが少しばかり面倒だな


「うーんとねぇー! 涼くんってー! 人と違うってことは怖いーー?!」

なんでレイピアはここでそんなことを言い始めたのだろうか

少し疑問だったけれど僕はその質問を歩きながら吟味する

「人と違うのは怖いか?」 だって?

僕のなかでの答えは少しだけ違うのだけれどどうだろう、

レイピアの事を考えると持論を少し改編するのが一番の正解なのかとしれない


「怖い? 怖くなんかないよだってさ、おんなじにんげんが生まれる確率なんて計算してみたら何十兆分の一とかなんでしょ?

ならさ! 同じにして一緒にしちゃおうとする方が僕は怖い!

平均とかであろうとするのは僕らの弱点何だろうけど(僕にとっては耳が痛いけど)違うことは怖くないよ!

むしろ違うことが分からない方が怖い!」


最初から最後まで自分の意見を言いきるならばレイピアの反応は違っていたのかもしれないけれど、これも計算のうちである


「分かった、ならいいの! 聞いてみただけ、聞いてみただけだから気にしないで? べつに明日になって私が首を括っててもわたしは「涼くんは全くもって本件とは無関係です! ただの私の愛人です!」って証言台に化けてでてあげるから!」

待って待って、突っ込みどころ満載の上に発想が恐ろしいんだけどなにこの子怖い!

「レイピア、頼むから僕は実を言うとオカルト関係は嫌いなんだ…それとななめ45°の発想は無しね、僕が突っ込みのし過ぎで過労死しそうになるからさ」  

実際に過労死してレイピアの枕元に立つ自信さえある

これではレイピアと似たような発想になってしまうのでこれからは止めておこう


「涼くん…少しだけ今のレイピアさんには勇気が要ることが有ったり無かったりします…

涼くんが少しだけそれを持っているのなら、分けてくれたりするのかな?」

問いの意図は掴めないけれど僕に出来ることなら喜んで

と言わんばかりに僕はレイピアにハイタッチを要求する、

少し楽しそうなレイピアと僕は薄暗がりのなかで小気味良い音をパンッ! と響かせたのだった…。

果してレイピアに僕の恐らく矮小な勇気がつたわったところで…とは思わないようにする。


さて、

ガードの下を抜けるとその先に信号が待っている、そこまで大きな道との交差点でもないから道沿いには左右の確認を怠らなければ問題ないだろう、道沿いにいかないなら比較的交通量の多いこの道を横切らなければならないのできちんと信号を見なくては危険極まりないのだ。


「あ、ごめんごめんこの先こっち側に行かなくちゃいけないんだった!」

今までゆったりのんびりしていたレイピアの歩みが横断する歩道の信号を見た途端に急に駆け足になったのだ。

「え? ちょっと? レイピア?!」

予想から外れたレイピアの行動に思考は追い付いても体がついて行かずなんとも格好がつかないし、横断歩道までたどり着いたときには青の信号が点滅を始めていたのでレイピアを追うことが出来ずにその場で文字通り足踏みすることになってしまう

「ごめんねー!ちょっと待っててー!」

僕が不満を言う前にレイピアからそんなことを言われ、加えて車の往来も始まってしまったのでなんとも言えなかった。 


しばらく待っていなきゃ…

そう思ったのはつかの間だった。

レイピアは待つ時間が惜しいのか道を元々間違えていたのかは分からないけれど何を思ったのか踵を返してガード下の暗がりに消えていくではないか!?

横断歩道の信号が変わるまで待ってそこから追いかけようとも思った、

けれどもしかしたら今来た道の手前の横断歩道に案内させようとしているのかもしれない…?

「なんでそっちにいくのさあの娘は!!」

レイピアを上手く見失わぬ様に確認しながら彼女を目で追う、

僕は少しだけ焦っているけれどレイピアは平然と歩みを止めない。

結局レイピアが止まったのはガード下の中ではかなり暗がりに位置する場所で車がひっきりなしに行き交うお陰でほとんど姿が見えなくなっていた。


「レイピアーーなんでこんなところに?」

僕が声を掛けると「聞こえてるよー」と帰ってきた。

こちらに手まで大きく振っていたと思うと僕を見つめ返してる…気がするのは意識過剰だろうか?

レイピアの姿もスピードを出す車の姿に重なって見えなくなることの方が多いのだが、レイピアは一体ここに何をしに戻ってきたのだろうか?

疑問が浮かんだところで変化は起きた。

それまでは風通しが良くて光が入ってこないのとからひんやりと感じられていたこの場所が突然遠くで火が付いたかのように

じんわりと暖かさを感じる…

暖かくなるものなどないと言うのに一体何があった?

キョロキョロ辺りを見回すがそれらしいものは無し、

あるのは褐色のトンネル内にある水銀灯位なのだが…

しかしなんだって急にこんなことが起きてるんだこんなことは普通じゃない、僕の体調はすこぶる健康で

体温が急に40.0℃になるなんてことは起こりえない

何かの「異常」がこの場で起こっているのか?

頭のなかはまとまらずに何故か視線だけは惹きつけられるように対岸のレイピアに移っている、

僕から見て今までの「異常」はすべてレイピアが原因だったからもしかしたらなんて軽い気持ちで…

それが大いに間違いだったと今となっては半分冗談交じりに言えるけれど

長々と尺を使って物語の冒頭を説明してきたけれどここからが僕のつまらない人生を変える、

ドタバタの始まりとなることをこの時はまだ僕は知らない。

 

 レイピアその名前は両刃の剣 two-edged sword

つまりは諸刃の剣と日本語では訳されることも有る

何でどんな基本的なことを言っているのかって?

そんな情報しか頭に浮かばないほどに僕の思考が殆ど停止してしまったからさ、


自動車が何の気なしに僕とレイピアの間を走り抜けるたびにその姿は遮られるのだが

水銀灯の仄かな明るさとは似つかない、空色の光源

僕には到底理解の追いつかない姿で彼女はそこに立っていた…

頭の先から爪先まで髪の毛の一本一本に至るまで輪郭線が全て吸い込まれそうに綺麗な空の色をしているではないか…

「あのレイピアそれ」

見惚れるような出来事に慌てて言葉に出した時には車の陰に隠れてしまって、またレイピアの姿が見えた時には既にいつものレイピアが此方に大きく手を振っていたし、戻って信号を渡ってきた時には

「道間違えちゃったよーごめんごめん!! それと言い忘れてたけどそのおみせはねぇ季節のメニューが美味しいんだよ!! 別にお店の回し者ってわけじゃないけど美味しいのは確かだから!!

むふふー楽しみ~」

普通のレイピアに戻っていたからさっきに出来事を聞き出す勇気がない僕を不甲斐なく感じたがそれでも

あのレイピアの姿が目に焼き付くには十分に時間だった。

レイピアはやっぱり只者じゃない…僕の中でもやもやしたものがレイピアに対してできたのであった…




題名にあったマスターは影も形もないけどどうしたのって?

ごめんごめん忘れてた、ここのシーンまでつなげようと思ったら意外と話が長くなちゃって!!

次のお話はきっと出てくるから!!それまでは暫くお待ちあれ…。

以下次話に続く!!





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