十一話 リバーシ
今度は何を作っているんですか、とタニアに尋ねられ、エイジは苦笑を漏らした。
家で作業をしていると、なにか新しいものを作っているらしいと考えられるようになっていたからだ。
まったくもってその通りなので、反論の余地はないが、時折それ以外もやっているんですよ、と冗談交じりに答えてみる。
例えば最近では……と考えて、あれ、そういえば本当に商品開発しかしていないことに気付く。
もう少し家のことも考えたほうが良いんだろうか。
いや、大丈夫。
料理の練習も続けているし、スキンシップはとっているはずだ。
ごまかすように咳払いを一つして、エイジは笑みを浮かべた。
今回の開発はタニアにも楽しんでもらえるものだったからだ。
「今日は私が知っている、ちょっとした遊びを再現しようと思いましてね」
「この板と、丸い片面だけが黒く塗りつぶされたチップでですか?」
「リバーシとか、オセ□とか呼ばれるゲームです。実際にやってみてもらったほうが分かりやすいかな」
「私あまり頭良くないし、難しそうならムリですよ。」
「大丈夫ですよ。単純なルールです」
リバーシの盤面は木板で作られていた。
八×八の六四マスに、石が六四枚。
こちらは文字通り石で作られており、膠で黒石と白石が貼り付けられている。
エイジが実際に遊びながら、やり方を教えていく。
同じ色の石で挟んだら裏返すという単純なルールだ。
遊びらしい遊びをしたことのないタニアはふんふんと頷いてやり方を覚えると、すぐにゲームに熱中していった。
そして何度かゲームを続け。
「あぁああ! また負けたー!」
「三十四対三十。ギリギリの戦いでした」
「角ばっかり取るのズルい!」
「いやぁ、そういうゲームなんで」
「ズルいズルい!」
何度も負けて気分を害したのか、子どものように頬をふくらませるタニアの姿を楽しそうに眺めながら、エイジはなだめる。
頭を撫でると邪険そうに振り払われた。
いつもは冷静で大人しい性格なのに、子供っぽくなって可愛いなあ。
実際のリバーシは角を取れるだけで終わらない奥の深いゲームで、中割りや辺取りといった戦法が存在するのだが、絶対に裏返されない『確定石』という考えを理解するには、角を取るのが一番早い。
「今度は私が角を取って勝ちますからね!」
「どうやって取るつもりですか?」
「今考えてます!」
第一手目からムムム、と盤面を睨みつけタニア。
考えているが、左右対称の盤面で、最初の一手は実はどこに打ってもいっさい変わらない。
変化を先に選べるという意味で、リバーシは後手こそが先手、とも言われる。
微笑ましいものを見た気持ちで、エイジは見守る。
こちらの思惑通り、ゲームにハマってくれて良かった。
この調子なら、いくつか作れば村中で流行らせることができるんじゃないかな。
話しぐらいしか遊びのない村に、ちょっとした娯楽をプレゼントする。
喜んでもらえる姿を想像して、エイジは笑みを浮かべた。
適当に石を置き、ゲームを進める。
盤上はほとんど白一色に染まっている。
「また負けたー!」
「もうそろそろ終わりにしません?」
「もう一回、もう一回だけ!」
「これでほんとうに最後ですよ? ずいぶん長くやってるんですから」
「分かったから!」
結局タニアが負け続け、最後にはへそを曲げてしまった。
エイジはある程度の手加減はできても、わざと負けるという接待プレイのできない不器用な男だった。
「また負けたー!」
「次の勝負は明日です。寝ますよ」
「いやだー! もう一回やるの」
「夜の戦いなら何度でもやりますよ」
「えっ!?」
雪が深々と降り続けている。
そんな日は農作業や木こりの仕事もみんな休みだ。
せいぜい雪かきをするぐらいで、屋外で出来る作業は限られている。
村人たちも毛皮の加工品を作る内職に励むか、家の修繕などを行なっているだろう。
村長宅に集まった幹部の面々は、話し合いも終わったあと、机にリバーシの盤を並べ、向かい合うようにして座っていた。
リバーシは瞬く間に村で受け入れられ、遊ばれた。
遊ぶにも物が足りないということで、すぐさま増産体制が取られ、今や一家に一つは盤が用意されている。
石を形よく削り貼り合わせるのは結構な手間なのだが、娯楽に向ける情熱は計り知れない。
それだけ冬場の退屈に堪えていたのだろう。
エイジとマイクは向い合って、ゲームを楽しんでいた。
パッと見、黒番のマイク優勢だ。
八割ほど埋まった盤上は黒で塗りつぶされ、エイジの石はほとんど無い。
マイクが勝利を確信し、優越感を浸らせながら隣に座るジェーンに笑いかける。
でも、終わるまではわからないんですよ。
リバーシは最後の一手ですら大逆転が可能なゲームだ。
慎重に盤上の置けるマスを確認していく。
「いや、たしかに面白いわ」
「そうだね。単純だからすぐ覚えられるし、子供から年配まで出来るからね」
「まったく、俺はこういう知識をもっと早く出せってずっと思ってたんだよ。なあ母ちゃん」
「あんた、自分では考えもつかないのに、偉そうなこというんじゃないよ」
「おいおい、楽しんでるんだから睨むなよ。まあ、これで角は二つ抑えたし、俺の勝ちは確定だな。……てっ、ああ!?」
エイジが石を置いた途端、形勢が逆転していた。
パチ、パチ、パチと石が裏返されていき、しかもそこは再度裏返される状況ではない。
わざと角を取らせたあと、一番外側の『辺』を自分の石にするC打ちと呼ばれる技だ。
マイクの得意げな顔が一瞬にして、悔しそうに歪むのを見て、ジェーンが意地悪く吹き出した。
「あんた、頭悪いんだから最後まで油断したらダメだよ」
「う、うるせえ、これからまた逆転するんだよ!」
「へー、アタシには負けが確定してるような気がするけどねえ」
「まだ、左側は決まってねえ。もう二つの角もとって、逆転だ」
「まあ、せいぜい頑張りな。しっかし、フェルナンド、あんたも強いねえ。さっきから何度やっても勝てないよ」
「たまたまだよ。と言いたいところだけど、何か法則がある気がするんだよな」
フェルナンドが肩をすくめて謙遜する一方、マイクはとうとう敗北必至となって野太い悲鳴を上げる。
うるさい、とゲンコツを振り下ろすジェーンも、すでに負けが確定している。
「そろそろ相手交代しよう。ジェーン、夫婦でどっちが上か思い知らせてやる」
「あんたは狩りの腕と皮の技術以外はテンでダメじゃないの。アタシに勝てると思ってたら痛い目見るよ」
石を回収しながら、ジェーンとマイクが席を移動する。
見ていてもいいし、自分も相手を変えてみようか。
エイジが同じく相手を失ったフェルナンドを見る。
「やりますか?」
「いや、どうも君はゲームを広めただけあって強いようだ。僕は負けが嫌いでね。やめておくよ」
フェルナンドは、このゲームを最も早く、そして深く理解している一人だ。
今のところ負けなしときている。
連勝記録を止めたくないのだろう。
横で観戦している分にも面白いし、他の人が終わるまで待つか。
フィリッポとボーナはお互い完全に無口となって、ゲームに深く集中している。
戦況は五分。ややボーナ優勢か。
ベルナルドとジョルジョは明日は晴れるか、などと世間話をしながら、視線だけは盤上に注がれたまま楽しんでいる。
「よし、じゃあジェーン。俺が勝ったら今日の晩飯は一品増やしてもらうぞ」
「好きにしな。アタシが勝ったら、あんたのおかずを貰うよ」
「望むところだ!」
夕食の一品を賭けて、ますます熱中していく二人。
少しハマり過ぎじゃないだろうか?
そう思ったが、楽しんでいるところに水を差すのも申し訳ない。
だが、村全体を揺るがす事態への第一歩は、確かにこの瞬間に始まっていたのだ。
問題が本格化するのは、それからしばらく後の事だった。
「賭博行為ですか?」
「そうじゃ。最初はその日のおかずや、卵の一つといった可愛らしいものじゃったが、最近ではその量が馬鹿みたいに多くなっておる。個人の問題じゃと放ってもおけんぐらいになってな」
はぁ、と深くため息をついたボーナを前に、エイジもやるせない気持ちになる。
賭博かぁ。
エイジは賭け事をほとんどしたことがない。
大学中も競馬やパチンコと一度二度は試したが、結局ハマらなかった。
麻雀は賭け無しならば楽しんだが、金銭が絡んだりするとすぐに身を引いた。
勝負事は好きだが、熱中しすぎる性格を自覚していたから、身を滅ぼす前に一線を引いていたのだ。
それだけに賭博で大損している人間がいると聞いても、エイジには自己責任じゃないか、としか考えられなかった。
だが、同時にリバーシを紹介し、賭博の土壌を作り上げたという罪悪感がある。
「大損したということは、大儲けしている人がいるわけですよね。誰が勝っているんですか?」
「フェルナンドじゃ」
「村の幹部の一人じゃないですか。……無理やり返させる訳にはいかないんですか?」
「強く言えば聞くじゃろうが、それではしこりが残る。フェルナンドが負けていれば、同じように賭けの対象を払うリスクを負っている訳じゃなからな」
「それはまあ、負けた人間が悪いのは確かですね」
「そこで賭けには賭けということじゃ」
「それで私のところに」
「うむ。お主とフェルナンドはまだ戦ったことがないそうじゃな」
「ええ。前回誘った時は、断られましたから」
「わしでは相手にならんじゃろう。膳立てはする。やってくれるか」
どうも上手く使われているような気がしてならない。
本来、賭けで勝てば、その報酬はエイジのものになるはずだ。
いくら依頼とはいえ、全てを返す必要が本当にあるのだろうか。また、負けた時のリスクはどうなるのか。
このような問題に対しても、ボーナは十分な回答を用意していた。
「負けた時はワシが責任をもって、支払い、その後いっさいの賭けを禁止させよう。エイジが勝てば、一度全てをこちらに渡してもらうが、その分は今後、配給の際に分割して確実に渡るようにする」
あくまで責任をとるのは村長ということか。
それならば勝負をするのも悪くはない。
「分かりました。やりましょう」
「すまんのう、わしがあの時勝っておれば……」
「あんたも勝負したんかい! しかも負けるな」
人生で最も鋭いツッコミだった。
「冗談じゃよ」
年寄りの婆さんの可愛らしいウインクに、もはや文句も言えなくなって、エイジはガクリと肩を落とした。
舞台は村長宅で整えられた。
被害にあった村人や、幹部が家に集い、二人の勝負を観客として見守ることになる。
賭けられた総額を聞くと、自分に責任はないと分かっていても、おもわず緊張してしまう。
村長が事態の収束に動き出すのも仕方がないと思えた。
なにせ、中には一年分のパンを賭けた人間まで出ている。
一体どうやって食事を摂るつもりだったんだろうか?
「エイジさん、大丈夫ですか?」
「けっこう緊張してます。負けるつもりはありませんけど」
「これまで負けなしですもんね」
「タニアさんはだいぶ上手になりましたよね。そろそろ負ける日も近そうです」
「そうだったら本当に良いんですけど」
エイジが椅子に座り、石の数を確認する。
箱に収められた石は確かに三二個ある。
深呼吸を一度、二度。心が落ち着いたのを感じて、正面を見据える。
連勝に継ぐ連勝で、勝利を確信しているのだろう。フェルナンドが自信に満ちた表情で、石を弄っていた。
中央に二枚ずつ石を置き、準備が整う。
がんばって、と背中にかけられたタニアの応援に、やる気を湧きあがらせながら、フェルナンドに舌戦を仕掛けた。
「あなたは勝ちすぎましたね。いい所で身を引いておけば、美味しい思いをしたのに」
「これにも勝つから問題ないよ」
「その言葉、終わったあとも言えますかね」
「同じ言葉を返そう」
先手後手はコイントスで決められる。
石が親指で弾かれると、目に追えない回転で上へと飛び、そしてエイジの手の甲に収まった。
「黒」
「黒ですね。では先手をどうぞ。――あなたに、敗北を教えます」
盤上にパチリと石がひとつ置かれる。
リバーシは後半になればなるほど、選択肢の減っていくゲームだ。
現在全てのパターンを総当りした最善手はまだ解明されていないが、それでも後手の第一手目から、定石は存在している。
エイジはリバーシの有名な定石を覚えていた。
名前も覚えやすく、馬定石や虎定石など、動物を冠した定石が多い。
定石を覚えるということは、その定石の通りに進む序盤、石の無駄なく打つことが出来る。
「随分と打つのが早いんだね」
「まだ始まったばかりですからね」
フェルナンドが訝しげに聞くが、エイジは答えをはぐらかした。
盤上の中央四マスがいびつに埋まりつつあり、勝負は中盤に差し掛かる。
強いな。リバーシの基本を押さえている。
普通にやっては勝てないわけだ。
エイジは素直に感心した。
リバーシには攻略法がしっかりと存在する。
相手の打てる選択肢を減らし、自分を増やす。
そして相手にこちらが望んだ場所に打たせる。
そのため、序盤や中盤でいくら石をとっても意味が無い。
もっとも良い形は、相手の石が自分の石の周囲を覆っている形だ。
そのための基本的な技も、中割りなどと呼ばれ存在する。
相手がパスせざるをえないような状態から、こちらが打ちやすい状況を作り出すことが大切だった。
そして現在、盤上はまさにその状況にある。
「おいおい……こりゃ……一体いつの間に?」
「さあ、どうしました?」
「少し考える時間をくれ」
「どうぞ」
フェルナンドが呆然とつぶやいた後、盤上に集中し始めた。
二手、三手と先を読んでいるのだろうが、あまり展開は良くないらしい。
そもそも選択肢が殆どないのだ。不利でも打たざるをえない。
「くそ。一角を取られたな」
「一角では済ませませんけどね」
「言ってろ!」
珍しく語気を荒くしたフェルナンドは、再度黙考すると、盤上の読みに深く沈んでいく。
ハーブティーを飲みながら、フェルナンドの手を待っていると、周りを囲んでいた観客の一人、マイクが声をかけてきた。
「なあ、どうなってるんだ?」
「右下の一角は、私が制しました。対角と右上はまだわからない状況で、左下は高い確率で押さえることができます」
「正直レベルが高すぎて、どういう考えで打ってるのかまるでわからんが、頑張ってくれよ。俺も黒貂の上等な毛皮をやられてるんだ」
肩を叩いて、マイクがまた元の位置に戻る。
フェルナンドは考えが済んだのか、ニヤリと笑うと、ある一点に石を置いた。
「X打ちか……」
「なんだい、それは」
「角のすぐ隣をC打ち、斜めをX打ちと呼ぶんです」
「へぇ、知らなかった」
「ただ、これは……」
X打ちは相手に角を取らせながらも、その横に確定石を打ち、一発逆転を狙える博打性の高い一手だ。
先を読めば読むほど、混戦になって勝敗が分からなくなった。
おかしい。先程までの優勢が消えている。
胃のあたりがギュッと握られたような不快感を感じる。
落ち着け、と言い聞かせて呼吸を深いものへと意識する。
突如噴き出してきた手の汗を拭う。
先程までの余裕はなく、エイジも再び盤上へと集中せざるをえなかった。
パチ、パチと石が置かれるたびに、わずかな空白が挟まれる。
お互い軽口を叩く余裕もなく、盤上だけに集中する。
いつしか村長宅には二人の息遣いが聞こえるほど静かに、緊迫した空気が流れていた。
エイジは盤上から目を放し、辺りを見た。
ボーナがコクリと頷いた。
負ければ多額の損失になる。
一年分もの食料となれば、大変な量だ。
責任をとる必要はないと言われていても、それでも背中にかかる重責がこの場で軽くなることはない。
後ろではタニアが手を組んで祈っていた。
勝利を信じていると言ってはくれたが、それでも必ずという言葉はない。
観戦者の一人であるタニアには、祈ることしかできない。
負ける訳にはいかない。
だが、勝てるとも言えない状況。
石を置く度シーソーゲームのように勝利は左右に揺れ動く。
勝っているのか、負けているのか。
戦況は極めて危うい。
勝負は終盤へとさしかかり、盤の『辺』を取り合う形になってきた。
ここまで来ると、確定石が次々と出てきて戦況がはっきりと分かってくる。
エイジは苦しい顔をしていた。そしてそれはフェルナンドも同じだ。
ふたりとも冬場と思えないほどに顔中を汗で濡らしている。
まるで勝敗がわからないのだ。
だが、それでも石を置くたびにゲームは終わりに近づく。
やがて結果は訪れるのだ。
「三三対三一か。僅差でしたね……」
「まさか、こんな結末になるとは……」
盤上に埋まった六四の石。
それらは一見等しく見える。
間違いなく接戦だった。序盤のエイジ、終盤のフェルナンド。
お互いの実力を遺憾なく発揮した一線だった。
「君の勝ちだ――エイジくん」
「ありがとうございます。でも次やるのはコリゴリです。あなた本当に強い」
「僕だってしばらくは休みたいな。頭が疲れた。……はぁ、来年は豪遊できると思ったんだけど、そう上手くはいかないか」
フェルナンドがエイジの手を取ると、高く挙げた。
ワッと声が上がって、観客が二人に近づく。
借りが帳消しになったとあって、負けが込んでいた人ほど嬉しそうだ。
とにかく疲れた。
これほど知恵を絞ってゲームに興じたのはいつ以来だろうか。
ちょっと記憶にはなかった。
「お疲れ様でした。やっぱり私の旦那さまはすごい人だったんですね」
「ようやってくれたな。お前の婆さんとしては嬉しい限りじゃ。今回は面倒をかけたなぁ。約束はちゃんと守るから、楽しみにしとれ」
「エイジ、ありがとよ。今度また鍋奢るぜ」
「オラの豆もやるでよ」
「パンが返ってきたどー! 俺はもう賭けはしないぞ。しないんじゃないかな……多分しないと思う……」
疲れ果てたエイジに、タニアが笑顔とともにワインと濡れた布を渡してくれる。
ワインを口に含み、顔の汗を拭う。
緊張していた心が、タニアの喜ぶ姿を見るとゆるゆるとほどけてくるようだった。
「いやぁ、ほんとうに疲れました」
「帰ったら私ともやりましょうね」
「いえ、またの機会ということで」
「えー、勝ち逃げだよ?」
その後、村では物品の賭博が禁止になり、見つかった際の厳しい罰則や、賭博の儲けを負けた人間に強制的に返させる制度づくりなどによって、リバーシ賭博事件は収束を迎えた。
そしてごく一部、家族内でちょっとした頼み事など、可愛らしい範疇のチップだけが許された。
その後大富豪事件やポーカー事件といった類似事件が再発するが、それはまた、後の話だ。
エイジとタニアは一日の献立に、頻繁に川魚や干し肉、そして小麦のパンが出ることになり、小さな喜びを分かち合った。
二人のその後の勝敗が、村人に語られることはなかった。
いつも応援ありがとうございます。
今回は普段二つぐらいに分ける文量を一度に載せたのですが、読んでいて負担にはならなかったでしょうか。
前回予告していた畜舎編は次回となりました。




