1.という夢を見た。
更新です_( _´ω`)_
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明日はお出かけの予定があるけど、血眼になって書くよ!!
「えぇ……?」
――という記憶をいま、思い出した。
春麗らかな日差しがこぼれる森の中で、俺はボンヤリと立ち尽くしていた。
なんてことない。友達と一緒に狩りをしていた、それだけ。その最中に、前世の記憶としてアレを見たのだ。白昼夢のように、突然に。
「え、なに? えっと……」
記憶が入り乱れて、混乱している。
とりあえず現在の自分について、改めて確認しよう。
「俺の名前は、レオ・リート。成人直前の十五歳」
それで、この場所は。
「ここはアルディナ。レオが生まれ育った町で――って、アルディナ!?」
そこまで考えて、俺はあることに気付いた。
慌てて近場にあった池に自分の顔を映して確認する。
「ま、間違いない……」
そして、確信した。
「ここ、ゲームの世界だ」――と。
◆
『ヴレイヴ・ヴァンガード』というゲームがあった。
鬼畜ゲーと名高く、初見殺しや高難易度固定もさることながら、ストーリー内容にまで鬱なものが多く、一般世間からの評価はイマイチ。
しかし、こと縛りプレイ界隈においては神ゲーとの呼び声高かった。
だって、それだけやり込める、って意味だもんね!
「とか、言ってる場合じゃないんだよな。どうすんだ、これ……?」
俺は苦笑いしつつも、その場で必死に考え込んでいた。
いわゆる異世界転生ってやつかもしれないが、それどころではないのだ。
何故なら、レオ・リートはこの物語の主人公なのだから……!
「このまま物語が進行すれば、俺は絶対に死にかける……! いや、下手したらまた、意味が分からない間に死んでしまう!!」
『クリアしたけれど、こんな主人公にはなりたくないなーwww』とか言ってた俺だけど、それ笑いごとじゃなくなってるよ!!
いま、まさにそんな主人公になっているのだから!!
「う、うおお……どうする、俺……!」
頭を抱えてしまった。
事態は八方ふさがりで、どうしようもない。
だが、そこでふと死に際に聞こえた変な声を思い出した。
「あれ、そう言えばスキルを付与、って言ってた気が」
たしか【絶対回避】と【完全無敵】だったか。
ずいぶんな名前だが、いったいどのような効果なのだろう。
そう思っていた時だった。
「レオ! そっちに行ったぞ!!」
「へ……!?」
一緒に狩りに出た友人の声が聞こえて、巨大な猪が迫ってきたのは。
とてもじゃないが、避けられない。
だが、次の瞬間だった。
【絶対回避】――発動。
「え……!?」
また、声が聞こえた。
そして身体が勝手に動き、猛進する猪の動きを寸前で回避する。
すると猪は真っすぐに突き進み、ちょうどそこにあった大木にぶつかって絶命した。同時にその木はへし折れてしまう。
改めて、こんなもの喰らったら確実に……。
「え、いや。それよりも……!」
俺は自分の身体に起きた出来事を思い返した。
そして、一つの結論に至る。
「【絶対回避】って、そういうこと……?」
これって、もしかしてチートスキルなのでは? ――と。