GrandKing⑦ 3/3
今から2年前――――
学園ランキングの評価ポイントの一つ
レンが〈ダンジョン戦〉のアクセスポイントへ向かうワープバスを待っていると同じクラスのシートが現れ声を掛けた。
「おつかれっす!」
「おうっ」
「では、失礼して・・・」
「えっ・・・・・・?おい・・・・・・」
「へ?」
当たり前の様に隣に座るシートにレンは少し驚き、シートは何か問題でも?という顔をしている。
「ここ、ダンジョン口行きのバスだから、第三エリア行きじゃないぞ」
「ええ!大丈夫っすよ!俺も行くんで!」
「シート、君は学園ランキング出てたのか?」
「いや、ランキングには出ないんすけど・・・ほらっ」
シートはそう言いながら右の腕輪をレンに見せつけると、それに着いてる小さいボタンを押した。
すると、腕輪の上に学生証の画像が空中に映し出された
その学生証の画像をひょいっとスワイプすると、別の証明証が表示された。
「あぁ、陣員か」
「はいっ!今日からっす!いや〜誰の元に配属されるか楽しみっすよ〜」
「そう、俺の所じゃないと良いな」
「 え、なんでです?」
「俺の元に来たらプレッシャーだろ?背負うものがデカいし」
「そうっすよねーレンさん初出場でGrandを取ってしまうんですもんね〜しかもその次もGrandなんて!」
「世間じゃ、次も俺が取って三冠になるのは確実だなんて言われてる。それに、前二回で着いた俺のファンの累計は400万人、その全員から向けられる視線は普通の神経してたら耐えられないぞ?」
「ひょえー王者の臣下って大変なんすねー」
「だから、もし俺の所に配属されたら辞退する事を薦めるよ」
「まぁ、そん時はそん時っす!!」
■シークとレン、ダンジョン口入口に到着
「あははは〜どうやら言霊ってあるようっすね〜」
それぞれ別れた二人だったが、ほんの2分後に再開した。
シートはレンに陣員証を見せる。シートが先程レンに見せた時空欄だった箇所に新しく文証が表示されている。
それは、レンの学園ランキング出場権を現す文証だ。
学園ランキング出場者にはは【TOPWOKER】から文証を授与される。そして、陣員証に出場者の文証が押印された者はその文証を持つ出場者の配属となる。
既にレンの周りに4人の陣員が集まっている。
「おい・・・・・・・・・」
集まっている4人の中で一番身体が巨体な漢がシートを睨む。
「何レンさんに馴れ馴れしくしてるんだ?」
「え?あぁ!なるほどー!すみません!僕って・・・」
シートはレンに肩を一方的に組むと
「レンさんのクラスメイトなんでーすっ!☆よろしくおねっしゃーす!!☆☆」
「お・・・・・・おい・・・・・・」
次の言葉をレンが口にしようとした瞬間、その寸前で巨体の男の周囲にババッ……バチバチ……と、小さく複数の稲妻と共に青色の魔力オーラが放出された。
「今のレンさんはトップであり、お前の『主』だ
馴れ馴れしく肩を組むんじゃねえ・・・・・・」
「落ち着け、スピ」
隣に立っている眼鏡を掛けた男子が激怒している巨体な男に横から一声かけて宥める。
「だがなぁ・・・」
「このままではお前・・・攻撃魔法を使ってしまうだろう?まだ『ダンジョン外』なのに」
「確かに・・・な・・・」
吹き上がっていた魔力のオーラがふっと消えた。
「まずは、自己紹介してくれないかな?」
「あれ?言いませんでしたっけ?」
「いや、俺のクラスメイトだと言ったきりだぞ」
「あーー!!すんません!名前はシートっす!今日からよろしくおなっしゃーすっ!!」
シートは自分の名を名乗るとバッと5人に頭を下げた。
「私はレオリーそしてちょっと怒ってる彼がスピードで・・・」
巨体な男の名前を教えられた瞬間、シート「スピード!?この図体で!?」と、内心で思った。
「ゴレッダだ」
「セシーだよ!よろしく!」
二人の名前を知るとシートは内心で「この人がゴレッダ!?めっちゃスピードっぽいのに!?」と驚愕した。
それは無理もなくゴレッダは長身で細い見た目をしている。如何にも、スピードタイプな風貌と言えよう。
「とはいえ、今のスピードの言葉は一理ある。ここでは、レンさんは君にとって同級生のクラスメイトではない、それに―――――」
「生半可な覚悟でダンジョンに入ったら死にますよ?」
「ひっ・・・・・・りょ・・・・・・了解す・・・・・・」
シートはレオリーが瞬間だけ見せた"殺気"に気圧され縮こまりながら頷いた。
「それでは、こちらがレン様が挑戦するダンジョンになります」
真っ暗だった筈の洞窟の入口に巨大な扉が出現し、ギギッ・・・・・・と、戸を開いた。
レンを先頭に6人はダンジョンの中へと入る。
そして、レン一行は制限時間1時間の間にダンジョン第5層の主ボスまで討伐する事に成功した。
「いや〜6層まで行けそうだったすね〜!おっしー!!」
「シート、お前よく俺達の動きについて来たな」
「へへっ、これでも試験は980点で合格したっすから!」
「すっげえ!980って超優秀じゃん!そりゃあ良い動きするわけだ」
「もう結果出てるかな」
セシーが言いながら空を指で触ると、無機器モニターがセシーの手元に出現した。
「お!出てるよ今回は・・・・・・」
セシーが言いながら画面をスワイプする
轟レン・・・5層ボス撃破 75000P
宮富士ジェシー・・・2層ボス撃破 23000P
徳田ガイア・・・7層ボス撃破 120000P
「げっ・・・そうか、今回元王者も出てるんだ・・・・・・」
「私達は何点だったんだ?」
「75000P、でも・・・元王者のガイアの所が12万Pらしい」
「じゅっ・・・12万!?!?」
「流石、元王という所か・・・・・・これは、二次戦で更に気を引き締めないとならないようですね」
「皆・・・悪い」
「レンさんが謝る事じゃねえよ」
「いや・・・これだけ差が開いたのは俺にも非があるんだ、今日、魔力出力の調子が悪いみたいなんだ」
「確かに・・・前よりダメージ出て無かったな・・・レンさんの攻撃」
「次こそはフルスロットルで出力出来るように努めるから、皆も力を貸してくれないか?」
「何言ってんだトップ!そんなの当たり前じゃねぇか」
「そうっすよ!」
「ああ!」
「ええ」
「この程度の点差、今の俺達なら追い抜かせるに決まってますよ!」
「ありがとう・・・」
レンは感謝の言葉を口にしながら心では後悔していた。
何故ならば、レンは今、少し心が痛んでいるからだ。
陣員に調子が悪いと偽り、本当は三冠を手放す為に加減しているのにも関わらず、無意味に力を使わせようとしている。自身の非道さに・・・
だが、複雑な者で、それと同様にレンは喜びもしていた。
これで、三冠にはならずに済むと。




