旦那ちゃんと嫁ちゃん~四月の嘘~
ほのぼのまったりと。
「春ははじまりの季節だね~」
旦那ちゃんが言った。
「そだね~」
嫁ちゃんが答える。
「でも、まあ、うちら・・・」
「大して今年も変わり映えしませんね」
「そう、年取るとこんなもんだよ」
「左様、左様、同じことの繰り返し」
「そだね~」
「そだよ~」
葉桜の花びらが風に舞う。
のどかな一日のはじまり。
「まあ、気持ちは新鮮な気持ちでいたいよね」
嫁ちゃんが言った。
「そうだね。この季節はいつもそう思うよ」
旦那ちゃんは頷いた。
「けど・・・」
「忘れちゃうんだよね~」
「そだね~」
「だね~」
「じゃ、なんか新しい事はじめるか」
旦那ちゃんは言う。
「新しい事ねぇ」
嫁ちゃんは呟く。
「うーん、言ったはいいけど・・・」
「思いつかないね」
「そだね~」
「そやね~」
「そういや、旦那ちゃん去年のこの頃からパチパチ(なろう)はじめたよね」
嫁ちゃんはふと思いだす。
「そうだね」
旦那ちゃんは頷いた。
「私も書いてみようかな。ひょっとしたら旦那ちゃんより才能あるかも」
「よせやい」
「でも、私どっちかと言うと理系脳だし・・・本あまり読まないし、まぁ興味ないし」
「それでよく言えたね」
旦那ちゃんは笑った。
「言えたね・・・?その姿でよく言えたね」
嫁ちゃんは静かに旦那ちゃんの一点を見る。
「はううっ!」
アレを鷲掴みにされる旦那ちゃん。
「裸族はダメって言っているでしょ」
捻りあげる嫁ちゃん。
「だって、こんなに気持ちいいお・て・ん・き・・・」
「ちょいやあああっ!」
「きっきゃあああっっっ!」
「ち〇こ取ったりぃっ」
「令和の阿〇貞事件・・・」
がくり倒れる旦那ちゃん。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
「なーんて」
嫁ちゃん。
「嘘ぴょーん」
旦那ちゃん。
「だって、今日はエイプリルフールですもん」
嫁ちゃん。
「そうそう、だから本当は下履いてないのも幻かも」
旦那ちゃん。
「それは・・・多分」
「やめれ~」
四月の嘘はエイプリルフール。
今回の旦那ちゃんと嫁ちゃんは痛み分けといったところ。
だが、隙あればと旦那ちゃんは己の復権を目論む。
いけっ、旦那ちゃん嫁ちゃんをいつかぎゃふんと言わせるその日まで。
この思い届け、春風に乗って(笑)。
ゲラゲラコンテストがまだ抜けてないようです(笑)。