第3話 カッパを狙う黒い影
「雄大くん、これあげるよ」
ある日、雄大は先輩の萩原からなんかの薬のような物をもらった。
「ありがとうございます、何ですかコレ?」
「うちの叔父が中国で作ってる勃起薬だよ。」
そのパッケージにはハギワラマコトと書かれていた。
名前は日本風だが、製造国が中国のせいかあやしさ100%であった。
会社名が皇室御薬株式会社と書いてあった。
ちなみに皇室は薬を作ってはいないのである。
「これを使えば勃起の持続時間が増えるよ、彼女とプレイしてみるといいよ。」
萩原はそう言い残すとジムの見回りに行った。
雄大はハギワラマコトをじろじろ見た。
パッケージには勃起の持続ハワーアップとか発育ぎせる、さらには勃起るなど間違った日本語が書いてあった。
そして開けると小さな瓶があった。
蓋はまるで農薬でも入っているような蓋の閉め方だった。
回して開けるタイプの物ではなかった。
雄大はビンの蓋を開けた。
入っていたのはちょっと小さめの長方形の白い錠剤だった。
錠剤には番一と彫ってあった。
おそらく一番と書きたかったと思われる。
全くもって日本製と見せかけるつもりが失敗していた。
そしてその頃、萩原はジムを見回りしていた。
いきなり黒い影が萩原の背後にいた。
黒い影は語りかけた。
「今の薬どこで手に入れた?」
「今の薬って?」
「高橋くんにあげた薬の事だよ」
「あの薬?
あの薬は中国のおじさんが送ってきてくれたんです・・・」
どこでその情報を手に入れたかは謎である。
しかし萩原は何か危険を感じたらしい。
この場を離れたくても体が言うこと訊いてくれなかった。
黒い影の威圧が来たのだろう。
「薬よこせ」
「薬は一つしか持って来てません」
「そうかでは・・・
ぬんっ」
黒い影は萩原のオデコの上の辺りをピトっと指を突いた。
「ぐおっ」
「毎時シコリたくなるように秘孔を突いた・・・
お前はもう死んでいる」
黒い影からはケンシロウのような威圧感が漂っていた。
悪党を仕留めたと言わんばかりだった。
「な、何~」
いきなりだった。
萩原の体に異常が出ていた。
「あ、あれ?
体が勝手に・・・」
萩原がいきなり服を脱ぎ始めた。
そしてパンツまでも脱いでしまった。
「何でパンツまで脱いじゃったし」
全裸になった萩原のチンコが立っていた。
エロ本やAVを見てないのに。
そしてあぐらをかいて座り込んだ。
立った自分自身のチンコをしごき始めた。
「はーっ!!
止まんねー!!」
尋常ではないスピードでしごいていた。
「死ぬまでしごいているがいい」
黒い影は萩原にそう言い残すとどっかへと姿を消した。
しかし萩原のオナニーショーをたまたま見た女性にこう言った。
「萩原さんのシコリ魔!!」
この後、警察が来て猥褻物陳列罪で萩原は逮捕されたが、オナニーが止まらず、やむを得ず強引に縛り上げ病院送りにしたのであった。
何者かに秘孔を突かれ、体が勝手に動いてオナニーが止まらなくなったと言っても信じてもらえなかったのである。
何者かがイオンの屋上から東武練馬付近を見つめていた。
天気は晴天だった。
さっき萩原に逆襲した黒い影であった。
姿は石原良純が日サロに行ってきたような容姿だった。
腕を組んでじっと一点を見つめていた。
(萩原に秘孔ついても何にもならんかった・・・
奴は警察行きだろう・・・
俺の愛人ハーレム計画にはどうしてもハギワラマコトが必要なのだ・・・
俺も歳だしな・・・
しかし愛人ハーレム計画には、カッパも必要なのだ・・・
カッパの力さえあれば、神がかり的な事も可能だと聞いた・・・
最近ここ東武練馬で洪水が起きた時、チップネスでカッパが現れたとか話があったな・・・
だとするとこの付近にカッパがいるということになるな・・・
普通には生活出来ないからおそらく人間体の姿でいるのだろう・・・
オスかメスかもわかんないからな、どう探したらいいのだろう・・・)
黒い影は周りを見渡した。
考えはろくなものではなかった。
(カッパの誘き出すにはカッパの好きなものを使うしかない
何が好きなんだろう・・・
きゅうりかな・・・
とにかくカッパを捕獲だ・・・
我が松崎神拳と神がかりのカッパの能力を使えば愛人ハーレムの野望は夢ではない。)
黒い影・・・日サロ下(あだ名)はくだらない野望を抱き、今日もムラムラするのであった。
「はーっくしょん!!」
雄大はカッパなのにくしゃみをした。
何者かに狙われているとは思っていなかった。