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お食事の時間のホムンクルスちゃん

「何が、おきたのでしょう?」


 先ほどの閃光で、まだチカチカ目を擦りながら私は現状確認を急ぐ。

 まずは自身の左腕から。


「途中まで刺さっているこれは、どうみてもレベル二のスキル・ラビッシュ、です」


 腕から飛び出している部分に、そっと触れてみる。これも抜けないし、これ以上刺さらない。


「スキルはどうなったのでしょう。スキルステータス、オープン」


 まるく、魔法陣が広がる。

 そこにかかれていたのは、「砂礫喰い」のスキルの文字だった。


「悪食が消えて、別のスキルを習得しています! この、されきぐい? ですかね。これも文字が点滅しています」


 試しに触れてみると、悪食のスキルの時と同様、外す事も出来るようだ。


「悪食のスキルが二つ習得出来たら、片方を試しにはずしてみるつもりでしたから、あてが外れてしまいました。これ、悪食のスキルが二つ統合されて、新しいスキルに変わったと見るべきですよね」


 その時だった。

 きゅーという小さな音が聞こえる。

 それと共に腹部に感じる、違和感。

 腹部の中で何かがぎゅっとつかまれているかのような、そんな始めて感じる感覚がする。どうやら先ほどの音も同じ箇所からしていたようだ。


「これは一体なんです? ──ああ。空腹、という物ですか」


 生まれてこのかた何も食べていないために、体が食べ物を求めているらしい。


「人間は、こういう時に、何か生き物を食べるのですね」


 詰め込まれた知識をもとに食べ物と言うものが室内にないか探す。それらしき物はない。


「どんどん空腹が強くなっています。──与えられた知識によれば、補食行動をとる際は、他の捕食者から襲われる危険性が高そうです。今の状態で、部屋から出るべきでしょうか」


 悩んでいると、足元に転がる部屋の壁の欠片が目にとまる。先ほどのゴブリンが壁に激突した際に飛び散った物だろう。

 私はひょいっとそれをつまむと、何の気なしに自らの口へと運んだ。



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