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プロローグ

【焔斧槍】


タァン、という銃声と同時に、私と紋知槍(グングニル)はビルの中を走る。

途中、紋知槍(グングニル)とは別れ、私は目的の場所へ向かいながら、愛用の突撃銃(アサルトライフル)を撫でた。

広い世界に、私一人。世界の全てが私を置き去りにした様に思えて、怖くてたまらない。

途中、徘徊中の一人のテロリストを発見した。私達の様に個人性能(パーソナルスペック)が高い訳ではない、ただ銃を持ったテロリスト風情が一人になるとは、とんだ笑い話だ。

私は壁面に隠れながら、腰に帯びた自動拳銃(オートマティック)を引き抜き、陰からテロリストの背中を躊躇う事なく発砲。ガン、ガン、ガン、と。計三発のゴムスタン弾は、吸い込まれる様に男の背に当たり、男は気絶した。私は男に近付き、念の為に頭に二発発砲して先を急いだ。

やがて、閉ざされた扉を発見した。突撃銃(アサルトライフル)の銃口を鍵に向け、五発を全自動(フルオート)で発砲する。屋内クリアリングの基本として、扉の鍵を開ける際は二発以上撃ち込むのだ。

私の使っている突撃銃は旧式で、使う弾薬が大きすぎる為に全自動(フルオート)で撃つと制御を失う程で、ゴリラぐらいにしか扱えないと言われている。だがしかし、この銃は量産しやすいプレス加工ではなく、削り出し加工なので連続で速射してもフレームが変形しにくく、その点で私はかなり気に入っている。

私は大きな扉のドアノブを回し、難なく中に入ろうとして……中で何かつっかえているのか入れない事に気付いた。

(なるほど。バリ封か)

バリ封とはバリケード封鎖の略で、扉の前に障害物を設置して開かない様にする方法だ。これは全国のテロリストの常套手段となっている。

面倒くさい。私は口の中で呟き、足を上げて扉に靴底を当て、

勢い良く前に蹴った。ズガシャアンガシャン!と耳をつんざく音と共に、扉が開いた。悠々と中に踏み込み、私は人質に目も向けずに突撃銃を速射した。

大口径の特注ゴムスタン弾とは言え、当たれば痛いどころの話ではない。確実に骨は折れるだろうし、当たり所が悪ければ死ぬ時は死ぬ。

だけど。

そんな事は私の知った事じゃない。

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