表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
河童物語  作者: たつきゆっけ
2/9

第2話 カッパ現る

ここは東武東上線東武練馬駅から歩いて2分の所にあるチップネス東武練馬店がある。

チップネスはゴールドジムやコナミスポーツクラブ、その他に並ぶ大手トレーニングジムである。

首都圏はもちろん、中部地方や京阪神などに

因みにチップネスはNテレの傘下である。

チップネスはスタジオレッスンがかなり豊富で格闘技の動きをするマーシャル系やファイティングラッシュ、バーベルを使ったパワーラッシュやダンスのレッスンやエアロビクスその他がたくさんある。

しかし・・・

ここにはカッパがいた・・・

名は高橋雄大(たかはしゆうた)・・・

津軽出身の沼ガッパである。

普段は人間の姿をしている。

しかし小川直也のヘアースタイルしているせいか演歌が似合う男だったりレイバンのグラサンをかけると西部警察の大門だったりとバラエティー豊富なカッパである。


ある日、雄大は三丁目のコンビニでなぜかタバコを吸っていた。

本当はマズイのではあるけれど・・・

どうやら嫌な事があったらしい。

本当はとある2人に失礼な事をしたらしく、次の日に抗議をされたのである。

それどころかその2人はチーフの石井氏にその事を言ったらしく、注意されたのである。

しかし雄大は開き直ったのであった。

(あー、津軽に帰って泳ぎてぇ・・・)

故郷を懐かしんでいた。

しかし懐かしんでいるうちに何か閃いたようだ。

(よーし、夜雨乞いでもしてみるべか)

そう思いタバコを消し、愛車の自転車に乗りチップネスへと向かった。

そして日曜日の夜・・・

雄大は住んでいるマンションの屋上でカッパの姿となり、何故か設置してあった祭壇らしき物の前で祈り始めた。

「クェー!(神よ、天の恵みを与えたまえ)」

カッパに変身した雄大がそう叫ぶと何の因果なのかいきなり雨が降り始めた。

雨は段々強くなっていき、この辺りでは珍しく床下浸水などが起きた。

東武練馬のチップネスでは・・・

「土嚢積むよ」

洪水になった東武練馬ではアッチコッチで土嚢を積んだりしていた。

施設内に水が入ったチップネスも例外ではなかった。

支配人中心に全員で水が入って来ないように土嚢を積んでいたり、水をかき出していた。

「何で台風来てないのにやんなきゃなんねーんだよ!」

「しゃーねーだろ!

こうなっちゃたんだから」

しかし作業していると・・・

「ん?

何だありゃ」

「あれカッパじゃね?」

彼らが見たのはカッパだった。

しかも水の溢れる東武練馬で泳いでいたのである。

「どしたの?」

「なんかカッパが泳いでたんだけど」

チップネスのスタッフたちが泳いでゆくカッパを見て手が止まった。

近くで土嚢積んでいる人たちもカッパが泳いでいるところを見ていたのであった。


挿絵(By みてみん)


その頃、東武練馬の駅前が地元でチップネス会員のりゅう氏(仮名)は家の基礎が高かったので床下浸水は免れたが、彼もとあるものを見てしまう。

りゅう氏は雨の凄さを玄関から外を見た。

「この量じゃセレナはダメになっちゃうかな」

家の車を見ていると・・・

「ん?何だあれ」

何かを見つけたりゅう氏は目を凝らしよく見た。

「あれ?カッパかなって・・・

カッパじゃん!!」

りゅう氏はあわててスマホをポケットから取りだしカメラモードにしカッパを撮ろうとした。

「なじぇこんなトコにカッパが?

とにかく写してマウンテンさん(仮名)に送ろう」

そう言いながらカッパを映してると泳いでいるカッパがりゅう氏の方へと近づいてきた。

「クェー!!(何撮ってんだよ!!)」

カッパは怒りながらりゅう氏に襲い掛かった。

「わあああ!!」

りゅう氏は慌てて家の中に入り速攻でドアを閉めカギをかけた。

カッパは身を怒りに任せたまま玄関のドアを叩きまくっていた。

「うるせーな」

あまりのうるささに怒ったりゅうパパが部屋から出て来た。

「出ない方がいい、相手はカッパなんだけど」

「カッパ?何言ってんだよ!」

「オレ見たんだよ、しかも襲われた」

「マジ?」

「うん、マジ」

りゅう氏は父親にカッパが写ったスマホを見せた。

スマホに写っているカッパの部分を指さした。

「これこれ」

「マジかよ・・・」

りゅうパパはカッパを見て唖然とした。

そして玄関の方へ向けた。

「バカヤロー!!うるせーよ!!」

りゅうパパは玄関に向かって怒鳴った。

するとカッパはおとなしくなったようだ。

りゅう氏は恐る恐る玄関のドアを開けた。

開けるとカッパの姿はなく、雨は止んでいて水が坂めがけて流れていた。

「よかった、いなくなった。」

りゅう氏は安堵のため息をついた。

しかし翌日・・・

東武練馬ではカッパが話題になっていた。

TVの取材クルーがやってきてあっちこっちでインタビューを敢行していた。

そして雄大はスッキリしたように出社していた。

そう、雄大がカッパだと誰も知らないのである・・・



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ