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注文の多い赤ずきん —第四夜/第五夜—
四日目。
ようやく腹以外の部位が食べられる。両腕、両足。
太ももは血を抜いて冷肉に。このムチムチとした食感——たまらない。
二十本の指先はソテーにして頬張る。
そして腕は丸ごとフライに――顎を使って、骨から肉を引きはがすのが快感だ。
最後に抜いておいた血を酒の様にグイっとあおる――喉の奥がかっと熱くなる。本物の酒のようだった。
やがて私は、そのまま酔いつぶれて眠りに落ちた。
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五日目。
今日も血のジュースに酔いしれる。
この前からずっと部屋に干してあった腎臓と子宮をつまみにした。
もはや原形をとどめないくらい水分が抜けていたので、かなり歯ごたえがある。しかし、その分うまみが凝縮されていた。
だがそろそろ……飽きてきた。
バリエーションを楽しむのは良いが、何といっても私は狼だ。文明的なグルメ志向など気にせず、ひたすら野蛮にすべてを貪り尽くしたい――
だが、もう少しの我慢だ。
あと二日、あと二日で――